9.どこが違うの?
ここ最近「大人の発達障害」など、発達障害についてメディアで取り上げられることが多くなっている。
今までなんか自分は人と違うかもしれない。説明しづらいんだけどどうも生きづらいなと思っていた人たちが、実は発達障害だったと大人になってからわかった。それが「大人の発達障害」です。決して大人になってから発達障害になったわけではない。ここテストに出ます。(出ません)
発達障害と一言で言っても症状はさまざま。
テレビなどで取り上げられるおおまかな区分としてはASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHD(注意欠如・多動性障害)、LD(学習障害)の三種類。(もっとある! というご意見は不要です。尚、知的障害や精神障害についてはわからないのでご容赦ください)
うちの小さい人はASD。ちょっとADHDの気もあるかなというかんじ。日本語でOK。
知的な遅れはないのと、自閉症に対する周囲からのイメージとして言われる「目を合わせない、自分の世界に閉じこもっていて反応がろくにない」ということはないので「どこがどう違うの? 何が問題なの?」と聞かれることもある。
これまでも小さい人の特性について書いてきましたが改めてまとめてみる。ASDと言っても人によって症状は違うので参考程度に見ていただければ幸い。
空気が読めない。
ここはこうでしょが通じない。わからなければ聞けと言っているが、今でもこちらが予想しないことをする。
会話がかみ合わなくて疲れることもしばしば。Aの話をしているのにBの話を始める。Aの話なんだから普通はせいぜい派生してもA´ぐらいに発展していくと思うのだがそうではない。全然違うことを言い出すので聞く気がないのかと思われがち。本人は言われた言葉に対して思いついたことを言っているだけなので悪気はない。そうじゃないだろうと話を修正しようとしてもかみ合わない。しまいにはこちらがもういい、となってしまう。
ここは黙っている場面だと事前に伝えないと黙っていることができない。
本音と建前は全く理解できない。こういうものなのだというのをその都度説明するしかない。
全てを具体的に伝えないとわからない。
空気が読めないに通じるところがある。
たまたまこちらの体調が悪い時に、小さい姫の身体を洗ってあげることはできるけど一緒にお風呂には入れないということを伝えた。
「身体は洗うけど頭はどうするの?」と言う。今まで身体と頭をまとめて洗わない日はなかったはずなのに身体と頭が一緒にならない。そこまで言わないと駄目なのかとため息がこぼれる。
注意力散漫。
同じく空気が読めないにも通じるものがあるが、少しでも気になったことに意識が持っていかれがち。その為話を聞いていないことも多いし、聞いていないと思われがち。なので勉強中は周りに簡単な衝立をつけるなどしなければいけない時もある。
距離感がつかめない。
必要以上に近づいてくる。他人のパーソナルスペースが理解できない。ぐいぐいくる。歩いていても前の人にどんどん近づいていくので「どうしても前を詰めないといけない時以外は1メートルは開ける!」と言い続ける日々。
聴覚過敏がある。
ひどくはないが、周りの音も一緒に聞こえてしまい意識が散ることもある。大きい音は苦手(何故か自分が出す音は気にならない)なので、その都度耳を塞ぐことはある。パニック起こさないだけまだましになってきた。
気持ちの切り替えがうまくいかない。
怒り始めるといつまでも怒っていたり、落ち込むといつまでも落ち込んでいたり、やりたいことをしている時に中断させられたりした時なかなか気持ちの切り替えができない。好きなことを中断させられるのは大人でもつらいので気持ちはわかるのだが、その後の切り替えに多大な時間がかかる。そういう時こそ見通しが大事なので事前に時間を提示して切り替えを促す。うまくいかないことも多々ある。
体調がほんの少しでも悪いと必要以上に病人になってしまう。
一応症状を聞いて熱を測ったりし体調の確認をする。仮病ではありませんが必要以上に気分を盛り上げてしまう。どうしたらいいのかわからなくなり自身のコントロールができなくなるのでこちらが全て対処することになる。ちょっとした熱でもぐったりし、飲み物も食べ物も受け付けなくなる。しかし食事を定期的に取らないとすぐに体のバランスを崩しリバース(吐き戻し)するので大概の場合悪化する。というわけでゼリーやプリンなど食べられそうなものを複数用意しどうにかして食べさせていた。結果早く回復するように。飲食大事。
小さい人の困りごとを思い出せる限りでまとめてみた。
普通の子でもこういうところあるよ、と思うかもしれないが程度が違う。
11月に入り、交流学級(普通学級)での図工の授業を受け始めた。今のところ楽しく行っているらしい。
小さい人のような少し変わった子には環境設定が大事。できるだけ穏やかに余裕を持って暮らしていければと願っています。
小さい人(息子)の困りごとをまとめてみました。次回は得意なことなど書いていければと思います。
もし発達障害のお子さんがいらっしゃれば、お子さんの困りごとや、それへの対処方法など教えていただけると幸いです。