残った2人も縛った。
「タイ・・・エリーザさん?言ってみえる意味が解りませんが?ミーナちゃんの魔法に人属ごときが何も出来よう無いですよ?」
「お兄~ちゃんは凄くす・・・えっと・・・違うのですよ」
何かを追い掛けたが、ミーナはそれを圧し殺した。
「ミーナちゃんは優しいですね。でも無理に庇う事は無いです。所詮は人属、レベルが高くて、いかに力や潜在能力が高かろうが、龍族や獣族には到底及ばないですし、魔力では魔族や私達妖精族よりは遥かに下、そんな何の能力も持たない種族が特別何かを出来るわけ無いのは世界の常識ですから」
「でも・・・お兄~ちゃんは・・」
「ミーナ!ダメよ。知らない人にタイチさんの事を喋っては」
「は、はいなのです・・・」
しょぼんとするミーナ。
そんなミーちゃんを片目に留める、この場に居合わせた妖精族の女性は、激しい怒りの目を俺に向けている。
まるで全責任が俺に有るかの様に・・・
まあ、無理もなかろうよ。
初対面があれだったし・・・
でも、何だか俺に対してと言うよりは、さっきからの態度や言葉使い考えると、かなり人属を軽蔑視した言動だった。
とは言うものの、やはり俺への怒りは間違い無いんだろうけど・・・
初の対面だったあの時、自分の油断によって俺は矢を受けたものの、これと言った外傷もなく平常だった。
俺達へと降り続く矢が一時止んだのを見計らい、俺は一気に間合いを詰めて、矢を放った者達の土手っ腹に、体がくの字になる程度の力で拳を入れ、3人共全員の意識を刈り取った。
相手もスリーマンセルでの行動だったのだ。
あの時、俺の接近に焦った弓使いの男2人だが、対応が間に合わず有無も言えぬまま拳をくらい撃沈。
その間に1人残った指揮系統を担ってたと思われる者が、腰に携帯する剣を抜き俺へと斬りかかってきた。
上段から振り下ろされる剣をバックステップでかわし、相手が横一への太刀筋へと移行する為、剣の軌道を変える一瞬に俺は間合いを詰め、前の2人と同じく拳を食らわす。
結果的に3人の意識を刈り取る事が出来た俺は、昨夜苦しめられた"呪いの極悪ロープ"を異空間収納から取り出し、最後に手掛けた者の手を後ろで縛る。
一連の俺の行動中に、エリーザとミーナも近くに来ていた。
「エリーザ!昨日の呪いのロープはもう無いのか?」
「呪いのロープですか・・・」
「ああ!昨晩俺を縛ったこれと同じロープ」
一瞬戸惑うエリーザに代わりミーナが答える・・・
「い~っぱい有るよ?ただの荷造りロープだもん。後はそれにお姉~ちゃんがバインドのま・・・フガフガ・・・」
ハッとしてミーナの口をふさぐエリーザだが既に遅い。
真実を知り、複雑な思いでミーナから受け取ったロープで残った2人も縛った。




