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君が選ぶのは〜過去と未来の勇者〜  作者: ぬしぽん
第三章

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ep.44 懸念

 中学神器科。一月中旬で冬休みも既に終わっており、寮生活に逆戻りだ。しかし、今日は祝日。この日の予定は毎年決まっている。皆で食堂に集まり、大きなテレビで神器トーナメントの観戦。


 「あの人、井上って…栞のお兄ちゃんだよね?普通科って言ってなかった?」


 「どうして…どうしてお兄ちゃんが出てるの!?」


 第一回戦。栞は画面越しに、信じられない光景を目の当たりにした。喧嘩もできないどころか、神器の適正はない筈の兄が出場しているのだ。


 試合が始まると、あろうことか勝利まで収めてしまった。それも一撃…いや一瞬で。


 「栞のお兄ちゃん…普通科だよね?…どうなってるの?」


 「私も…意味わかんないよ…」



 楓が試合を終え控室に戻ると、先程までとは選手達からの視線が変わっている事に気がついた。敵意丸出しの殺気立った視線では無く、用心深く警戒するような目だ。


 (油断を誘うためにも、すぐに決着つけたのはマズかったかな…)


 楓はロイヤルの面々と行動を共にし、経験の濃さでは一人前だが、普段から神器を学び、実習も熟している生徒達の専門性は侮れない。


 考え事の最中、控室のモニター目をやると次の選手の試合模様が流されていた。


 (こうしてみると皆強そうだな…あ、真城先輩だ)


 もう一つのモニターでは別会場の試合が。そこに映るのは二回戦の相手、真城 咲が映し出される。


 彼女の試合も勝負は一瞬。次の相手かえでを意識しているのか、能力も使わず頭部への一撃で終わらせていた。控室の選手達から歓声が上がる


 (あの人…本当に強いな。能力抜きにしても勝てるか怪しいぞ…)


 「カエデ。ちょっと」


 突然の呼びかけに反応すると、そこにいたのはカリサだった。彼女が選手の控室に入れるのは、ロイヤルの特権を使った為だろう。


 カリサに連れられ控室を退室する途中、他の選手達からの舌打ちが聞こえた。寮生活の彼等にとって男女の関係は難しい。誤解ではあるが嫉妬しているのだろう。


 「カリサ。こんなとこまで来て…何かあったか?」


 「次の相手…真城 咲についてだけど」


 彼女はなにか助言しに来たのだろう。確かに他の選手達と違い、普通科の楓は相手の情報を知らない。


 「いや、いいよ。俺は実力で勝ちたいから」


 しかし、それは他の選手達も同じ。相手も自分の事は知らないのだ。


 「はぁ?何か勘違いして…」


 「気持ちだけ受け取っておくよ。じゃあな!」


 カリサの言葉を遮り楓は控室に戻る。


 「どうしよう…もう充分って伝えに来たのに…次の試合、もしカエデが勝ったら面倒なことになるわね」


 二回戦で真城 咲と対戦する事になるのは誤算だった。勿論、楓がこの日の為に頑張ってきたのは知っているので、出来ることなら行けるところまでは勝たせてあげたい。だが、組織の本来の目的であれば先程の試合のみでも充分なのだ。


―真城 咲は前年、一年生ながらトーナメントの優勝者。生まれてからこれまで敗北というものを知らない。


 「ま、まぁ…流石に楓でもまだ勝てないでしょ!」


 湧き上がる不安を振り払い、カリサは会場へと戻る。真城 咲の持つ神器【スサノオ】は、組織からも恐れられる異質な能力を宿している。いくら強くなったとはいえ、楓が勝つのは厳しいだろう。



 「真城 咲…あの子は以前から“自分を負かせた男と結婚する”って宣ってるらしいけど…大丈夫よね?」

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