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永遠について

作者: 野鶴善明
掲載日:2026/06/06


 博物館の特別展を訪れ、鎌倉時代に運慶が制作したという弥勒如来像を眺めていた時のことだ。時間がないことこそが永遠なのだと、腑に落ちた瞬間があった。

 弥勒如来には、時間がなかった。

 始まりも終わりもなく、ただ今があるだけ。

 悟りを開いた状態とは、何にもとらわれず、ただ今ここに存在する状態なのだと肚に落ちた。


 それまでは、今生きているこの世界の時間が果てしなく続くことが永遠なのだとなんとなく思っていた。

 だが、この世界の時間はいつか終わる。

 人間の尺度では無限に続くように思える時間であっても、いつか必ず終わりが訪れる。宇宙全体が消滅して、時間も空間も終わる。この世界に永遠はない。いつかは終わってしまう時間と空間の中で生きているのが、私たち人間なのだ。


 永遠には時間がない。

 永遠には始まりも終わりもない。

 そして、永遠とは今生きているこの世界を超越したところにある。時間のない永遠の世界から見れば、私たちが今生きている世界はどのように映るのだろう。目まぐるしく流れる時の移り変わりは、どのように見えるのだろうか。

 人の魂がその永遠の世界からやってくるのだとしたら、いつか永遠へと帰った時、私の魂はどのようになるのだろうか。


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