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0話 夢なら覚めて…

初投稿となりますがpixiv、ハーメルンでの投稿経験はあります。読みにくいかもしれまんが、よければ読んでもらえれば幸いです!

「……はい?」


おかしいなー。会社で昼休憩終了時にブレーカーをオンにしたら目の前が閃光に包まれた。そしてなんで俺はいかにもそれっぽい森林にいるんだ?


「夢……だよな。イテテテッ……え、違うの?」


頬をつねってみた。だめだ痛いし俺の目には森林が見えるままだった。つまり……


「…おいおい、ラノベのよくあるやつじゃねぇだろうなぁ?」


異世界転移、誰もが一度は憧れるシチュエーションだがいらんお世話だ。いや作品を読むのは好きだが求めちゃいない。今の会社は自分に合ってるし先輩も上司も優しいし後輩も面白いやつだし、給料は…まぁ頑張り次第だがボーナスもきちんと出るしでいい会社だと思う。


「服は…作業服のまま。安全靴も履いてるな。で、俺のリュックが目の前にあるのはなんでだ?ロッカーに入れてたはずなのになぁ」


長袖長ズボンの灰色の作業服と黒の安全靴を確認して俺はリュックの中身を漁る。中には水筒、クレーン作業必須のヘルメット、溶接用の道具一式、バッテリー式ドリル、切削工具(数種類)、計測道具があった。うん、会社で支給された道具一式だ。


「……いやそんなことはどうでもよくて。問題は現実のどっかの国かあるいは……本当にファンタジーの世界なのか」


あれこれ考えても分からないため森を抜けるため歩き出した。勿論リュックを背負って。今の時刻はお昼過ぎといったところ。取り敢えず森は危険だ。熊や狼などいたらたまったもんじゃない。


「方角の勉強とかしたのに忘れちまったから、東西南北分からないし。ん?……川かあれは」


暫く森を進むと水が流れる音が聞こえてくる。間違いない、今その目に映っているものは紛れもない川だった。


「基本川の水なんて飲まないが、喉が……。ちょっぴり舌につけてみようか」


川の近くまで寄ってリュックを下ろして座り込む。見た感じ地元でもよく見る感じの水の透明度だった。人差し指を軽く水につけて口に含む。


「う〜ん……どうだろう?飲めないことはなのかな。ただ腹を壊すこともあるしなぁ。いや、物は試しか」


今度は両手ですくい上げる。両手には一杯の川の水、決意を固め一気に飲み干してみる。


「大丈夫そうだなこの感じ。よし、水筒にちょっと入れるか」


リュックから愛用の水筒を取り出し川の水を入れる。喉の渇きはこれである程度持ち堪えることが出来るだろう。お腹さっき飛ばされる前に昼食を摂ったし暫くは大丈夫。と思ったその矢先……


「ん!?なんだ今の音……」


川が流れていく下流の方向から衝突した様な音が響いた。鳥が一斉に飛び出していた。


「え〜下流に進もうと思ったのに……怖いわ。いやでま近くに工場でもあるのかな?だとしたら人がいると思うし……腹くくるか」


不安と恐怖がこみ上げてくるがなんとか立ち上がりリュックを持ち下流へと進む。その途中奇妙な顔をした馬の様な動物に遭遇したが、気にしない気にしない。こういうのは目を合わせないようにすればどうとでもなる。


「ちょっと開けてる場所か、あれは」


薄らとだが木と木の間から太陽の光が差し込まれていた。どうやら森を抜けれる可能性が出て来たみたいだ。


「ただあの音はあの先から響いてるようだな。……確かめるしかないか」


鳴り響く衝突音は徐々に大きくなる。その正体はなんなのか、心臓の鼓動も早くなるが知りたい気持ちも同様に高かった。覚悟を決めて森を抜けてその光景を確認してみる。


「やぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「…………アーク溶接のやり過ぎで目が疲れたか?角の生えた熊なんて現実にいる?そしてなんか冒険者ぽい女の子が一人で戦ってるし」


ヒグマよりも何倍もでかい角を持った熊と赤髪の女の子が戦ってる。見た目は10代後半くらいか。凄い……剣でうまく熊の角攻撃や引っ掻き攻撃をいなして確実にその肉を切り刻んでいる。


「夢だ……これは夢だ。夢夢夢。面白い夢だな。大丈夫、起きたら会社で作業中な筈」


瞳を瞑って現実逃避。社会人の最終手段だろう。


「あ、ちょっと待ちなさ……い?。え!?ちょっとそこのあなた!!今すぐに逃げてーーー!!!」

「え?」


女の子の叫び声を聞き瞳をゆっくりと開けてみるとこっちにあの熊が走って来ていた。御馳走を見つけたみたいに涎を垂らして。


(あ……フラグかこれは。食われて死ぬ未来が見える)


無意識に正座をしていた。いやまさか熊に人生を終わらせられるとは思わなかったな。あの女の子もこちらに向かって走って来ていた。助けようとしてくれるのか?ありがたいが手遅れだな。熊は四足歩行、追いつかれはしないだろう。もう一度瞳を瞑る。


(課長すみません納期間に合いません。先輩もご迷惑おかけしました。後輩、あと一年は頑張れ。父母、最後まで仲良くな。ありがとう自分、そしてお疲れ様でした)


取り敢えず言いたいことはこれで済んだ。どしどしと近づいてきている熊の咆哮が聞こえる。食われるか、引っ掻かれて身体を裂かれるか。……左手を突き出せば止まってくれるかな?そんな希望をもって左手を前へ突き出す。そして遂に間近に迫り命を奪われると覚悟した。


「……?」


あれ生きてる?確実にの目の前に来た筈…。熊が近づいて来る音も聞こえない。恐る恐る瞳を開けてみる。


「……た、倒れてる。なんで……」


生きてはいるけど、目を手で押さえて悶え苦しんでる。そして左手の状態がおかしかった。


「な、なんだこれ?スパークしてる?」


丁度今さっき口にしたアーク溶接の如く火花が飛び散って光が手の平から漏れ出していた。……どういうこった?


「止めだ!!」

(……グ、グロいな)


そして近くまで来ていた赤髪の女の子はすかさず熊の喉元に剣を刺した。その後熊が動き出すことはなかった。女の子は剣を抜き取り血を払い鞘に戻して、こっちに寄ってきた。ま、まさか斬られる!?


「ねぇあなた」

「ごごごごめんなさい!!自分は怪しい者ではなくてですねっだから斬らないでください何でもしますから!!」

「怪我は無い?大丈夫?」


慌てて土下座をしている俺に話し掛けてきた。ゆっくりと顔を上げるとセミロングくらいの綺麗な赤い髪に瞳は真紅で服装は布とチェインアーマーらしき装備に身を包んでいた。普通に可愛いレベルの美少女であったが頬に熊の返り血が彼女の勇猛さを表現していた。


「さっき閃光の様な光を出してたよね?魔法が使えるの?」


魔法か……聞きたくない単語が出て来たな。


「い、いえ自分でも今のがなんなのかよく分からなくて。すいませんあなたの獲物を横取りしたみたいで……」

「そんなことないよ!むしろ助かったよ、ありがとう!」


良かった……斬られないみたいだ。取り敢えず初めて人に出会ったんだ。色々情報を聞かないと。


「見慣れない服装だね。異国の人かな?」

「そ、そうなんです。お聞きしたいのですが、ここはどこかの国ですか?」

「ここは"パルディン王国"だよ」


王国ね……間違いなく現実の地球ではないな。認めたくはなかったがしょうがない。目的は決まった。どうにかして日本に帰る手段を模索しないと。


「自己紹介がまだだったね。私、フィナ!"フィナ・ルナール"。あなたの名前は?」

「自分は織井松葉おりいまつばと言います。あ、失礼。正しくはマツバ・オリイですね」

「マツバ……素敵な名前ね!」


さてと、こんな世界から俺は無事に帰れるのか……不安と恐怖は大きくなる一方だった。



とある城にて


「国王陛下!転移魔法が成功しました!」

「おお!それは朗報だな!よし、勇者となる者を連れてまいれ」

「そ、それが成功はしたのですが……」

「何か問題が?」

「何らかのトラブルにより座標がずれてしまい、途中で放り出された模様です……」

「…………」

「も、申し訳ございません!!」

「……この地には来ているのだな?」

「はい!そこだけは確かです!」

「周辺の街に捜査隊を送れ。恐らく格好も異国風であろう」

「直ぐに手配します!!」

「我が国の救世主になる者だといいのだが……」


物語は今始まる。


駄文で申し訳ありません(^_^;)。暇潰し感覚で読んでもらえればと思います。今後ともよろしくお願いします!

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