第二十一話 パラチの過去 その2
途中で区切ろうかと思いましたが、区切ってしまうと次の話にも影響がありそうなので、今回は少し長めになりました。
※前話の前書きで書き忘れましたが、50年前の話なのでパラチの一人称が、余から俺になっています。
今は丁度、豊作月と呼ばれる月で、ミケアロス周辺では果物や薬草の種類が沢山実る季節だ。
その為、周囲の生き物は餌に困る事は無い。
道なき道を行きオリビアと共にミケアロスへ向かう。
途中、色々な種類の魔物に遭遇するが、餌が豊富な為、俺達を襲って来る奴はいない。
俺は向かう途中に、この辺りの危険な食べ物についてオリビアに教える事にした。
「オリビア。俺は薬草には詳しくないが、この辺の果物や食べ物には詳しい。オレンジ色と白色の果実は絶対に食べないでくれ、強い毒性があり、食べれば命の補償はしない」
「ジョゲの実と白徒の果実ですね?」
!? 意外だ! てっきり何も知らないお嬢様と俺は思っていたのだが、案外博識なのかもしれない。
俺は一年ほど前に、何も知らずに食べて悶え苦しんだ事がある。
恐らく、オレンジ色の実がジョゲの実で、白色がハクトだろう。
オレンジ色の方は高熱と幻覚で、目に映る景色が左右逆さまになり、高熱でしばらく動けなくなる。
白色は、寒気、頭痛、吐き気、手足の痺れを感じ、呼吸困難にも陥る。非常に危険な食べ物だ。
耐性のある魔族の俺がこれなのだから、ただの人間であるオリビアが、この劇物を口にしたら確実に命を落とすだろう。
う~ん、疑問だ。
博識なのに俺の名前をワザと間違えているのか? 考え事をしながら歩いているとオリビアが自信満々な声で続きを答えた。
「私はこの辺りの採取できる植物辞典を読んで暗記してますので、ご心配は無用です。それと私、料理も中々の腕前と自負してますので、楽しみにしていて下さいね」
「そ、そうか」
なんだとぉ―――!! 料理が上手いだとぉ! もし、それが本当ならば俺の我流料理を今後作らなくてもいいと! フフッ、大義名分が出来たな、あの犬達もオリビアの料理に喜ぶだろう。
上手ければの話だが……あ! 問題が一つ発生した。
あの犬共、オリビアを襲ったりしないよな? 恐らく駄目だな……尻尾をブンブン振りながら襲う事だろう……俺が触れても大丈夫だし、躾をするか。
俺の中で犬の躾が決定したので、オリビアに犬の事を伝えた。
どうやらオリビアは大の犬好きらしく、襲ってこないなら大丈夫と言ってくれてる。
後は俺が躾ければ問題は何もないはず。
無事に何事も無くミケアロスに到着した時、俺の住処の方角から犬の遠吠えが聞こえた。
いつもは遠吠えなどしないあいつ等が叫んでいる? 俺は『危機探知』を駆使し、住処周辺にいる生物を探知しようとした。
だが、危険生物の反応は一切なく、ミニマムウルフ六匹の反応しかしない。
急いで現場まで行きたいのだが、オリビアを住居に案内中の為、素早く移動することが出来ない。
暫くすると遠吠えが無くなり、辺りには何とも言えぬ静けさが残った。
葉が揺れて擦れる音や、風が「ビュービュー」切りさく音しか聞こえない。
住居前の石材の角で様子を伺うと、見事なツノを口と鼻の横から計四本生やした、体長二メートルから三メートルの猪が三頭、横に倒れていた。
その倒れた猪の周りで「わちゃわちゃ」子犬達がじゃれ合って、楽しそうに遊んでいる。
なるほど、あそこに転がっている猪を倒したから、勝利の雄たけびを上げたところか。
石材の角から出て、五十メートル程先に待機している、俺のペット達と目線があった。
子犬達は動かず、ずっと主にオリビアの方を観察している。
「どうやら危険はないようだが、もしかしたらオリビアに向けて敵意を抱き、襲ってくるかも知れない。注意してくれ」
オリビアは怪訝そうな顔をして、俺の言葉に疑問を思ったようだ。
「あの位の大きさなら、別に襲われても何も心配ないですよ? 私、犬に慣れてますので」
「いや、あいつ等は化けの皮を被ってるだけだ。戦闘体勢に入ると二メートル程の大きさになる」
俺の言葉を聞き、オリビアはその場で凍り付いたように固まってしまった。
「二メートル……ですか? そんなの押し倒されて一口で終わりですよね……」
「もしもの時は俺が何とかする。覚悟を決めて行くぞ」
オリビアの返答も聞かず、子犬に近づく。
三十メートル、まだ変化はない。
二十メートル、威嚇もせず様子を伺っている。
俺達の距離が十メートルに達した時、変化が起きた。
子犬達が自らこちらに近寄ってくる。体を大きくせず近づいているので、オリビアを餌と判断しなかったようだ。
「パラチダさん。これ、警戒されてないですよね? 大きくなってないし平気ですよね?」
「餌と判断していたら、とっくにこいつ等は戦闘形態に入ってる。大丈夫だ、心配ない。俺が保証する」
「俺が保証する」と言った所で、子犬達六匹は俺の横を通り過ぎ、後方のオリビアに向けて、横一列になりながら駆け出していく。
すぐさま子犬達はオリビアの周りを取り囲んだ。そして前足で靴を突いたり、顔を寄せてスリスリしている。
子犬達の動作を眺めていたオリビアからは、不安が抜け落ち、慈愛に満ちた表情に変わっていた。
その場に腰を下ろし、子犬達の頭を撫でたり、顎辺りを「くしゃくしゃ」して一匹、一匹とスキンシップしている。
そこに後ろに回り込んだ二匹がオリビアのスカートを口で引っ張り出した。
「こらぁ~、貴方達、スカートが破れちゃうから止めなさい。そんな事してると! ちょっと!? どこに入ってるの!?」
オリビアが後ろにいた二匹の子犬の相手してる間に、前方にいた二匹がスカートの中に入り込み、驚いて尻餅をつき倒れ込んでいる。
「んっ、変なとこ舐めないの! だ、ダメよ! 中に入って、内モモ舐めちゃダメだってばぁ~」
転びながらスカートを捲り上げ、子犬達を遠ざけようとして、あられもない恰好になったオリビアがそこにいた。
「この大きさなら襲われても大丈夫だと、聞いた気がするんだが……」
「大丈夫じゃな、んんっ、見てないで、やぁ、助けてくだひゃあっ! パラチダさんたすけてぇ~」
子犬に集られて、凄い光景になっているので、俺は手を叩き子犬達を呼び寄せオリビアを助けた。
「お前達、こちらは今日から一緒に住むことになったオリビアだ。余り困らせるようなことはするなよ」
「「わふっ!」」
フッ、元気でイイ返事だ。
俺の言葉が通じていればいいが、俺に嫌われることをした試しがないから大丈夫だろう。
先程のオリビアに対しての行為は、俺を喜ばせる為に行動したのかも知れないな。まさか……な。
オリビアの様子を見ると、座ったままジト目で俺と子犬達を一瞥していた。
「俺は助けたんだが何故、冷たい視線で見られないといけないんだ?」
「パラチダさん。子犬達を自在に操れるなら、もっと早く助けてくれても良かったのではないですか? そんなに私の恥ずかしい恰好を見たかったのですか?」
「俺をそこら辺の男と一緒にするな!」
「けど、ジッと見てましたよね? 私の下着」
「ぐっ……」
「み・て・ま・し・た・よ・ね!」
凄い威圧感を感じる。
生まれて初めて、俺は命の危機を感じ取った。
子犬達も俺の姿を見て「シュン」と耳と尻尾を下にさげている。
完全に降参している図がそこにはあった。
その様子を見てオリビアは、にこやかに笑う。
「冗談です。でもこれで、子犬達も上下関係が分かったはずです♪」
そうか、これは云わば儀式みたいな奴だったのか。
確かに、効果的だ。
もうこいつ等が、オリビアに逆らう事は皆無だろう。
このまま子犬達を引き連れ、石材で建築した丸形の屋根をした建物に入っていく。
「それで、この薄暗い中が住居ですか? 思ったより広いですね」
「ああ、ここで暮らすと決断した時に、おおよその間取りを決めて、石材で建築した。窓は無いが所々に隙間を作り、空気が循環するようになっている。後、飯は外で作るが、雨が降った時は瓶に砂糖付けした果実や干し肉を食べているし、生活に必要最低限の物は大体ある」
部屋は入り口と繋がった一部屋の住居。
壁とかの区切りは無く、ただ本当に雨風を避ける為だけに俺が一人で暮らすために建てた。
なので、女性を気遣うプライベート空間は一切存在ない。
俺は光魔法で部屋の中を明るくした。
オリビアは部屋の中をひとしきりに眺めた後、恥ずかしながら本人にとって重要な事を俺に訊ねて来た。
「質問ですが、パラチダさん。あの……水浴びは何処で済ませればいいのでしょうか?」
「なぜ、その様な事を聞く? その辺で済ませればいいだろう?」
「それがですね……お恥ずかしい話なんですが、私、水魔法だけ使えないんです」
成程。それなら、水辺で済ませないと駄目か……
「それなら川や山脈から水が流れて貯まった湖があるが、どっちにする?」
「ここからの距離は、どれ程ありますか?」
「川が歩きで十分、湖は一時間は掛かるな」
オリビアは沈んだ表情をしてしまった。
そこに子犬達が何かを察したのか、オリビアの周りに来て座り「わふ!」と声を上げる。
自分を慰めてくれる、子犬達をオリビアは座ってお腹を撫でている。
「オリビア、そいつ等に護衛して貰ったらどうだ?」
「パラチダさんも、そこまで護衛してくれるんですよね?」
オリビアは犬と子供の様に遊びながら、こちらを向き返答を待っている。
「最初の案内だけならするが、その六匹が護衛に付くんだ十分だと思うんだがな」
「どういう事ですか?」
「その子犬達は強さ的にBランクだ。オリビアが連れていた従者一人と子犬一匹が同程度……いや、こいつ等の方が圧倒的に優秀だな。それくらい強い」
「でも、何処を探しても私を守る騎士達は、もうこの世にはいません。私は絶対的、安心感が欲しいんです。パラチダさん!」
ムッ、そうか、考えて見ればここに辿り着くまで、オリビアは命をずっと狙われていたんだったな。
神経をすり減らし、耐え忍び、行く当ても無く、……俺達は似ているのかも知れない。
この出会いには、何か意味があるような気がした。
「護衛してもいいが、水浴びを覗くかもしれんぞ?」
「なら、パラチダさんも一緒に水浴びします?」
「はあぁぁ!?」
「冗談ですよ? 言ってみただけです。パラチダさん、こう言った話には弱いですよね~」
何を言っているんだ! この女は! 全く、出会ってから驚きっぱなしで調子が狂う。が、その状況を楽しんでいるのも確かだ。
このままオリビアに、水浴びがしたいとお願いされた俺は川に案内した。
さっきの言葉を根に持っている俺は、本当に覗いてやろうか! っと思っていた所を「パラチダさん。覗いたら、メッ! ですよ?」と顔の横に人差し指を立てながら、首を傾げる。
「俺は覗くつもりはない、サッサと済ませろ」
オリビアの足元には護衛の子犬達がいる。
こいつ等は優秀な番犬になりそうだ。
覗いたのがバレたり、危険が迫った時は間違いなく吠えるだろうから安心できる。
ん? 俺は覗かんぞ? 決してな! ゲスい奴と一緒にするな!
俺は川から離れ、オリビアの姿が見えなくなる百メートル程離れた窪地に、場所を移動する。
しばらく経過し、子犬達が二匹、俺の元にやってくる気配がした。
「お前ら、何を咥えて? それは、オリビアのふくぅ!? おい、戦利品の様に遊んでるな! それに引きずるな、汚れる! お前ら、とっとと戻して来い! 水浴びが終わる前に返さないと」
そこに更に一匹追加される。
その一匹はコルセットを咥えていた。
聞き耳を立てていた俺と、目の前にいる子犬達。
空気を読んだかのように、遠くでオリビアの叫び声が聞こえた。
「私…………服……なのぉ~!」
「はぁー、気が重い」
俺は額に手を当て、眩暈がするように、その場にしゃがみこんだ
子犬達三匹は、オリビアの声に驚いたのか上下の服を置いて駆け出して戻っていく。
「お、お前ら、何の冗談だ!? おい、服を持って行け! おおぉぉぉいぃぃぃぃ!!」
もう姿が見えない。
この服、俺が渡せってか? ハハハッ、冗談だろ…………
オリビアに服を渡す場面を想像して見る。
瞳から雫を流し、軽蔑の眼差して俺の目を射抜きそうだ。
ああ、超嫌われるな、俺がやった訳ではないのに。
渡さなかった場合は、俺が犬達を使って盗んだ事にされるだろう。
どっちを選ぶかと言ったら前者しかない。
ふふふっ、終わった。
引くに引けないとは、こういう事か! 俺は覚悟を決め、オリビアの服を拾い、土埃を落として服が無くて困っているオリビア元へ向かった。
案の定オリビアは困っており、下着を履いて背を丸めて縮こまっていた。
俺が近づいて来るのが分かると顔を上げ、俺が持っている服に視線を送っている。
俺を見る視線が痛い。今にも「服を返して」と言ってきそうだ。
オリビア前で、横を背きながら服をそっと投げ渡した。
「ご、誤解しないでくれ、犬達が『パラチダさん!』」
最後まで答えようとしたがオリビアにブロックされた。
「服、ありがとうございます。この辺りに住んでいる悪い奴が持って行ったのを、取り返して来てくれたんですね」
「ああ……」
オリビアの沈んでいた表情が、少し照れ笑いをしながら安堵している表情になっていた。
凄い困っていたはずなのに、何もなかった事にしてくれるのか!? これでは今後、オリビアに頭が上がりそうにないな……
「パラチダさん。服を着たいので後ろを向いてて貰えますか? 覗いたら駄目ですよ?」
「の、覗かん。絶対覗かん!」
俺は後ろを振り向き、ただただ待つことにする。
それしか出来ない。
俺は、やましい事を何もしていないのだが、している様な感じがし、どうも心が落ち着かない。
後ろで服が「パサパサ」と鳴り、体に身にまとう様な音が耳に聞こえる。
周りの昆虫の歌う声を聞きながら、わずかな間を待つことにした。
着替え終わったのか、服が擦れる音がしなくなり、虫の鳴き声だけが周囲に鳴り響いている。
「着替え終わりましたので、パラチダさん。帰宅の案内をお願いします」
俺を見上げ、笑いながら喋るオリビアに、いつの間にか気を許していた。
今まで生きてきた中で、こんな気持ちになった事は久しぶりだ。
幼少時の時、以来だろう。
父と母に話している時の気持ちと似ている。
俺は不思議な気持ちを抱きながら、ミケアロスに帰る事にした。
ミニマムウルフに護衛され、何事も無く無事寝床に到着。
まだ晩飯を食べていないので、子犬達が仕留めた猪三体を解体し肉と毛皮に分けて行く。
食べれない分は塩漬けにし、乾燥させたり、壺の中に入れて置いて非常食にした。
今日の晩飯に使用する分の肉をオリビアに渡す。
今日はどうやら、猪鍋になる様だ。
ベースになる猪肉を二~三ミリにスライスし、時々ナイフに付く油を布で拭き取りながら肉を薄く切り分けて行く。
流石に、料理には自信があると自負する事もあり、ナイフさばきが速い。
途中でオリビアが、やっぱり包丁が欲しいと言ったので、懇意にしている商人から物々交換する事にしよう。
次に先程から熱しておいた鉄製の大型丸鍋にスライスした猪肉を入れ、色が変わるまで湯通しする。
肉の赤みの部分が無くなり、白色の脂身ばかりの見た目になったら、火の火力を弱めた。
果実酒、塩、砂糖で味付けをし、アクが出て来るので、取り除きながら、周辺に自生していた食べれる野菜を投入し、暫く「グツグツ」煮込むオリビア。
「俺は?」と言うと、ただ横から眺めているだけだ。
何もしていない。
出来る事が無いからな!
最後に香草を入れ、「グツグツ」煮込む事、二時間。
途中に何度も俺が「もういいだろう?」と子犬達が「わふぅ~ん」と騒いだが、全て却下された。
「待ってるだけなら、誰にもできるでしょ? 料理を作ってる私に逆らう気?」と、ある種の、決して逆らってはいけない雰囲気を前面に出し、俺達をまくし立てた。
猪鍋が完成したので、オリビアが俺の分だけ器に具をよそってくれた。
「はい、どうぞ。熱いから気を付けて下さいね」
オリビアから器を渡される。
オリビアの手に触れない様に、俺は慎重に器を受け取りった。
横でオリビアが俺の食べた時の表情を見る為、凝視してくるのが気になるが、先程からお腹が「グー、グー」鳴って急かしているので、早速食べて見る。
「うまい……」
俺が感想を呟いた瞬間、オリビアが得意そうに胸をそり、自慢げにしていた。
「ふっふっふっ、そうでしょうとも! 私が丹精込めて作った料理ですもの。当然です!」
「それなら、これからの料理当番はオリビアで決定だな」
「いいでしょう。私への挑戦として受けて立ちますよ、パラチダさん!」
「いや、挑戦なんて俺はしないから」
試食が終わり、俺とオリビアが食べ始めた所で、子犬達に食べる事の許可を出した。
鍋の具材の中で、凄いスピードで減っていくブツがある。
「猪の肉だ!」と言うか、あの犬共、肉しか食べてない! オリビアが野菜を器に入れようとすると、カワイイ声で「キューン」と悲しそうに鳴き、肉を入れようとすると「わ、ふ~ん!」と喜び叫び、喜怒哀楽が激しい。
その様子を見たオリビアは、面白がって野菜を多く入れようと奮闘している。
「このお肉、ひと切れ入れるから『わふわふん!』野菜は、その倍食べましょうね?『キュン、キューン』」と、こんな感じだ。
見ている俺は楽しいのだが、気付いた時には既に遅く、犬用の器には野菜が山の様に積み上げられていた。なお、肉は何処にも見当たら無い。
「こいつ等、野菜食べないんだな……」
「すいません、パラチダさん。調子に乗っていたら野菜だけ残ってしまって……」
「気にするな。野菜は俺が食べるから、犬達の器を片付けてくれ。もう満腹みたいで転がってるからな」
子犬達は大変満足したのか、その辺にコロコロと転がっている。
うつろうつろしているから、もう眠いんだろう。
料理の片付けを終わらせた後、住居に入り水洗いして干して置いた、布製の被せ物をオリビアに渡した。
「俺はまだやる事あるから、先に寝てていいぞ」
「分かりました。では、お言葉に甘えまして、お先に睡眠を取らせていただきます」
「ん? 俺には警戒しなくていいのかオリビア? 寝てる時が一番危ないぞ? 男は狼だからな」
俺が危険な事を、意地悪そうにオリビアへ訪ねて見る。
「パラチダさんに触られたら、傷を負うんですよね? それを嫌うパラチダさんが私の寝込みを襲う事は無いと思います」
「分かっていればいいんだ。じゃあ、行ってくる」
俺は物々交換できそうな、オリビアから教えて貰った薬草類、魔物の猪から剥ぎ取った皮と十二本の牙、それと、数日前に取って来た蜃龍種の鱗を、別々の布袋に入れ空へと旅立った。
※蜃竜種は蜃気楼を起こす龍種。
ああ……現在22話から25話の修正をしているのですが、もしかしたら連日投稿できないかもしれません。
難産になりそう……




