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俺は寄生体(エリクシール)である  作者: おひるねずみ
第一章 国名宣言編
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第十七話 タイトルは無い!

サブタイトルが思いつかなかったので、考えても仕方ない! 無しの方向も、ありじゃないか! と思い、やっちゃいました。

はい、スイマセン。調子乗ってました。駄目な作者でごめんよ~<(_ _*)>


 邪魔者がいなくなった所で、俺は石像の前に立ち、極薄の霧状にしたエリクシールを人には見えない様に、五人の石化した人達を包み込む形で治療を行う。

 緑色の光が五人の石像にまとわりつき、徐々に石化した部分に「ピシッ、ピシッ」と音が鳴り、徐々に亀裂が入っていく。

 その光景を驚愕の眼差しで見続ける者達。

 その中で一人だけ、興奮しているマッチョが。


「な、な、なんだとぉぉ――!! こんな、こんな事がありえるのか! 俺は、この様な治療法は一度も見た事も聞いた事も無い! 回復魔法でもなさそうだし、一体どうやっているんだ!? ただ直立不動にたたずんでいるだけで、治しているだと!? そんなばかな!? それにもっと驚くのが、石像に纏わりついている癒しの色だ! 通常の回復魔法はマナの効力を利用しても、魔力濃度は薄く青色のはず! なのに、今治療している光は、魔力濃度を限りなく圧縮された時に出る緑色の光! 遥か昔の御伽話おとぎばなしに出て来る、神子の光そのものじゃねぇか!!」


 何か一人いっちゃってるガチムチさんが叫んでるけど、俺は気にしない事にする。作業続行だ。


 五人の石像に発生したヒビは、大きく広がっていき、遂に、「パリィィーン」と音と立てて崩れ去った!

 そう、上半身と下半身が真っ二つに…………オイオイ…………マジかよ、そんな話はルルス君から一言も聞いてないよ。どうすんだよこれ……。

 石化は解けて元通りになったのに、生身がぽっきり折れて半分になって、付け根から血が流れだしてる。

 生中継のTVだったら放送中止クラスだろ、ないわー、これはないわー、俺の善良なる心に地味に効ているんだが。


「お……とう……さま……」


 げぇー! エミリア姫が突然の大惨事を目の当たりにして、ナミダ流してる! ヤベェ、ここ完全にアウェーだよね、うわぁー、やっちまった感が半端ない! 

 オキラスさんとナーヤは、その場に呆然と立ち尽くしてるし、筋肉ムキムキのキルベルトさんは、指を「ボッキ、ボッキ!」鳴らして、ニヤけながらこっちに近づいて来るし、助けてパラチてんてー。

 あっ、駄目だ、エミリア姫が号泣してるからか、パラチの奴。狼狽うろたえて、最早使い物にならなくなってる。

 そうこうしている内に、俺の頭をキルベルトが片手で掴む。

 ちょ、指に力込めないで、額に指がめり込んで痛い、痛いですから!


「おい、エリクとやら、覚悟は出来てんだろうな?」

「ま、まだ治療は途中ですよ、邪魔しないで頂きたい!」

「「エッ!?」」


 エミリア姫やオキラスが俺の方に振り向きビックリしてる。

 当然だな、五人共、風前の灯だし。

 体が真っ二つになったら、普通は助からない。


「失敗ではなく、まだ途中だと!?」

「そうそう、まだ途中なのですよ、一応! なので大人しく見学していて下さい」


 大見得切って、まだ治療の途中と言う事をアピールし、筋肉だるまのキルベルトを黙らせ、石化→正常→体が真っ二つで血まみれ(New)の、瀕死の状態の五人を救うため、上半身と下半身を密着する様に傍に置き、ルルスを蘇生した様にエリクシールを千切れた部分に数滴与えていく。

 勿論、観察してる人には判らないように慎重に作業をした。

 すると、驚異的なスピードで再生が始まっていき、エリクシールを染み込ませて僅か十秒足らずで、上半身と下半身が何事も無かったかの様にくっつき、元通りの体に収束されていく。


「うぉぉぉ――――! この様な奇跡、俺は今まで見た事が無い! 感動した! 俺は感動したぞぉー! エリクの旦那、ぜひ俺を弟子にしてくれ! 断ってもどこまでもお供しますぜ」


 ハッ!? よるな、くるな、近づくな! こぉんのぉ、ホモどもめぇぇぇ――――!

 筋肉モリモリのキルベルトが俺に熱い抱擁ほうようをしてくる。

 

「ぐ、力強すぎだ! 暑苦しい、息が出来ないから離れてくれー、弟子を取るかはそれ次第だ」

「おっと、わりぃ、わりぃ、興奮しててついやっちまった。すまねぇ」


 不本意ながらムチムチマッチョと、熱い抱擁を交わし終えると、残りの四人は頷いていたり、これからの事を話していて、落ち着きを取り戻しつつあった。

 そこに、今まで俺に敬意を示していなかったオキラスが俺に向かって声を張り上げる。


「素晴らしい、何という神の御業! エミリア姫が不敬を働いた我らを怒る訳だ。エリク様、これまでの数々の非礼、どうか御許しを」

「条件さえ聞き入れてくれれば、今までの事は全部水に流しますので、安心してください」


 俺は今考えついた事を教える事とした。


「条件は、今治療した行為は絶対に王以外には誰にも喋らない事。そして、治療したのはキルベルトとする事」

「お、俺? 何でた? この手柄は旦那の物だろう? 自分で言うのもなんだが、俺は大して役に立ってないぞ」

「いいから続きを聞け。この真実を俺は、広げたくないんだよ。だからさ、お前が新型の回復魔法で石化を解いたことにする。

 勿論、お前の同僚や城の人達が新型魔法の事を聞いて来るだろう。キルベルト、お前、俺の弟子になるんだろ? どこでもお供するって言ったよね? もう俺の言いたい事は解ったかな?」

「つまり旦那は俺がここから迷いなく旅立てる様に、御膳立おぜんだてをしてくれるって事か? が、上手くいくのか? 手柄を俺に上げるって事は、俺は国を救った英雄になるって意味だぞ? 国民達が仮初かりそめだが英雄が去ってしまう事に不安を感じるはずだ。黙っているはずが無い」

「大丈夫、大丈夫。その辺は抜かりなく済ませる予定だから、君は何にも気にしなくていいさ。とりあえず、意識が無い兵士達を他の場所に運んで、モルド王と会談したい」



 俺がモルド王と会談したい事を告げた後、宰相オキラスは有能振りを遺憾いかんなく発揮し、今までに城で起きた機密情報を解禁し、本当の治療方法を伏せキルベルトが新魔法で石化を解いた噂を、城内にばら撒いた。

 ボディビルダーのキルベルトは、口裏合わせの新型魔法の事を聞かれるのが嫌なのか、俺達と共に行動している。

 エミリア姫はモルド王に付き添うため、今現在エミリア姫がアウトしてキルベルトがインした状態なっており、男三人、天使一人の状況になっていた。

 俺達は昼と晩の食事をVIPルームで済まし、オキラスからの連絡を待っていた。


「う~~ん」

「どうかしたのですかエリク? 考え込んでしまって」

「何か忘れてる気がするんだけどなぁ~、駄目だ、思い出せない。何だったかなぁ~」

「思い出せないのなら、きっと大した事ではありませんよ」


 ナーヤが励ましてくれる様に、そう思い込みたい。

 けど、現実は厳しく、忘れてはいけない事を忘れていたりする。

 忘却した事により、前世で手痛い思いをしてきたので正直不安だ。

 その時VIPルームのドアが開き、執事らしき服装をし、背を「ピン」と正した、いかにも紳士そうなご年配の人から報告を受け取った。


「エリク様、オキラス様から言付ことづけを預かってまいりました。モルド王が意識を取り戻しました。レセプションルームにて待っているだそうです」

「分かりました。すぐに向かいますので、案内をお願いします」


 俺達四人は、そのまま執事に案内されてモルド王が待つレセプションルームに到着し、部屋の中に通された。

 「では、私はこれにて失礼します」と言い残し、その場を後にする執事さん。

 今現在、この部屋にいるメンバーは、エルキアの主モルド王、その娘のエミリア姫、宰相のオキラス、と俺達四人の計七名がいる。

 この七人で、今後の事に付いて密談を交わす事にした。

本当はタイトルあったんだけど(棒読み)←言い訳にしか聞こえない

時間が経てば、いつの間にか変わってるかもしれません。

きっとそのまま変化無いと思いますが……フフフッ

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