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君が選ぶのは〜過去と未来の勇者〜  作者: ぬしぽん
第三章

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ep.38 帰宅

 冬休み—


 「カリサ…いい加減、炬燵こたつから出たらどうだ?」


 「寒いのよこの家…エアコンつけるなら出てあげてもいいけど」


 「つけてもいいけど…電気代はお前が払えよ」


 現在、カリサとは生活費を折半にしている。ロイヤルとはいえ調査隊の彼女に支給される月の給金は少ないらしく、お互いに節約生活だ。


 ホテル代浮いてるだろ。と言いたいところだが、女の子だから色々あるのだろうと気遣って、楓もそこまでは言及しない。


 「それは無理ね。やっぱり炬燵で暖まってるわ」



 楓が置いてあるカリサのスケジュール帳を覗くと、予定がぎっしりと詰まっているのを確認した。内容はどれも同級生達との約束。しかし、冬休みが始まってから彼女が外出した覚えも、炬燵から出ようとする気配も無い。



 「カリサ…友達との約束はいいのか?」


 「ええ。この寒さで出かけるなんてバカのする事よ。遊びの約束なんてその場のノリだし」


 「お前そのうち酷い目に合うぞ…」



 とはいえ、学校でのカリサは超がつくほどの人気者だ。この程度で周りから人が離れていくとも思えない。


 そうして二人でテレビを見ていると家のベルが鳴った


 「…なんか買ったか?」


 「心当たりは無いわね」


 楓はリビングを後にし玄関へと向かう


 「あーさむさむ。なんだよもー」


 両腕を擦りながら玄関に到着し、鍵を開けた途端、

 ドアノブに手を掛ける前に勢いよくドアが開かれた


 「ただいまー!」


 「しおり!?」


 目の前に居るのは寮生活をしている妹だった。以前会った時より髪はかなり伸びていて、後ろで束ねている。


 「どうしたんだ?急に帰ってくるなんて」


 「はぁ?前に言ったでしょ。三年生は冬休みあるって」


 楓が記憶を辿ると確かに聞いた覚えがあった。完全に失念していた。


 「お兄ちゃんちょっと大きくなった?まぁいいや。とりあえず寒いから早く入ろー」


 (不味い…こいつにカリサをなんて説明したら…)


 「カエデー。誰か来たの?」


 最悪だ…あれ程、炬燵こたつから出ようとしなかったカリサが、何故かこのタイミングで出てきた。リビングのドアからこちらへ顔を出し、説明する前に妹と顔を合わせてしまった


 「え!?あのすっごい美人は誰?まさかお兄ちゃんの恋人!?」


 「ちがっ」


 「はぁ!?ち、違うわよ!こ、ここ恋人なわけ無いでしょ」


 余程、嫌だったのかカリサは耳まで真っ赤にして否定している。楓はそれを見て少しだけ傷ついた。




 「なるほど〜。カリサさんはお母さんの知り合いだったんですね!」


 「ええ。昔、お世話になったの」


 これは予め用意していた設定だ。カリサがロイヤルである事を教えたらきっと喜ぶだろうが、妹は口が軽いので秘密にしようと事前に決めていた。


 「でもカリサさん。流石に男女二人きりは危険ですよ。お兄ちゃんだって年頃なんですから。隙を見せたら何をされるか…」


 「…うるさいよ」


 カリサとそういったのは無縁だ。たまに彼女の下着を洗濯して、干して、畳むことだってある。色気づいた目で見る事は無い。


 (言われてみれば、カリサもラグナもエイタンも全員美形だよな。ロイヤルは顔採用でもしてんのか?)


 勿論、そんな筈はないだろうが容姿が良い者は、才能にも恵まれているのかもしれない。彼女らを見ているとそう思えてならなかった。


 「でも良かったー!カリサさんが居るなら退屈しなくて済みそう」


 「あら?それはどうして?」


 「だってカリサさん…神器の適正者ですよね?」


ー鋭い


 妹は中学生の神器科に入る程の神童だ

 カリサを見て何か感じるものがあったらしい


 「…へぇ。流石ね」


 「でも栞。神器は学校だろ?」


 「いや?三年にもなれば…ほら」


 妹が鞄から黒色の杖のような物を取り出した。

 どうやらあれが栞の神器らしい


 「…使わないよな?」


 「バレなきゃ大丈夫」


 「いや、駄目だろ」


 妹はやる気満々のようだ…


 (まぁカリサならいい感じに手加減出来るだろう)

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