第十一章 泥棒退治 参
平和な村ゼンギョウの穏やかな朝が、畑荒らしの一報で大騒ぎになったその夜。タイコウは滞在の場として村から与えられた寂れた鍛冶場で、一人熱心に雪割りを研いでいた。
炉が使われる事の無くなった鍛冶場で、唯一の光源であるランプの小さな灯が時折揺らめきながら鍛冶場の中を照らす。
鍛冶場の一角にそびえていた包丁や鎌の山は、今日一日かけてタイコウによって切り崩されていた。研ぎ終えた包丁や釜は床に敷かれた布の上に丁寧に並べられ、ランプの淡い光に艶やかな光沢を放っている。
そして、タイコウに残された研ぎ仕事は残り二つ。今まさに研いでいる最中の雪割り。師匠オウシュウが生み出しリクスウが携える刀。そして、残る一本は三大道士の一人デイコウが所有する大刀、虎王牙。
タイコウは、どのような研ぎだろうと手を抜く気は無い。
だが、この二振りの刀を研ぐ事には村人から預かった包丁や鎌の山以上に気を使う事になる。いかに心を常に保とうとしても、二振りの業物を前にしては鍛冶屋を志す者として気負わずにはいられない。
雪割りを研ぐタイコウの表情は真剣そのもの。
ただ、彼の顔には刃に生じる一転の曇りにも似た焦燥の色が見え隠れしていた。転じて見れば、その焦燥を取り払う為に研ぎ仕事に集中しているともとれる。
昼間、ゼンギョウの村長の住まいに訪れたタイコウ達。三人は村長のエンネイから正式に畑の護衛を依頼され、これを引き受けた。
村長との会見の際に見せたやる気の度合いを言うなら、リクスウ、オウメイ、タイコウの順となり、中でもリクスウは飛び抜けていた。もちろん、末尾となったタイコウも世話になっている村の為と人並みにやる気を見せて村長を安堵させた。どちらかと言えば、リクスウの不自然なまでの気合の入りようのほうが異常だったのだ。
その時リクスウに感じた違和感が、タイコウの杞憂の一つ。
いつ現れるか、再び現れるのかどうかもわからない畑荒らしに対し、三人は一晩ずつ交代で夜回りをする事にした。そして、最初の今夜の夜回りを買って出たのが、ここでも無駄にやる気を見せたリクスウ。
タイコウは勇むリクスウに急いで雪割りを研ぎ与えようとしたが、リクスウは畑荒らしを生け捕るのに刃物は不要だと豪語し、これを断わった。
そんなリクスウの過信と間に合わなかった雪割りもまた、タイコウの杞憂を生んだ。
タイコウの胸中は、ランプの灯と同様に揺らいでいる。そんな心境にあって、彼の両手だけは乱れる事無く刃を研ぎ続けているのだから、流石は師も認める研ぎの技術と言えるだろう。
タイコウは作業の手を止めると、軽く溜息をついた。
生来の心配性が仲間の身を案じさせ、焦る気持ちは落ち着く事がない。
(あのやる気が空回りしなければ良いのだけれど……)
研ぎ半ばの雪割りを灯りにかざし、仕上がりを確かめる。
ただ、タイコウの目はどこか虚ろで研ぎの按配を確認する事はなく、雪割りを掴む手は微動だにせず彼の眼が仕上がりを確かめるのを静かに待っている。
動かないタイコウの影がランプの灯の揺らめきに合わせて右へ左へと僅かに揺れるのみ。
「心ここにあらずという感じね」
「うわぁっ!」
不意に近くで発せられたオウメイの声にタイコウは驚き声を上げ、手にした雪割りを落としそうになる。オウメイもまた彼の声に驚き、こちらは驚きのあまり盆を手にしたまま動けず目を丸くしてタイコウを見ていた。
「オ、オウメイ。あー、驚いた」
「驚いたのはこっちよ。急に大きな声出すんだもの」
高鳴る動悸を抑えようと胸に手を当てるタイコウに、オウメイが口を尖らせて返す。タイコウは胸に当てた手を後ろ頭にやると、面目無いと頭を掻いた。
「それで、どうしたの、オウメイ?」
そんなタイコウの問いに、オウメイは両手で持っていた盆をヒョイと掲げてみせる。
盆に載っていたのは湯飲みが二つ。淹れたてであろう湯飲みの中の茶は湯気を上げている。それと、お茶請けであろう漬物が何切れか。こちらはオウメイが昼間畑仕事を手伝った際に村人から貰ったものだ。
「タイコウが夕飯からずっとこっちに入ったまま帰ってこないから、様子を見にがてら休憩に誘おうと思って」
そう言われてタイコウは時間が過ぎている事にようやく気が付いた。研ぎ仕事に集中するあまり、時の経つのをすっかり忘れていた。
同時に自分の身体が随分と冷えている事にも気付く。半ば開けっ放しに近い鍛冶場で作業を続けていたのだから無理も無い。
「ああ、これはありがたい」
雪割りを脇に置いたタイコウは、オウメイから湯飲みを受け取る。
オウメイから手渡された湯飲みの温かさは、冷えた手には熱くさえある。
「あ、まだ熱いと思うから……」
オウメイが警告する前に茶を啜ったタイコウ。彼の舌がその熱さに悲鳴を上げた。
「アチッ!」
「急いで飲んじゃダメだよ。って、言おうと思ったんだけど……」
オウメイが苦笑いを浮かべながらタイコウの隣に座り、タイコウは舌を扇ぎながら涙目で頷き返した。
そして、改めてゆっくりと啜る。タイコウの口の中へと流れ込んだ茶が、喉を通り身体の中に温かい道を作る。
タイコウはしばし目を閉じて身体から温まる感覚に浸ると、先程よりも温かくなった息を吐いた。
ただ、青年の吐いた息は休憩によって生まれた安息だけではない。その横顔と同様の憂いが篭った溜息だと察したオウメイは、タイコウに感化されたように表情を曇らせた。
「リクスウが心配?」
オウメイに容易く看破され、湯飲みを手にしたタイコウの二口目が止まる。
タイコウは飲みかけた湯飲みから口を離し、小さく頷いた。
「大丈夫だとは思う。でも、ね……」
リクスウの強さはタイコウも良く知っている。カリュウの町で雪割りを手に戦う彼の勇姿を間近で見ているのだから。そして、雪割りを手にする前からリクスウが先祖である虎相の霊の力を借りて戦っていた事も知っている。どこの馬の骨とも知れない畑荒らしを相手にする彼を心配しては、かえって失礼だとも思う。
それでも、一人で行かせるべきではなかったのではないかという思いが拭い去れない。
(いっその事、今からでもリクスウの元へ……)
そう思い壁に立てかけた錫杖魯智へ視線を向けたタイコウは、自分の肩に置かれた手の感触に改めてそちらへと振り向いた。
「心配無いって」
心騒ぐ青年を安心させるようなオウメイの穏やかな笑みに、腰を上げかけたタイコウの動きが止まる。
「そもそも、今日もまた畑荒らしが出ると決まったわけじゃないんだから。そうなったら、明日の夜回りはタイコウでしょ? 今からそんなに気負っていたら身体がもたないわよ」
オウメイの手に肩を引かれ、タイコウは上げた腰を降ろすと小さく頷いた。
「それは……そうかもしれない」
確かに今夜畑荒らしが出るとは限らない。長期戦になるかもしれないと見たからこその三人交代だ。
「まあ、出たら出たでリクスウは強いんだし」
(苦戦したならしたで良いお灸になるやろし)
オウメイの言葉に続けるように、樂葉の声がオウメイの心に響く。姿を見せれば、きっと樂葉は意地の悪い笑みを浮かべていることだろう。
しかし、樂葉が戯れ半分に言った事もまたオウメイの本音の一つである。これを機にリクスウが改めて精神鍛錬の必要性を感じるのならば、それも一興。
オウメイの当面の問題は、リクスウが修練逃げたさに夜回りを買って出たという真実をタイコウに話すかどうかである。
理由はどうあれ、リクスウが苦戦する事も織り込んでの一人夜回りとなれば、心配性のタイコウは彼の加勢に向かいかねない。とは言え、このまま黙っているのも忍びない。
どうしたものかと悩むオウメイの内心など、タイコウが知る由も無い。
青年は迷いを吹っ切ったらしく、朗らかな笑みをオウメイに向ける。
「そうだよね。僕達が信じなきゃいけないよね」
「そ、そうよ。私達、仲間なんだから」
思案にふけっていたオウメイは、思わずタイコウの笑顔に笑い返していた。
「うん、仲間だもんね。さて、僕は残りの二本を片付けなきゃ。お茶、御馳走様」
タイコウは朗らかな顔はそのままに、湯飲みを盆に返すと雪割りを手に砥石に向き直る。
「そんなに根を詰めなくても……」
「ううん。なんだか調子が良いんだ。今夜のうちに全部仕上げてみせるさ。オウメイ、先に休んでくれていいから」
オウメイの忠告に笑って返すタイコウ。その手は既に雪割りを研ぎ始めており、オウメイに向けていた顔もすぐに手元へと向けられた。
そして、間近のオウメイの事さえすでに忘れたかのように、タイコウの顔は職人のそれへと変わる。タイコウの真剣な横顔を見ながら、オウメイは何事か発しようとした口をつぐんだ。
(……言えない)
(……やわなぁ。ホンマ、この坊とやんちゃな坊と足して割ったら、丁度エエ按配なんやろうけど)
内から響く樂葉の深い溜息に合わせるように、オウメイはこっそりと溜息をつき外を見やる。
鍛冶場の格子窓越しに見える夜空では煌々と月が輝き、その月の脇を星が一つ流れた。
「ファックシッ! エックシッ!」
星々の瞬く夜空で一際堂々と輝く月。それを揺るがさんばかりの声が夜空に響き渡る。
「うぅ、全く、まーったく……誰か噂してやがるのか?」
月に照らされた夜の田畑の中、リクスウは一人鼻を啜りながら呟いた。
ゼンギョウの村を囲むようにして広がる田畑は、それらを仕切るように無数のあぜ道が延び、さながら蜘蛛の巣のような姿を形作っている。リクスウは、その小道の一つを一人宛ても無く歩いていた。
「俺の噂となると、やっぱりリホウちゃんかねぇ」
そんな自惚れにも似た独り言とともに夜空を見上げるリクスウ。彼の脳裏に浮かんだ行商一家の少女リホウの幼く無邪気な笑顔が、星の瞬く夜空に大きく思い描かれる。
「可愛かったよなぁ……」
リクスウの視界にのみ映る少女の微笑み。思わず口元をほころばせ……だらしなく緩める隻眼の青年。その砕けようは、この場に警備隊がいれば不審者と思われても仕方がないほどである。
だが、幸いにも彼の緩みきった顔を見咎める警備隊はいない。いないからこそ、彼が警備隊に代わって夜の田園を一人歩く必要が出てきたわけだが。
「それにしても、春だってのに冷え込みやがる……」
気まぐれな風に吹き流された雲によって空に描かれたリホウの笑顔は覆い隠され、妄想から現実へと押し戻されたリクスウは立ち止まり周囲を見回した。
視界に広がる田園風景。昼の最中、穏やかな春の日差しに包まれたそれを見ればのどかと評したくなるだろうが、叢雲越しに射す青く淡い月明かりに照らされたそれは寂しく冷たい印象をリクスウに与えていた。まるで吹き抜ける夜風が、昼に溜めた陽だまりのぬくもりを根こそぎ削り去っていくかのような冷たさを感じさせる。
そして、早春の夜の涼風に感化されたかのように、リクスウの、さらには彼に取り憑くトウコウの感覚もまた氷のように冷たく研ぎ澄まされていた。
(……いやがった)
畑荒らしが出没した昨日の今日では、出現しないのではないかと思い始めた矢先。リクスウは自分以外の気配に感付くと、近くの茂みに身を屈めて様子を窺う。
隻眼の視線の先。日中オウメイや村人達が耕していただろう畑の畝を一つの影が疾走していた。
(小せぇな……)
リクスウは走る影を目で追いながら、眉根を寄せた。
獣として種を問わなければ、人ほどの大きさもある影の姿は決して小さくは無い部類だろう。ただ、リクスウがゼンギョウ村の住人グエンから聞いていた足型を思えば、地を蹴る影の四肢や躍動するその胴は細く小さい。
(畑荒らしでも昨日とは種が違うのか、はたまたアイツはガキで親がいやがんのか……)
リクスウが思考を巡らせる間も影は走る事をやめず、彼の居場所から次第に距離が離れていく。リクスウは潜んでいた茂みから飛び出し、疾駆する影を追った。
日中オウメイや村人達が耕したであろう畑の中をお構い無しに走る影。リクスウもまた、村人達に心中で詫びながら影を追って畑を横断する。
(……にしても、いったい何者だ?)
月が雲に隠れてからというもの闇の色が濃く、影の姿が曖昧。影と距離を置いているリクスウは、未だに影の正体を見抜けないでいた。
虎か熊、否。いくらリクスウが気配を悟られぬよう足音を忍ばせているとは言え、これほど速くは走れない。そもそも影の四肢は虎や熊より長い。それでは鹿か狼、否。あの影が鹿か狼の子で親がいるとしても、その親が村人から聞いた足型を持ってはいない。知っている獣のどれとも合致しない。ならば……。
一つの仮説に行き着いたリクスウが急速に殺気立ち、彼に憑くトウコウもそれに呼応するように牙を剥く。
「ここにも妖魔が出やがったってのかよ、コンチキショー!」
ゼンギョウ村の集落へと真っ直ぐ続く道に出た所で、リクスウが叫び全力で走り出した。
その声が、足音が、影に自分の所在を知らせるのは重々承知。むしろ、相手が妖魔だと言うのなら集落へ入れるわけには行かない。影がリクスウに気付き向かってくる事を願っての行為。
当然の如く、影はリクスウの声をすぐに察知して立ち止まると、背後に迫るリクスウへと振り返る。
「よぅし、いい子だ! 痛くないように一瞬で仕留めてや……あら?」
悪鬼魔霊を切り裂く虎霊の爪を放たんと豪快に腕を振り上げたリクスウ。だが、影に迫るにつれて明らかになるその姿に彼の殺気は霧散していった。それと同時に走る速度も急速に落ち、影の数歩手前でとうとう足が止まる。
「……ガキ?」
目の前に立つ影の正体に、リクスウは振り上げていた腕で困ったように後ろ頭を掻いた。
確かに、ガキ。人間の子供。
手足を地について警戒するようにリクスウを見上げる様は獣のようにも感じられたが、雲が流れ再び射しはじめた月明かりに照らされた姿は少女にしか見えない。
(こいつが畑荒らし……ってのか?)
手入れされた事が無いようなボサボサの赤毛。ぼろ布のような衣服。力強さを感じさせる眼光を持った少女。その特徴のどれもが、リクスウはゼンギョウの村で見聞きした憶えの無いものだ。
リクスウは困り果てたように溜息をついた。
「えーっと……なぁ、嬢ちゃん」
「フー!」
リクスウが声をかけ歩み寄ろうとした途端、彼を見ていた少女は毛を逆立て威嚇するように声を上げる。その様にリクスウはもう一度溜息をついた。
(まあ、コイツが畑荒らしだろうと無かろうと、放っとくわけにゃいかんわなぁ)
そして、リクスウは意を決して少女へと歩み寄る。
「があぁぁぁぁぁぁっ!」
その一歩にリクスウを敵と見なしたのか、少女は雄叫びを上げてリクスウに飛び掛ってくる。
リクスウは半身を逸らし少女の突進を難なくかわすと、通り抜けようとする少女の細い胴をヒョイと担ぎ上げた。
「うがぁぁぁぁぁぁっ!」
途端に胴に巻きついたリクスウの腕から逃れようと騒ぎ暴れる少女。リクスウは三度溜息をつき、少女の胴を担ぐ腕にわずかばかり力を込める。
「ぐ、うぐぅ……!」
「うっせぇぞ、ガキ。全く、まーったく、さっきの走り方と言いその態度と言い、見た目はガキだが中身は獣だってのか?」
締め上げられて幾分大人しくなった少女を抱えなおすと、リクスウは村に向かい歩き出した。
少女が件の畑荒らしと言うには足型が合致しないが、不審者であることには変わりない。身寄りがわからなくては家に追い返す事もできない。ひとまず村長の元に保護して、彼に判断を委ねるのが妥当だろう。
「やれやれ。獣か妖魔かと踏んでいたが、とんでもねぇ拾い物しちまったなぁ」
空いた手で後ろ頭を掻きつつ村へと続く道を進むリクスウだったが、手元の違和感にふと足を止めた。
違和感は後ろ頭を掻く手ではなく、少女を抱える手。
(……もじゃもじゃする)
リクスウは不審に眉をしかめながら少女へと視線を向ける。
そして、隻眼を見開いた。
「虎ぁッ?!」
リクスウは一瞬目を疑った。夢でも見ているのではないかとさえ思った。
抱えていた少女の体から頭髪と同じ赤毛が伸び始め、幼い少女の顔も人のそれから虎の相へと形を変えている。
少女の様は、リクスウ自身に取り憑く先祖の霊トウコウと大差無い。違いがあるなら着ている服がコウハ族の装束かボロ布か、大人の虎か子虎かという程度。
「な、なんだコイツ!」
驚き戸惑いこそしたが、少女虎を抱える腕は辛うじて解かずにいる。それは、捕らえた少女を逃がさないという使命感から、というよりは眼前の虎を開放した瞬間飛び掛られるのではないかと本能的に感じたからだろう。
ただ、少女虎はリクスウの危機感に勝っていた。
赤い体毛を逆立て殺気立つ少女虎は、体を屈伸させ強引にリクスウの腕を振りほどく。そして着地と同時に両手両足を大地に叩きつけ、リクスウめがけて飛び掛る。
「ガアァァァァァッ!」
生え伸びた牙を剥き出しにした少女虎の咆哮。そこには少女の声は無く、完全に虎のもの。そして、振りかぶった前足、もとい手から生えた爪も虎。
「んの、クソガキ!」
襲い掛かる少女虎の爪を紙一重でかわしたリクスウは振り下ろされた少女の腕を掴み上げる。続くもう一方の腕も振り切る前に掴み取り、少女の両腕を持ち上げる。
リクスウの目の高さまで吊り上げられた少女虎。足は宙に浮き、腕はリクスウにしっかりと掴まれ完全に無防備。
だが、少女虎の攻撃はここで止まりはしなかった。
少女は半身を捻り、目一杯開いた口をリクスウの肩口に向ける。
「アグッ!」
「イッテェェェェェェェェッ!」
少女虎に噛み付かれたリクスウの悲鳴が、星の瞬く夜空に響き渡った。
~次回予告、タイコウ語り~
畑荒らし騒動から一夜。
僕達はリクスウから追い詰めた少女の話を聞きました。
それは、虎に化けるという奇妙な虎娘の話。
不信の色を示す僕達に対しデイコウは興味を示し、虎娘の捜索を提案します。
提案者のデイコウ道士、汚名返上に燃えるリクスウ。
当然、僕とオウメイも二人に同行し、村近くの森へと踏み入るのですが……。
三大道士の虎の牙、蛮勇の長の虎の爪。
二人の虎が探したものは、虎に変じる虎娘。
虎、虎、虎の虎三昧。
次回『第十二章 虎相童子』に乞うご期待。