凄い慌てようだった。
実のところ、2人のやり取りの最中も縄脱けを頑張ってみたんだけど、やはりダメの2字。
流石に諦めた。
力を無理やり無理な体勢でかけ続けた結果、元々有った眠気に拍車がかかる。
「・・・もう降参だ。俺は寝る!寝てやる~!!」
フラフラと畳敷きされた部分の中央に進んで、ゴロンと横たわった。
「悪いけど、エリーザ。ランタンの灯を消して。今の俺に出来んから。ランタン本体の下の方にスイッチがあるからパチンってすれば段々消えてく、頼むね。ってかやってくれ!こうなった理由は2人のせいなんだかんな」
「はいはい。チャンとやりますよ。では私達も寝ましょうかね?ミーナ」
「は~い。ねんねするのです」
ランタンの灯を消して廻るエリーザ。
直ぐにやり方が解ったらしく、次々とスイッチを切っていき、最後の一個を切り終えた後、俺の元に近づく。
「・・・引っ掛かりましたね」
と意味不明な言葉と共に、俺の額に口を付けた後、少し離れた位置で横たわった。
その後直ぐにミーナも俺に近づくと、額に口付けし、俺とエリーザの間に横たわる。
そのまま2人を見ていたら、お互いの額に口付けした後「お休みなさい」と言葉をかけ合って眠りについていった様だ。
これはこの世界での"お休み"の挨拶なのだろうか?と考えていたが、ランタンの灯が段々弱まり、真っ暗になった為、俺は知らず知らずの間に眠りに落ちた。
・・・思い返してみたが、俺の記憶に2人が着替えを行う様なそれらしき素振りが見当たらない。
やっぱり寝間着に着替えたのは、俺が完落ちした後か?そもそも生着替えなんて、俺が見過ごす訳無いから。
悶々としているとミーナが起きた。
「ふあぁぁ~。おにゅ~ちゃん、おはにょうなのれす」
寝起きで呂律が回らない彼女は、フードをバサッとはねのけながら体を起こす。
髪が所々クルンクルンしているが、気にしていない様子だ。
「おはようミーナ。エリーザも起こしてくれるかな?」
「は~いなのです」
ピョコンと飛び起きて、エリーザをゆさゆさと揺すりだす。
「エーザねえね~!あ・さ・ですよ~。おっきしてく~ださい」
ゆさゆさ・・・ゆさゆさゆさゆさ・・・ゆさゆさゆさゆさゆさゆさ・・・揺すり始めたころは、ゆったり揺らしていたのに、今は小刻みにかなりのテンポで揺すっている。
「うう・・・ミーナ・・・もう少し寝かせて・・・」
小さな声で懇願するところをみるとエリーザは朝がかなり弱いのだろう。
「ダメ~早くおっきしないとエーザねえねの内緒で秘密、お兄~ちゃんに教えちゃうぞ~」
エリーザはその言葉にガバッっと体を起こし、真っ赤な顔でミーナの口を両手でふさぐ。
「ミーナ、それは言わないお約束だったでしょ!」
凄い慌てようだった。




