両親の離婚。
私は現在26歳になったばかりだ。
そんな私には今、同棲している恋人がいる。
私が今、落ち着いて冷静にこれを書いているのはこの恋人のおかげでもある。
私の家は、複雑だ。
昔、まだ私が小学3年生の頃・・・
両親は離婚した。
いきなり母が1人で出ていき、兄弟姉妹共に取り残された。
私だけと言わず子供にとって母親とは絶対の存在だった。
年齢のせいもあってか、不安で悲しくてどうしようもなかったのを覚えている。
「なんで?どうして?」
そんなことを考え不安いっぱいの私や兄弟姉妹を目の前に
実父が母への暴言を延々と、呪いのように言っていた。
そんな中、姉は携帯で秘密裏に母と連絡を取っていたらしい。
学校が休みの日を利用して、姉に兄弟姉妹、散歩に行ってくると連れ出され
家から離れた場所の高架下で母と再会した。
母が乗っていた車に急いで乗るように言われ、言われた通りにした。
車に乗ってしばらく経つと私の持つ携帯に実父から電話がきた。
最初は怒りを含んだ声で、徐々に状況を理解したのか猫なで声で話しかけてきた。
なんて言っていいか分からずに、姉や母の言う通りに
「お父さんが嫌いだからお母さんと一緒に行く」
そう電話口で言った私の言葉に再度、実父がすごい剣幕で怒鳴ってきたのを覚えている。
そのまま携帯を姉に渡し、着信拒否にしてもらったが
当時の私には、なんだか悲しくて車の窓に寄りかかりながら泣いた。
母に連れられて、着いた先には白いアパートがあった。
中にはいると、強面の男の人がいた。
その人は母よりも年下だが、子供に優しいということはなくただ怖かった。
その男の人は犬を飼っていたが、犬が糞をするとよく蹴られ
「片付けろ」と言われていた。
しかし、母は特に何も言わず昼間、子供がいても行為に及ぶほど好きだったらしい。
母曰く
「私たちの面倒を見てもらってるわけだから」
その言葉に私は今はいない実父を思い出した。
しばらくして、離婚が成立する前に母にお腹に新しい命が宿った。
それが下から2番目の弟だ。
出産も離婚の前だったため、その子は書類上母と実父の子となった。
離婚の前に子供に会わせろと実父から連絡が入り、私と兄、弟の3人が実父に会うことになった。
その際、母から
「お父さんのお財布からお金持ってきて」
と言われた。
子供心にいけないことだと分かっていたのに
当時の私は、母が喜ぶなら。と言われたことを実行したのだ。
案の定、バレた。
バレたとき、実父は怒らなかった。
ただ、「なんでこんなことしたんだ」と淡々に聞かれた。
バレたことで、頭が真っ白になった私は、母に言われたからと言ってしまったのだ。
実父はそのまま母に電話を掛けた。
実父が母に、電話口で笑いながら
「こんなことをしたんだ。お前には任せておけないし、したことの責任を取ってこいつらは俺が引き取る」
まるで死の宣告のようだった。
母も母で
「私はそんなこと言ってない」
の一点張りで、私が勝手にやったと丸投げされた。
弟は、よく母に怒られていて母よりも、なんでも買ってくれる実父が好きだったから喜んでいたが。
兄は弟が心配だからと了承したが、私を見る目は冷たかった。
私は私で、「どうしよう」しか考えていなかった。
その日から、私と兄、弟は実父の下での生活が始まった。