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君が選ぶのは〜過去と未来の勇者〜  作者: ぬしぽん
第四章

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ep.78 別れ

 天から舞い降りた剣は、白い羽を撒き散らし、ミアへ飛来する魔法を吹き飛ばした後、地面へと突き刺さった。


 「勇者ノ剣ソードオブアレス…ミア様、この期に及んでいったい何をお考えなのですか…?」


 怪訝な表情を浮かべるファブリソの追求に、耳を貸す素振りもなくミアは剣の柄へと手を伸ばした。


 「そこまでして…何の大義があって我々を止めるのです!?貴女だって平和な世界を望んでいたではありませんか…」


 「ファブリソ。私は…700年間眠り続けていた私には、お前達の行動を否定することは出来ないだろう」


 「でしたら!」


 「だが、力を持つものの責務として言わせてもらおう。魔族を侮ってはならないと」


 ミアが剣に指をかけると世界が変質し、地面一帯には白い花畑が広がり、ミアの周囲には純白の羽が散った。


 「貴女は昔からそうでしたね。責務だなんだと…少しくらい自分の意志を持ったとしても…」


 「ファブリソ、もうよさないか。我々なんぞがあの御方を説得するなど、無理な話だ」


 「ああ…そうだな」


 対峙する四人は構えをとり、再び魔法を解き放つ。


 「ヒハ…なんだありゃ…」


 だが、勇者ノ剣の効果により、

 すべての魔法は塵となるのみ。


 「ハーベル、隙を与えるな。あの御方は限界だ」


 「ああ。アーノルドの言う通り。時間が経てばそのうち自滅するだろう」


 ミアは自身に向けられた攻撃魔法には目も向けず、両手で大地からゆっくりと剣を抜き始める。すると、ギラギラと輝く白銀の刀身が、辺りを照らしながらその姿を現した。


 剣を引くミアの表情は、普段の彼女からは想像できないほど歪み、鼻から滴り落ちる血の量が苦痛を物語っていた。


 「ああ…ミア様があんなに苦しそうな姿を…威勢よく出したのはいいですが…果たして。その剣を振れるのですか?今の貴女に」


 イリアはうっとりとした笑みを浮かべると、魔法による黒蝶達は追撃の勢いをさらに増し、激しい爆風の嵐がミアを襲う。


 ミアは剣を抜き取ると、頭を下げるように

 僅かに姿勢を低くし、剣を身体の側面へと構えた。


 

 「ミア様!…駄目です!!」


 「…グレア?」


 ミアが視線を向けるとグレアの姿があった。肩で息をする様子から、余程急いで駆けつけたと思われる。そして、衣服の脇腹から下は真っ赤に染まっていた。


 「あら?グレアじゃない。よく動けるわね」


 ミアは構えを解くとグレアのへと向かった。その間も魔法による追撃は続いているが、それを気にする素振りも見せない。


 グレアの元へ辿り着き、彼女の脇腹に優しく指を当てると、ミアの指先から微かな光が漏れた。


 「…毒か。すまないが今の私には余力が無い。これで命の心配は無いだろうから我慢してくれ…」


 「私の心配は必要ありません!ミア様、もう大丈夫です。後は私が引き受けますので、お逃げください」


 「…いや、これは私の仕事だろう」


 「しかしー」


 「グレア。命令だ」


 「くっ」


 ミアはグレアに優しい微笑みを向け、

 四人へと向き直し、再び構えを取った。


 「待たせたな」


 「ええ。終わりにしましょう」



 握られた剣は大気を押しのけて、白銀の輝きを放つ。それと同時にミアの鼻と口から滝のように血が溢れ出した。


 そしてー



 イリア・バージス 

 アーノルド・シュタインベル

 ファブリソ・オーダイル


 …さらばだ



勇者ノ一刀アレススラッシュ


 

 ミアの剣が振るわれ、世界は静寂に包まれた

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