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ギルドにて 前編

翌日 

 今日もまた、ドアを叩く音で起こされた。

 今日はギルドマスターのおかげでこの部屋に泊まれたが、明日以降は自腹で宿の料金を払わなければならないな。この部屋にトイレとか風呂ついているおかげで一目に見られずに男性に変われるしな。ギルドマスターに感謝しないとな。ギルドマスターに感謝しながら部屋を眺めているとドアの向こう側からシスター、フェリスの声がしてきた。


「光さん。起きてますか?」

「はいはい」


 勿論、寝る時男性だったので会う前に


「TS」


 女性となり、ドアを開けた。ドアを開けた先にはシスター服を着ていたフェリスがいた。


「一緒に食事へ行きましょう」


 フェリスと共に食堂へと向かった。その途中で女将さんと会い、今の部屋の値段を聞いたら、1泊銀貨3枚と言われた。確か昨日服を買った時、銀貨5枚の料金で金貨1枚払い、お釣りが銀貨5枚だから、金貨1枚で銀貨10枚か…だから、30日くらい泊められるのか。

 食事した後、フェリスと別れて、ギルドへと向かった。ギルドの扉を開けると、昨日と同様にギルドの中はいろいろな声が詰まっていた。騒々しい声、冷静な声、助けを求める声、仲間と相談する声。たしか、ギルドマスターの部屋へと行けばいいのか。 

 ギルドマスターの部屋へと行くと部屋の外からでも解るほどの音を立てていた。その音は何かを探しているようで、集中して耳を澄ませてみるとギルドマスターの声が聞こえて、あれ、どこだ?と言った声がしている。何を探してるんだろうと疑問に思いつつ、部屋の中に入る。部屋の中は昨日見た机の荒らし方が部屋中に移ったみたいに紙やら、置物が床に置かれていた。


「失礼します。ガロンさん。来ました」

「・・・おお、待ってくれ。あんたに渡したい物があってな・・・どこだっけな」


 ガロンは一様反応はしたが、こちらに視線を当てずに机や収納家具やらの引き出しに手を突っ込み、探していた。ガロンは今探している所の下の引き出しを開け、その中に視線を泳がせ、探している物が見つかったのか、やっと、俺の方に視線を向け、何かをこちらに投げた。それは長方形のカードと裁縫するときの針だった。カードは銀色であり、裏と表もは何も書かれていなかった。


「それはステータスカードで自分の血を垂らすと自分の情報が出てくる」

「ステータスカード?」

「ステータスと言うと、ステータスが見れるだろう。しかし、他人にはそれが見えない。それを見えるようにしたのがそのカードだ。まぁ説明より実際にやってみろ」


 ガロンから投げられた針を使って、カードに血を垂らした。すると、裏は白色に染まり、表は血は見る見ると枝別れしていき、左上、右上に円が書かれ始め、左上の円の中心に07という数字が出てきて、右上の円には女性の時の顔が出てきた。カードの真ん中には自分の名前「沢谷光」という文字が浮かんできた。名前の下には種族:人間、身分:ギルド職員、適性:魔法という文字が出てきた。血を垂らしたカードをガロンに見せると


「種族は人間か。それが身分、種族、国家、適正を表している。身分は今就いている職業、適性は能力を表している。今カードに書いてあるのは一番の能力だけだが、それ以上の情報を見せるのなら、適性の文字を触るとあんたのステータスが他人に見せれるだろう。あんたの適性は魔法か。使えるのは回復だけじゃないのか。あの回復だ。攻撃魔法もとんでもない威力だろうな」

「はは・・・そんなコトナイヨ」


 額に汗を出ているのが感じた。まさか、バレるはずない・・・・よな。


 ガロンは俺が冷や汗をかいているの気づいていないようで、手の平を上に向け、言葉を発した。


「ステータスカード」


 言い終わると手の平の上からカードが出てきて、そのカードを俺に見せた。カードの裏は白色に染まっており、表の左上の円には00という数字が書かれており、右上の円には顔が書かれていた。


「まぁ続きだ。裏の色は今どこに所属しているかということを示していてな。白だったらギルドと言った感じだな。しかし赤色は犯罪者の証になるから、気を付けろよ。表の左上の数字はギルドランクを示していて、1から7まである。数字が1に近いほど強い。ギルド職員はランク関係なく、2桁の数字で左に0と書かれているだろう。ちなみに俺の00はギルドマスターという証だ。」

「ギルドランクを上げるには?」

「ランク上げるには依頼をこなすしかない。依頼はランクに応じた物しかないが、どのランクにも危険な物は危険だな。あんたは職員だから、ランクや依頼とかは関係ないだろうがな。他に聞きたい事は?」

「お金の価値は?金貨1枚は銀貨10枚でいいのか?」

「そうだ。金貨1枚は銀貨10枚、銀貨1枚は銅貨10枚だ。ちなみにお金は今どうしてる?」


 何処にしたっけな、左のポケットにあるな・・・銀貨や金貨が詰まった袋をガロンに見せる。ガロンはカードを持っている反対の手の上で自分のカードを上下に振ると、カードから金貨やら銀貨やらが出てきて、手で受け止めていた。それを俺に見せて、カードから取り出した貨幣をカードに押し当てると、貨幣は徐々にカードに沈み、カードは波立てて、貨幣を吸収した。


「ステータスカードは自分の分身みたいなものだな。【ステータスカード】というと取り出せたり、仕舞えたり出来る。お金もカードに貯める事が出来る」


 便利だな・・・・さすがは異世界。


「じゃ次は国だな。国家は5つある。ユスラン教国、エナス共和国、ルエン軍国、ギルド国、ヴァロン魔国だ。ユスラン教国は名前の通りユスラン教が束ねる国、エナス共和国は獣人、エルフ、リザート、ドワーフ、小人といった様々な種族がいる国、ルエン軍国は皇帝がいて、軍国家だな。ギルド国はギルドが運営している国。ヴァロン魔国は4つの国と山を挟んでいる国だ。ヴァロンは地形もあってか情報が来ないんだ。すまんな」


 ガロンは机から地図を取り出して説明した。地図はある大陸を書かれていた。ガロンはその地図に指を指しながら説明した。ユスラン教国とエナス共和国とルエン軍国は三角形の形をとっていて、左はエナス共和国、右はユスラン教国、上はルエン軍国らしい。その三角形の中心にギルド国はあるらしい。ヴァロン魔国は山脈の下に書かれていた。他はそれなりに町や首都の名前を書かれていたが、ヴァロン魔国は国の名前しか書かれていなかった。


「へーなるほど。じゃ今、俺はどこにいるんだ?」

「ここだ」


 ガロンは地図に指を指して言った。その指はエナス共和国とユスラン教国の中間くらいを指していた。ギルド国ではないんだな・・・・ギルド国はこの地図見る限りでは領土とかなさそうだな。


「じゃここはギルド国ではないのか?」

「そうだな。ギルド国は中央以外に領地を持っていない。しかし、色々な国にギルドあるし、働くには困らない。もう聞きたい事はないか?」

「あとそうだな・・・ギルド職員は何すればいいんだ?」

「あんたは医療室で働いてもらうからそこに移動してから説明する」


 ガロンは地図を仕舞い部屋から出て、移動した。俺は移動するガロンの後を追った。







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