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12.油断は禁物です

 小学五年生の小さい人、それなりに頼もしくはなってきたのですがまだ油断できないところがあります。


 こんなことがありました。

「足が痛い」

 時折言い出します。

 歩きすぎ? どっかぶつけた? 膝が痛い? いつから痛い?

 毎回細かく聞き取ります。成長期なので成長痛の場合もあるかもしれませんが、その時は毎日痛みを訴えていました。整形外科に連れて行くべきかと考え、その前に靴はどうだろうと思いました。

「そういえば靴、きつくないの?」

「きつくないよ」

「本当に?」

「きつくはないけど、足の指が靴の中で曲がってるんだよね」


 今 な ん と 言 っ た ?


「足の指が伸びないの?」

「うん。曲がってる」

「それはきついって言うんだよ!」

 サイズの大きい靴を買ってあったので履き替えさせました。

 ら。

 痛みはなくなったそうです。

 それから「きつい」の定義を説明しました。

 足の指が伸びないのはきついのだから、大きいサイズに替えないといけないのだと伝えました。

 が。

 つい先日も足がすごく痛いと言い出し、原因は同じでした。

 たまたま他にも靴を買ってあったので履き直させたら痛みがなくなったそうな。

 今までは靴が小さくなったなど本人が言っていたので油断していました。「きつい」が理解できないようです。これからも注意していこうと思います。



 夏から二学期の終わりにかけてクラスの子とトラブルがありました。

 スクールバスの中で文句を言われる。学校では暴言を吐かれるなど、二学期になってから頻繁に訴えるようになりました。

 小さい人は話し方、説明のし方が下手なので、何度も何度も話を聞いて総合していく作業が地味にしんどいです。

”スクールバスの中で友達と小さな声で話していると「黙ってくださーい!」などと大声を出される。”

 スクールバスの中は私語厳禁だと聞いています。その子にも問題はありますが話している小さい人たちも悪い。そしてスクールバスは学区外の子の為に自治体が用意してくれている交通手段なので、不満があるなら乗らないで自力で学校へ行くように言いました。

 学校での暴言はひどく、小さい人のストレスが溜まっていたので担任に話し合いなどをさせてもらうよう働きかけはしました。小さい人には元々衝動性がありどうにかそれを抑えているような状態です。あまりストレスが溜まると手が出る危険性がありました。

 結果として本人たちの話し合いを担任の前でしてもらったことで、一応の収束に向かったようです。

 ただ火種は消えたとは言いがたいのでこれからも話は聞くようにしていきます。

 どうも小さい人は感覚が鈍いのか、こちらになんらかの不満を訴える時はどうしても耐えられなくなっている状態がほとんどです。不満が知らず知らずのうちに溜まり、一気に爆発するタイプなので厄介です。


 五年生になりましたが距離感は相変わらずつかめません。

 人と人との心の距離感もそうですが、物理的な距離感もです。歩いているとどんどん近づいてきます。縦に並んで歩く際は1m空けるように言っていますがなかなか難しいようです。1mのテープ持たさないとだめなのでしょうか。

 普通学級に好きな子ができたようです。小さい人の学級は女子がいないので、女子への接し方を話しました。

 自分の話ばかりしない。相手の話を聞いて否定しない。愚痴や相談は聞くに留め、誰かの悪口については決して賛同しない。特にアドバイスや否定は嫌われるという話をしました。

「女の子って面倒だな~。でもママは違うよね」

 何が違うのか。言語化は難しいようなのでまた聞き取っていきます。


 かなり頼もしくはなっています。

 小さい姫の宿題をみてくれたり、認知症の祖父を気遣い、祖母にフォローをしたりしてくれるようになりました。

 スイミングでようやくバックが合格しました。次は平泳ぎを習います。

 普通学級に通う五年生よりは幼いという印象です。焦らず小さい人のペースで暮らしていこうと思っています。

五年生の二学期の終りまでの小さい人の様子でした。

まだなにかあったように思うので思い出したらまた追加していきます。

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