絶対使用しない事。
俺自身が使用する為だけの物であれば、自分の魔力で生成することは、いくらでも可能だが"使用する人を限定しない"このリストバンドは、大量の魔粒子を必要とする。
そもそも異空間収納が有るから俺に必要無いのだけどね。
生成過程は以外とシンプルなのだが・・・
誰隔てなく与えられている大気を圧縮して、リストバンドと連動処理する事で完成する。
ただし大気を圧縮する際、異空間を生成出来るだけの魔粒子を内包させておかなければならない。
したがって、あの世界に比べ大気中の魔粒子含有量が1/100のこの世界で生成する為には、あの世界の100倍の大気が必要となり、それをリストバンドの大きさ迄に圧縮する事は"女神の加護"で全能力が上がっている今の俺のステータスを持ってしても無理だ。
つまり、2度と生成出来ない。
この2つを渡しても、まだ3個のストックはあるのだが、逆に言えば、たった3個しかないのよ。
それは破損または消失、盗難にあっても、次から次へとホイホイ渡せない事を意味する。
スリーマンセルでの長旅において、物質運搬がいかに重要かは俺にでも簡単に予想がつく。
また、この世界においての収納魔法が貴重である事も把握している。
2人共その事は重々承知のはずだが、このリストバンドを渡す際に念押しの意味を込め注意を促すことにする。
ついでだが、さっき迄はジャレ事だった。
ああは言ったものの、エリーザもミーナも心からは俺を軽蔑している訳では無いらしい。
事の終わり際、ミーナには"エッチさんは女の子に嫌われます。ミーナはエッチくてヘンテコなお兄ち~ゃんでも大好きですけど、きっときっと他の人は違うと思うのですよ?"と小ダメージを。
エリーザからは"タイチさんは年頃の男性ですから、ある程度は目を瞑ろうとは思いますけど、度が過ぎるのは看過出来ませんし、何より隠しすけべさんはもっての他です"と中ダメージをもらう。
最後は2人同時攻撃で"自分が(お兄~ちゃんは)スケベさんだと自覚して下さい(自覚しよ~)そうでないと私達、本当に嫌っちゃいます"と最大ダメージを得て終了です。
その後、2人してケラケラと甲高い声を上げつつ笑っていたが、俺の方は回復魔法で状態異常回復を施しても直ぐには復帰出来なかった。
そんな事が有った後、各々は返された防具を丹念に確認している。
そして、状態回復が完了した俺は、さっきの思考へと頭を切り替える事が出来た訳だ。
「エリーザ、ミーナ。チョッと良いかい?真面目な話だ」
双方を畳の部分に呼び座らせる。もちろんエリーザの下着を覗き見るために座らせた訳では断じてない。
「2人にこれを渡すけど、俺達以外の人目が在る処では絶対使用しない事」




