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君が選ぶのは〜過去と未来の勇者〜  作者: ぬしぽん
第三章

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ep.40 不穏

 エイタン・ニケルメ 最年少ながらオーフィス騎士団 五番隊副隊長という地位に就いており、組織のなかでも三番隊副隊長のラグナと双璧を成す若き天才だ。


 彼女の神器の名はクリセイオー。刀身は銀だが刃の部分は輝く金に塗装されており、柄は赤色の派手な大剣だ。クリセイオーの特筆すべきはその能力—


 「カエデさん。っぱないっスね!」


 「いや…エイタンの方が凄いだろ」


 楓は現在トーナメントの予選に向けての練習中。カリサは妹がベッタリなので、特別にエイタンに修行をつけてもらっていた。


 「アタシとここまでヤれるのは、ヤバいっス。これマジっスから!」


 (確かに…エイタンは能力を使ってないとはいえ、人類最強組織の副隊長と、身体能力だけならここまで戦えてるんだもんな…)


 辺りを見渡すと平坦だった筈の大地が、大きな穴や斬撃の跡で見る影もなく荒れ果てていた。


 「ただ、ロイヤルって分かってても、小さな女の子に手加減されてると思うと、なんかこう…来るものがあるな…」


 「いやいや、まだ神器起動させて一年も経ってないんスよね?カエデさんは伸び代だらけっスよ!」


 実際、エイタンは楓と剣を合わせ驚愕していた。


 (正直、今のカエデさんに勝てる学生がいるとは思えないっスね…いや、一人いたッスか)


 「そうか…もっと頑張らないとな」


 その心とは裏腹に楓の身体からエネルギーが溢れる感覚があった。あの夢での疲労も抜け、今は万全の状態だ。


(エイタンの言葉を真に受けるわけじゃないけど…)


―正直、負ける気がしない




 一方、楓の家でしおりとカリサは仲良く炬燵こたつを囲み、蜜柑を食べていた。


 栞は蜜柑の白い筋を指で丁寧に剥きながら、不服そうな顔をしている。


 「お兄ちゃんは毎日毎日、妹を置いて何処行ってんだか」


 「あら?栞はお兄ちゃん大好きっ子だったの?」


 「そうでは無いですけど…せっかく帰ってきたのに」


 「お邪魔だったかしら?」


 「いやいや、カリサさんは邪魔じゃないです!お陰で今一人ぼっちじゃ無いし!でも家族なんで…」


 家族―カリサは物心ついた頃から組織に配属され、親の顔も知らないので、彼女には分からない感覚だった。


 「栞は高校も神器科よね?その後は?」


 「あたしはロイヤルに入るのが夢なんですよー!」


 カリサがぎくりと肩を揺らす


 「でもどうやったら入れるんだろ?カリサさん知ってます?」


 「さ、さぁ?わからないかな〜…」


 カリサの態度を見て栞は疑問を感じたが、他の話題を思いついたので深くは気にしなかった。


 「そう言えば神器トーナメントが近いですよね!今年の目玉はやっぱり真城先輩かな〜!あたしの憧れなんです」


 「それは楽しみね」


 (真城…真城 咲ね。今組織がスカウトしてるっていう、うちの神器科二年で1位の成績を誇る、純正神器家系のお嬢様)


 「カリサさんは注目してる選手とかいます?」


 「私?うーん、秘密かな」


 「え!?もしかして彼氏とか?」


 「ち、違うわよ!」


 


 某国、地下室にて。バーのような内装の室内に、四人の男達がいた。三人はカウンターで酒を呷り、もう一人は壁の突起にぶら下がり懸垂をしている。


 部屋の扉が開き、そこへ小さな女の子が現れた。


 「ハーリィか。クイーンはなんて?」


 「気をつけてって言ってたです」


 「ひ~!ありがたいお言葉!」


 「これ貰ったです」


 「こ、これは…チーフ!」


 チーフと呼ばれた男が懸垂を止め、壁から地面へと降りた。男は入れ墨をいれた浅黒く筋骨隆々な肉体をしており、髪形はドレッドヘアー、いかにも屈強そうな外見をしている。


 男がハーリィから手のひらサイズの宝石を受け取ると、舐め回すように観察を始めた。


 「これは…【奴】を召喚出来る魔の宝具か…クイーンはゴウラの件を、かなり重く見ているようだな」


 「ゴウラって誰だ?暗殺部隊にそんな奴いたか?」


 「調査隊のゴウラ・アンガスだな」


 「調査隊?そんなカスにクイーンが?」


 「ゴウラは邪徒化にも適合した男だ。俺達程では無いが入隊条件も満たしていた」


 「へぇ〜、それはやりがいありそうですね」


 「だが殺ったのは高校生のガキらしいな」


 「なーんだ。やっぱカス?どうします?チーフ」


 「本当に殺ったのが高校生のガキなら、神器トーナメントとかいうふざけた大会に出るてくるだろう」


 「エト、バルドロ、ギル、ハーリィ。行くぞ…日本へ。皆殺しだ」



―ヴィクトリア兵団 直属 特殊部隊 アドス

 隊長のミドラ・イプシロンは部下を引き連れ狩りへと向かった

序章にイラスト貼ってみました

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