表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/70

六話:チュートリアルは終了する

--ダンジョン-最上階-心臓石の間--

スライムたちは少々戦力過剰であるのだが、誤魔化しつつ少しずつ少しずつ上へ上へと上げていく。その後の敵襲はびっくりするほどスムーズに退けて、それで得たDP で素早く階層を増築し、また上げる。

何故ダイジェストかって?危なげなさすぎてつまらなかったからです。スライム強すぎ。

ようやく10階にたどり着くと、戦力過剰ダンジョン崩壊危機の表示がようやく消えた。

ただし一階から九階の防御がないため無用心であるとされ、再び魔物召喚。

「ですわね。」

ーーーーーーー

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクD:スライム(草)

ーーーーーーー

「…呪われてるんですの?」

「失礼な!?」

「お祓いも視野に入れるべきじゃのう。」

ーーーーーーー

ランクF:スライム(草)

ランクF:スライム(草)

ランクE:スライム(草)

ランクE:スライム(草)

ランクF:シープ(草)

ランクF:シープ(草)

ランクF:シープ(草)

ランクE:シープ(草)

ランクE:シープ(草)

ランクD:シープ(草)

ーーーーーーー

「良かった、シープが出たよ!」

「…良かったですわね。」

「…じゃのう。」

「どうして生暖かい目で見るのかな!?」

「種族はスライムとシープだけではないのですわ。」

「え?」

信じられないことに、スライムとシープ以外にも種族はいるのだ。

レイは落ち込んだ。

「そんなに…そんなに運悪いかな…」

「こうなったらさっさと生産装置を買った方がいいかもしれませんわね。」

「でも、高いんだよね?」

「見てみるのですわ。」

ーーーーーーー

自動生産装置

ランクF:スライム(草)を購入しますか?

所持:19万9200DP

必要:10万DP

ーーーーーーー

「知らない内に大量のDPが…」

「さあさあ買ってしまうのですわー!」

「うん。」

ダイジェストでお送りされた間に何があったのだろうか。いや何もない。スライム達がはしゃいで強力な魔法を雑魚相手に使いまくった結果である。

ついでに、エンジェルシープ(S+)をマスコット化した為でもあった。

ちなみに、今回は十分な数のバケツを用意したので事故はなかった。

「そういえばどこに置くの、これ?」

自動生産装置は高さ60cmくらいの台座に直径15cmくらいの球型水晶が乗っかっているものだった。水晶は無駄に浮いている。いらない機能だ。

ちなみに、その水晶の中にはスライム(F)の立体画像が映し出されていた。出てくるモンスターはこれで判明するのだ。

「そうですわね。壊されては悪いですから、10階に置けばいいのですわ。自動生産されたスライムは勝手に足りないところに自動配置されますの。」

「便利なのじゃー。」

「ふぅん…じゃあいいか。」

オススメ通りに10階に設置。近くにバケツの山を置いておいた。目立つかなと思ったレイは、ピラミッド型に積み上げて、接着剤で貼って、自動生産装置を覆い隠すことにした。

目立つことには変わりないが、いい接着剤を使ったので多少の攻撃では崩れないだろうと思われた。崩れたら埋まるのは崩した方だし。鉄のバケツを使ったのでかなり痛いはずだということで。

その内側に、小さなバケツを大量に置いた。

「よしよし、仲間はずれはないよね。」

「あれじゃあ出られませんわ。」

「あ。」

レイは慌てて鉄のバケツの内一番下の一つを削除し、穴を開けた。ありがちなうっかりであった。

生まれてきたスライムは自力でポンポン跳ねながら配置場所に行くのだ。

「(要塞のようなバケツタワーですわ…)」

ナビは引いていたという。

「仕事したなー。」

「…そうですわね。ところで、ナビは聞きたいことがありますの。」

「ナビでも知らないことを?」

「そうじゃの。妾にもあるのじゃ。」

「んー?」

レイはほへーっと疲れている。

「レイは、男ですの?」

「あるじさま、女であるのかの?」

「へ?」

レイは驚いた。

「僕は男だよ!?」

レイは男であるようだった。

さらにはレイの一人称が判明した。

「気づいてなかったの!?」

「妙に胸を見てくるから男かと思っていましたわ。」

「妾は可愛いものに弱いので女かと思っていたのじゃ。」

「でも、妙に気弱なところがありましたわ。」

「たまに下劣な視線を感じての。」

「女みたいな顔ですし。」

「喋り方も男らしくないのじゃ。」

「僕の評価…」

レイは落ち込んだ。

レイの男の子成分は下劣な視線のみであったのだ。仕方ない。だって男の子だもん。

「気をとりなおしてさ!えっと、ちゃんと配置しないといけないんだったよね?」

「そうですわ。」

「ふむ。階層ごとのフィールドの種類を見ておこうかの。」

ーーーーーーー

一階:ふわふわ草原

二階:爽やかな林

三階:綺麗な花畑

四階:甘い果樹園

五階:緑の館

六階:深い森

七階:鬱蒼とした森

八階:枯れた草原

九階:きのこの森

10階:ボスの間(草)

ーーーーーーー

なかなか個性的なダンジョンだった。

「ふわふわ草原ってなんだろう。」

「シープが進化したから名称が変わったんですわ。ふわふわしたモンスターの力が高まるんですの。」

「妾は甘い果樹園の方が気になるんじゃがの…」

「果樹園は果樹園ですわ。虫系のモンスターの能力が高まるんですの。」

「きのこの森は?」

「きのこの森ですわ。キノコ狩りが楽しめますの。」

「要らないよその機能…」

「あと、強化すると常に毒の胞子が撒き散らされて長時間いると死にますわ。」

「怖っ!?」

九階時点で無理ゲー化が進行している。恐るべしダンジョン。恐怖である。

「そういえば、建てるだけなら割と消費少なかったよね。」

「そうですわね。まあ、建てるだけなら。でもそれも、10階までですわ。今まではチュートリアルでしたのよ。」

「随分ハードなチュートリアルだったけど…」

「おかげで未だに説明回が続いていますわ。プロローグが長すぎですわね。」

「うん?」

「ここらでまとめときますわ。レイ、ノートと筆記具を買って下さいまし。」

ナビはレイにプレゼント(貢物)を要求した。

「いいけど。今、不穏な単語が…」

「気にすることはないのですわ。さあ、さっさと貢ぐのですわ。」

「いや言っちゃったから。今完全に言っちゃったよ?」

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

①DPの回収方法

・敵を倒す(味方でも可)

・モンスター以外の生命体がダンジョン内に滞在する

・魔法を使う

・モンスターを売却する

・モンスターをマスコット化する

②属性について

●ダンジョン

・10階に一度変更できる。

・属性によって出現するダンジョンの種類が変わる

-草…草原や森、

-火…火山内部や砂漠

-水…川や海

-光…空や水晶

-闇…迷宮や洞窟

-無…それ以外

●モンスター

・同じ属性のダンジョンにいると能力が上がる

・進化によって属性、名前は変わらない

・特殊進化の場合、二つ以上の属性を手に入れることもある

③モンスター入手方法

・心臓石で【ランダム創造(ガチャ)】する

・心臓石の【モンスターショップ】で購入する

・心臓石で【モンスター合成】を行う

・自動生産装置(モンスター購入の1000倍の値段)を購入する

→一日一回、購入の1万分の1のDPを消費してモンスターを生産する

④心臓石について

・ダンジョンの核であり、心臓。壊れると、ダンジョンは消滅する

・ショップなどの多彩な機能が使用できる

・ダンジョンマスターを設置する場合マスターに力の一部を移譲するので、マスターが倒されると一定期間力を失う

・劣化版の【心臓石の欠片】もある。心臓石にセットでついている以外に、ショップで購入できる

・ダンジョン建築など以外は欠片でも行える。

・モンスターに【心臓石の欠片】を埋め込むこともできるが、埋め込まれたモンスターは10階ごとにいるボスになる。

・階層に相応しくない強いモンスターを配置すると、心臓石に負担がかかりダンジョンが崩壊する

⑤ダンジョンクリエイターについて

・ダンジョンを創造、運営する

・ダンジョンが消滅、崩壊してもその責を問われない

・ダンジョンクリエイターが死んでもダンジョンは活動を続けるが、階層が増えたりすることはない。モンスターも自動生産によってしか生み出されない

・原則、自分の創造したダンジョンしか運営できないが委託された場合は運営できる

・ダンジョンオーナー、またそのほかのいかなる者もダンジョンクリエイターの運営するダンジョンを運営することはできないただし委託された場合は運営できる。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「え?待ってダンジョンオーナーって何?」

「ダンジョンクリエイターが死んだダンジョンや、自然に生まれて運営者がいないダンジョンを運営できる者のことですわ。」

「ふむ。持っとるダンジョン目当てにクリエイターを殺したりする輩もおるの。」

「嘘!?殺されるの僕!?」

「大丈夫ですわ。」

「そうじゃよ。あるじさまは妾が守るのでの。」

「ありがとう…」

命を狙われると聞いて、一般ピーポーのレイは非常に落ち込んだ。レイのペーパーハートにしてみれば、殺意とか敵意とかすっごくノーセンキューなのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ