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後衛無双 後編

遅くなって申し訳ございません。久しぶりなので変かもしれませんが…………

 真っ先に飛んでくるように来たディンは俺の方へと来て 俺の周りをぐるりと回り、俺が怪我していないかを確認し安心したらしく、ほっとしたような声で言う。


「良かった。怪我はないし、他の冒険者に何もされてないな。もしされてたら、唯では・・・・」


 声が徐々に小さくなり、最後の言葉になると剣の柄を握りしめていた。ゆっくりと俺の方に近づいてきたアッシュはそれを見て、ため息を吐きながら言った。


「他の冒険者に何するつもりですか?まぁ光さんが無事だったのは良かったんですけど。次は光さんも出るんですよね?では私は隣で守らせてもらいます」

「いや、勇者である俺が一番良い。それにこの後、俺と大事な話があるからな。お前は邪魔だ」

「いや、私が」


 俺の目の前でアッシュとディンが言い争いながら、睨み合いをしている。その雰囲気から周りにいる冒険者達は近づこうとしない。

 ただアッシュとディンを視ながら、聞こえない様に話をしている。俺の耳に聞こえたのはあいつらもか・・・というセリフだった。

 遠巻きに観ている冒険者達の中から一人の男性が近づいてきた。その男性はギルドマスターでまだ言い争いしているアッシュとディンに拳骨を落とす。


「何やってるんだ!!!もうお前らは壁の前にいろ!!あとランク4以上の人達もだ」

「・・・仕方ないですね。ギルドマスターが言うなら」

「え。でも俺には光を守るという「あ!?」・・・・わかった」


 アッシュはしぶしぶといった感じでギルドマスターに従ったが、ディンは言い返そうとするが、ギルドマスターの眼力と額に青筋が浮かんでいるのを見て、間を置いて頷き、ディンとアッシュは冒険者の方へと行き、4ランク以上の冒険者と一緒に壁の向こうへと行った。

 

「あんたは壁の上で魔法の準備してろ。尖兵の情報ではもうすぐ来るからはやくな」


 さっさと昇ろう。冒険者の方に行ったディンとアッシュがちらちらとこっちを見てうざいし。

 

 上に昇る為には梯子を使わなきゃ駄目か・・・・

 

 梯子に手を伸ばし上へと登る。上は平原を数百メートル見渡せるくらいの高さだ。

 周りを見渡せば、壁の上の冒険者は杖を握りしめて、一心に杖を見ていて何やら集中している。他の人も投石、弓の準備をしている。

 一方、下にいる冒険者はアッシュに話している。しかし、話に集中していないようなのか時折俺の方をチラチラと見ている。ディンも未だにこちらを気にしており、俺がディンの方を見ているのを気づくと話を切り上げて、俺の方に向かって手を振っている。ディンの周りの冒険者は肩をすくめて壁の前へと配置していた。

 その時、平原の方から雄叫びが聞こえた。

 平原のかなたを目を細め、見てみると地平線が動いている。地平線は徐々に太くなりながら下へと下がっていき、その地平線が魔物の群れだと気づいたのはたった一人の声だった。


「さっきよりも多くないか…………」


 その地平線から何本かの線が伸びていく。その線は真っ直ぐとこちらに向かってくる。


「フロストウルフだ!」


 と言われた魔物はまるで残像を残すかのように動き、壁の前で待機している冒険者に向かって突進してこようとした。しかし、その魔物は冒険者に届く事はない。アッシュの剣が魔物を切り裂き、噛みつこうとした冒険者に届いたのは魔物の残骸、自分の血だった。

 冒険者にとっては一瞬の事だったらしく真っ赤な顔で呆然していた。

 

「ぼさっとするな!!!」


 ギルドマスターは向かってくるフロストウルフの脳天めがけて斧を叩き落とす。そのウルフの頭を叩き割った斧を地面に叩きつけ、呆然としている冒険者に渇をいれた。続いて、壁の上に待機している冒険者に向かって命令を出す。


「後衛部隊さっさと用意しろ」


 その声で隣にいた一心に集中していた冒険者は本気を出すかのように目を開き、杖の先から少し離れた所に小さい火を出し、杖を持っていない手をかざしつつ、口からは言葉を発している。

 それに応えるかのように火が大きくなり、ついにはその冒険者の頭より一回り大きい炎の球となった火は向かってくる魔物の群れに向かって解き放った。

 炎の球は直撃した魔物を火に包まれ、叫び声を上げながら倒れた。その火は直撃した魔物の近くの魔物逹も燃やしていく。

 続いて、機械によって投げられた石が空を舞い、魔物を押し潰す。投げられた石は勢いが止めるかのように平原の土を削りながら、直撃した魔物の後ろも押し潰し、数体潰した後、静止した。

 しかし、その石に近づく魔物がいる。魔物は石よりはるかに背が高く、3メートル程の高さ。肌は空色で、頭は耳まで裂けていそうな口で笑っている。今の沢谷光のウエストくらいの太さの腕で優々と片手で石を持ち上げて、まるで今から石を投げると言わんばかりに腕を振り回し、壁に向かって石を投げた。石が直撃としている所の人は壁から降りて、また左右に逃げようとする。


【光の障壁よ】


 しかし、石は突然と壁の上空に表れた金色に近い半透明の壁にぶつかり、壁に当たることはなかった。石は半透明の壁に当たった衝撃で粉と化し、平原に降る雨となる。


「光にいる所には何にもやらせはしない」


 ディンはいつの間にか石を投げた魔物の足下にいた。魔物は手を握りをディンの頭に向かって拳を落とそうとする。

 その拳はディンの頭上に現れた先程の半透明な壁にぶつかっていた。ぶつかった衝撃により魔物はよろめく。その瞬間、ディンの剣が袈裟斬りで下腹部まで切り裂いた。魔物は白目を剥いて倒れていった。


 流石だな。勇者を名乗るだけはあるな……


「おい、あんたもさっさとやれ!!」


 下から怒鳴り声が聞こえる。声の主はギルドマスター。ギルドマスターは数体のフロストウルフと呼ばれた魔物と戦っている。他を見てみるとディン、アッシュは一人で魔物数体と戦っている。他の冒険者は3.4人で魔物1.2体と戦っている。

 ギルドマスター逹はまだ余裕そうだが、他の冒険者は肩で息しており、今にも倒れそうな雰囲気だった。ギルドマスターが怒鳴るのも分かるな。

 手を上空にかざし、呪文を唱えようとする。脳に呪文が浮かぶ。

その呪文を唱える。手からは氷の粒が降り注ぎ、俺の中心に冷気が舞う。

 魔物はその魔力に反応したのか、巨体の魔物は投石した石を投げるが、ディンの壁にぶつかり、無意味となった。


【永久凍土】


 その寒さはまるで氷河期が到来のようだった。発動後、白い靄に平原が包まれたが、晴れると魔物は氷の像と化した。








GW中に次話投稿予定です

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