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破壊された原因

前話の部分でハゲのヒゲ面の男のセリフを部下から仲間に訂正させて頂きました。

 魔法を行使した後、俺は手を下げて、息を吐いた。ハゲの男性や教会のシスターは目の前の状況に唖然としていた。ハゲの男性は驚きながら、口から言葉を絞り出した。


「…………な、なかまはたすかったのか?」


 その声で教会のシスターと他の人達は布に寝かされている人達の顔色や脈を確認していた。教会のシスターは確認した後、信じられないように呟いた。


「……全員、顔色、脈拍が安定しています。全員助かりました」

「そうか。そこの方、仲間が助かりました。感謝します」


 ハゲの男性は右手を胸に当てて、お辞儀しお礼を述べた。同じように治療をしていた男たちもハゲの男のようにしていた。シスターはこちらに近づき手を取り、手を上下に振りながら、お礼を述べた。


「助かりました。何所からいらっしゃったのですか?しかし、すごい回復魔法ですね!その魔法はどこで覚えたのですか!?」


 ちょっと激しい・・・・俺は目の前のシスターに困っていたら、ハゲの男がシスターが振っていた手を止めて、シスターを諫めた。


「困ってるじゃないか。教会の方。それにその方、服が破けてるじゃないか。先にそれを何とかしてくれ。仲間達がいやらしい目で見ているじゃないか。それからでも質問すればいいじゃないか」


 見てみると先ほどまで忙しくしていた男性達は目を俺の方に見ていて、特に体を見ていた。俺は自然と丸出しとなっている腹を手で隠していた。その男達はギルドマスターのセリフに反応してか、すぐさまに目を反らしていたが、治療に当たっていた人達の女性達は非難の目をその男達に向けていた。


 そういや、服破けてるんだな・・・ 


「は!?確かに破けてますね。ええっと、MPがなくて、申し訳ないですけど再生魔法出来ません。・・・でも荷車にシスター服の予備があります。それを代わりに着てください」


 シスターは俺の手を取りながら、立てていた布をめくり、向こう側へと一緒に行った。向うではハゲの男が怒鳴り声を上げていて、先ほどまでいやらしい目で見ていた男性達を怒鳴りつけていた。また、向う側に行ったら、シスターはなぜか首を交互に動かし、蒼い瞳もまた誰かを探すようにしていた。


「あれ、ここに男性が1人いらっしゃいましたのに。何処かへ行かれましたのでしょうか。何かご存知ですか?」

「い いいえ、し、らないな」


 言えない。今、手をつないでいるのが今探している本人とは。言えない。


「そうですか。まぁおそらく町へ行かれたのでしょう。また機会があれば会えましょう」

「では、ええっと・・・・ありました。さぁ着てください」


 シスターは荷車から袋を取り出して、袋からシスター服を取り出し俺の方に渡した。服は同じ深青色のローブだった。俺は制服の上から着ようとした時シスターが、


「ああ、破けた服は脱いでください。あとで魔法で再生させて頂きます」

「え!?ええっと、このままで大丈夫!」

「いいえ、駄目です。その服、見た事もないですが、生地は高級そうですね。もったいないです。お礼にその服を直させてください」

「・・・はい」


 シスターの勢いに押されて、破れた制服を脱いだ。脱いだら、白い下着を着ていた。下着の姿だとさらにこの体のスタイルがさらに目立つな。そう思いつつ、シスター服をTシャツのように被った。シスター服は全体的にゆったりとしていて、体のラインがある程度隠れていた。これはまぁいいな。体が全体的に隠れてるな。これだと平原の時のように男性が来る可能性は減るだろうな。


「あと、そうですね。ヴェールはどうしましょう?シスター服のみだと変ですし」

「せっかくだし、着ます」


 シスターを見る時、全体的に隠れていて、顔は美しいかもしれないという印象だったのでさらにヴェールを着ると、可能性は減るだろうな。


 「ふふふ、似合いますよ」

 「っ!?ありがとう」


 そのセリフが突然言われたので若干驚いたが、お礼を返した。


 「では、ギルドマスターの方が待っていますし、行きましょうか」


 シスターは俺の手を引っ張り、布をめくり、ハゲの男性、ギルドマスターの所へと行った。ギルドマスターは布をめくった音が聞こえたのか、こちらを観ていた。治療にあたっていた男性達もこちらを観ていたが、着替えた事を知り、落胆していた。その中、俺とシスターに聞こえないように声を抑えていて話をしていた人もいた。


「マスターの・・・せっかくの・・気が・・・」

「いや、これは・・・」

「あ・・だな」


 男だからわかるが、破けた制服の方が色気あっただろうに。そして、コスプレみたいな衣装に興奮している人達が話しているようだな。それを聞いていたハゲの男性、ギルドマスターはその男達を睨み付けていた。男達はその睨みを反応するように散り、せっせと治療にあたった。


「仲間が気を悪くてすまない。また改めてお礼を言おう。仲間を救ってくれてありがとう」

「いえ、俺が・・もうちょっと早く・・・」


 もうちょっと早く女性になって、治療に当たれば。


 ちらりと見てしまった。今も横になっている人達の少し先に布に包まれた卵型の物を。それは横に並べていた。ギルドマスターは俺の視線に気づいたのか。眉を八の字にまげ、俺の肩に手をあてて


「貴方のせいじゃない。貴方は多くの人を救った。来なかったら、もっとあの列は続いただろう。それに原因はドラゴンの襲来だ。貴方には関係ない事だ」

「ドラゴン?」


 そういや、ドラゴンって言ってたな。ドラゴンがここを襲ったのか。


「そうだ。フェザン山が爆発した事は知っているだろう。爆発されて、ドラゴンが人間共の仕業だと思ったらしくてな。ここを襲ったんだろうな。ドラゴンは撤退したが、被害は甚大だな。・・・・くそ、肝心な時にディンはいねぇし、回復役がその場にいればな」


・・・思いきっり、俺のせいじゃないか!


 俺は背中に汗をかいていたのが感じられ、地面に手を付けてしまった。ギルドマスターはその様子から、俺何か悪い事言ったか?と言いながら焦っていて、周りにいた女性達に鋭い目線を浴びていた。

シスターは焦るギルドマスターに


「もうここは大丈夫ですから、平原から魔物来ないか監視してきてください。十分に動ける人は貴方くらいしかいませんし」

「ああ!わかった。任せろ!」


助けに船といった感じでその提案にさっさと乗り、壁の外側へと行ってしまった。周りの女性達はそんなギルドマスターを最後まで見ていた。男たちはギルドマスターに同情の目を向けていた。そんな中、シスターは俺の方に近づいて


「大丈夫ですよ。マスターは貴方に情けの言葉をかけただけですから」

「そうだよ。まぁ最後は余計だったけどね」

「だな。あのハゲヒゲ達磨」


 周りの女性達はこちらに近づいて、俺に情けの言葉をかけていた。

 もう、山を爆発したのは自分だっていうことは秘密にしてよう・・・・・・











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