表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/79

第70話 優しさが体にしみる…湯船で寄り添う、静かな幸せの時間

※こちらは全年齢向けに甘さ多めで改稿した作品です。

以前の作品を読まれている方は、内容が重複する部分がありますのでご注意ください。


基本糖分高めで甘やかされます♡

ティオが帰ったあと、レオンの“全力甘やかし”が始まった――


まず運ばれてきたのは、見たこともないほど綺麗にカットされた果物の盛り合わせ。

「はい、あーん」と言いながら口元まで差し出してきて、果汁が唇を伝えばすぐにハンカチで拭ってくれる。


喉が渇いて体を起こそうとした瞬間、そっと肩を押さえられた。


「動かないで。俺が飲ませるから」


そう優しく囁いて、水差しを手に唇へ水を運んでくれるレオン。

シーツを直そうと少し手を動かすと止められ、足を下ろそうとするたびに先回りされて――


「欲しいものがあったら言って。全部やる」


その真剣な顔に、思わずたじろいでしまう。


「そこまでしなくても、大丈夫だから……」


そう返しても、レオンはまったく譲らない。


「……それに、三日も眠ってたからね。毎日拭いてたけど、今日はちゃんとお風呂に入ろう」


「えっ……毎日……拭いてたの?」


驚いて問い返すと、レオンは当然のように頷いた。


「当然でしょ」


(ま、まって……それって、もしかして……!?まさか、全部……? 下着まで――うわあああ!考えたくないっ!!)


顔が一気に熱を帯び、心臓が跳ねる。


「だ、大丈夫、自分で入れるから!」


慌てて言葉を返したものの、言い切る前に遮られる。


「……無理しないで。ティオも言ってたでしょ?」


優しくそう言われた直後、ふわりと体が浮かんだ。


「きゃっ……!」


レオンの腕に抱き上げられ、そのまま迷いなく浴室へと連れて行かれる。

抵抗する暇もなく、浴室の扉が静かに開かれた――


「座れる?」


椅子を指さしてレオンが尋ねる。

私は頷いて、そっと腰を下ろした。


「ちょっとふらつくけど……大丈夫」


「辛くなったら、俺に掴まって。全部やってあげるから」


真剣なまなざしでそう言うと、レオンはしゃがみこんで、指先でそっと髪を梳き始めた。

まるで壊れ物を扱うような丁寧さで、優しく洗ってくれる。


(くすぐったいけど……気持ちいい……)


そのあと、体も丁寧に洗ってもらい、重たい体が少しずつ軽くなっていくのを感じた。


「ねぇ、レオン」


「ん?」


「ちょっと……ふらっとするかも。だから、一緒に……湯船、入ってくれる?」


私の言葉に、彼はすぐに「もちろん」と頷いた。


そのまま抱き上げられ、湯の中へそっと下ろされる。

背中を彼の胸に預けると、ぴたりとくっつくようにレオンの腕が回された。


「……セレナが、いる」


低く、噛みしめるようなその声。湯の温もり以上に、レオンの体温と想いがあたたかい。

私は、彼の胸に寄りかかり、そっと目を閉じた。


お風呂から出ると、レオンは大きなタオルで私の体を包み、髪も丁寧に乾かしてくれた。


「ありがとう、レオン。すっきりした」


そう伝えると、レオンは髪に触れたまま真剣な表情で言った。


「ちゃんと掴まってて。……ティオが言ってたんだ。あの出血量じゃ、本来なら助からなかったって。でもセレナが、自分の力を使ったから、命が繋がったんだって」


その言葉が、胸にじんと染みた。

そして、レオンは私を強く抱きしめた。


「……もう、絶対に、そんな無茶しないで」


何度も聞いたその言葉。

だけど、聞くたびに、どれだけ怖かったのかが伝わる。


私は彼の背中に手を回し、小さく笑った。


「……うん、もうしないよ。大丈夫」


その答えに、レオンはそっと息を吐き、安心したように微笑んだ。


レオンは手慣れた様子で私を抱き上げ、ベッドまで運んでくれる。

ふかふかの毛布の上にそっと下ろされると、体が心地よく沈んでいった。


レオンもすぐ隣に横たわり、並んでそっと身を寄せ合う。


「……レオン、あまり眠ってないんでしょ?」


そう問いかけると、レオンは少し困ったように笑った。


「……うん。セレナが目覚めるまでは、眠れなかった」


「じゃあ、少し一緒に寝よ?」


私から腕を伸ばして、彼の首に抱きつく。

そして唇を重ねる。

優しく、あたたかいキス。


レオンは私をぎゅっと抱きしめてくれた。


「……おやすみ、セレナ」


「おやすみ、レオン」


彼の温もりに包まれて、私はそっと目を閉じた。


(――ただ、寄り添って、笑ってるだけで。胸がいっぱいになるなんて)

お読みいただきありがとうございます♡


公式サイトにて先読みとイラストギャラリー公開中♡

☞ https://serenitee-tp.com/


※お手数ですがコピペでお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ