第38話 “一日中甘やかしたい”――レオンの一日まるごと独占愛
※こちらは全年齢向けに甘さ多めで改稿した作品です。
以前の作品を読まれている方は、内容が重複する部分がありますのでご注意ください。
基本糖分高めで甘やかされます♡
――翌朝。
いい香りが漂ってくる。
セレナが寝ぼけながら体を起こすと、すでにレオンは起きて自ら紅茶を淹れていた。
「おはよう、セレナ。」
手を止めベッドに歩み寄ったレオンは優しく髪の毛を掬う。
ふわりと額にキスを落とされる。
「……今日は、誰にも邪魔されない。……一日中セレナを甘やかしたい。」
そう言って、レオンの手がそっとセレナの背を撫でた。
「……私、身支度してくるっ!」
そう言い残し、足早にその場を去った。
(……朝から甘すぎる……!)
***
ゆっくりとした時が流れる。
『甘やかしたい』との宣言通り、レオンはひたすらに優しかった。
身の回りのことなんて自分で出来るのに、髪を梳いて整えてくれたり、ちょっとした距離でも抱きかかえて移動してくれたり。
ーーそして、私を膝の上に乗せながらレオンは上機嫌だった。
「中庭に散歩にでも行く?ベルも呼んでこようか。……今日はセレナがしたいこと、全部したい。」
破壊力抜群の優しい微笑み。
「ねえ、レオン。そんなしてくれて、私がダメになったらどうするの」
「いいよ。毎日甘やかしてあげたい」
たまらずレオンの首に腕を回しぎゅっと抱きしめる。
やわらかな朝の光に包まれながら――
私は、愛される心地よさの中で、とろけきっていた。
◆
しばらく二人でくつろいだ後ーー
「お昼の時間だね、ちょっと待ってて。」
そう言ってレオンは、そっと私の額にキスを落とし、部屋を出ていった。
(……レオン、何をするんだろう。)
しばらくして部屋の扉が静かに開き、レオンが片手に小さなトレイを持って入ってきた。
その上には――サンドイッチが可愛らしく並んでいた。
「……!」
思わず目を見開く。
「サンドイッチ……? レオンが?」
「……ああ」
どこか照れたように、レオンが視線を逸らす。
「実は……こっそり、厨房の使用人に教わってきた。……セレナに、食べさせたくて」
胸がじんわりと熱くなる。
(そんな……そんなことまで、私のために……)
レオンはトレイをそっとテーブルに置き、にっこりと微笑んだ。
「ほら、食べさせてあげる。口、開けて」
「……うん」
素直に口を開けると、レオンがそっと小さなサンドイッチをつまんで、私の唇に運んでくれる。
「……おいしい」
ふわふわのパン、優しい味のハムとチーズ。
何より、レオンが作ってくれたというだけで、涙が出そうなくらい幸せだった。
「ふふ、よかった」
レオンが優しく髪を撫で、もう一つ、そっと口元に運んでくれる。
一口ごとに、胸の奥がほわっとあたたかくなった。
◆
ふたりは、ソファの上で、静かに寄り添い続けた。
ふと窓の外に目を向けた。
ゆっくりとした時間が流れ、気付けば日が落ち始めていた。
「……ねえ、レオン」
小さな声で呼びかける。
「ん?」
「ちょっとだけ……お外に出たいな。……少しだけ、お散歩」
レオンは優しく眉を寄せ、私の髪を撫でた。
「昨日出歩いたけど、疲れてない?」
心配そうなその声に、胸がじんわりと温かくなる。
「うん。少しだけ、外の空気吸いたい。」
そっと微笑みかけると、レオンはほんの少しだけ考えるような間を置き、それからふっと小さく笑った。
「じゃあ……庭園の噴水のところまで、行く?」
「……うん!」
嬉しくなって小さく頷くと、レオンは軽やかに立ち上がり、私に手を差し伸べてくれた。
けれど、手を取った次の瞬間――
「わっ……」
レオンは私をそのまま、ひょいと抱き上げた。
「レ、レオン……!? 散歩なんじゃ……」
慌てる私に、彼は穏やかに微笑む。
「今日は……歩かせたくない」
優しい声音と、揺るがない抱擁。
私は小さく抵抗しかけたけれど、その腕のあたたかさに、結局何も言えなくなってしまった。
(……レオンに抱っこされるの、嬉しい……)
顔を胸に押し当てると、静かに響く鼓動が耳に心地よかった。
そのまま、ゆっくりと噴水へ向かう。
庭園に着くとゆっくりとレオンは下ろしてくれた。
真ん中にある、大理石の噴水を覗き込む。
水面に映る夕日が、静かに揺れていた。
「……綺麗」
私がぽつりと呟くと、レオンは私の顔をまじまじと見て。
「……セレナの方が、綺麗だよ」
思わず顔が熱くなる。
「も、もう……」
恥ずかしくてうつむく私の額に、レオンはそっと口づけた。
しばらくふたり、噴水のほとりで寄り添い、何気ない会話を交わした。
好きな季節や食べ物のこと。
子どもの頃の小さな思い出。
これからふたりで行きたい場所――
どれもこれも、ふわりと心をあたためてくれる、大切な言葉たち。
小さな幸せを嚙み締めた。
「……ちょっと冷えて来たね、戻ろうか」
私がそういうと、レオンは私の髪を指先でそっと撫で、耳元に顔を寄せた。
「……セレナ、帰ったら……部屋から出られないと思ってね?」
低く落ちた声に、思わず心臓が跳ねる。
レオンは何事もなかったように微笑み、私を抱き上げると歩き出した。
私はただ、頬を染めることしか出来なかった。
(……そんなこと、言われたら……もう……)
レオンの腕の中で、私はそっと目を閉じた。
そのまま運ばれるようにして戻った部屋。
扉が静かに閉まる音が、夜の始まりを告げるようだった。
ーーそして結局、レオンは最後まで“有言実行”だった。
気付けば、窓の外がほんのり白み始めていた。
それでも、腕の中の温もりが心地よくて……私は何も言えなかった。
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