取り出しておく。
運が良い事に、ラッシグリエの集団が来た方向に大きな横穴の開いた大岩が有った。
人工的に開けられた空洞部分は、高さが2㍍程で横巾が3㍍位、奥行きは6㍍位の袋小路に成っている。
冒険者が何かのクエストで夜営地として作ったのかな?
空洞部の入り口から1㍍位入ったところには、暖をとったのてあろう薪と炭状の燃えかすがある。
かなりの年月が経っているらしく、風化は激しかった。
「エリーザ、ここはどうだろうか?」
俺の一存で決定してはいけないと思い声をかける。
「良いと思いますよ。と言うより、ここ以上は無いでしょうね。三方が囲われていて外敵からの心配は入り口のところのみですし、それさえもさほど大きな開口では有りませんから、見張りをするにも助かります」
エリーザの言う通り、これ程までに条件の良い場が見付かったのは奇跡に近い偶然なのだ。
だが万が一の事もある。
俺はエリーザが指摘した開口部がどうしても気にるので、後でもう少し開口巾を狭めてく事にした。
それともう一点、ブラドのレベルチェッカーで俺は自分の最大スキルの確認をしていなかった事に気が付いていた。
たぶんこの世界においては錬金術という概念が無いから製造士と記載されたのだろう。
「少し驚くかもしれないけど、今からやることは誰にも言わないでね」
念のために口止めを促す。
「タイチ殿のやることに今さら驚きはしませんよ?何もかもが常軌を異しているのは解っていますから。あ!他言無用は約束します」
淡々とした返答を返してきたエリーザ。
・・・まあ、たしかに~今迄さんざんエリーザの驚き顔は拝んできてるから、彼女の言い分は解るけどさ~。
チョンコロビットでいいから、期待してます的な言い方があっても良いのではないですかね?
違います?
ミーナを見んさいな。
あそこまでとは言いませんけど、言った本人が傷付きますがね。
「秘密は内緒なんですよ。だからミーナは言~わないです」
人差し指のみを縦にし、軽く握った手を口の前に添えるいわゆる“シーのポーズ”を忙しなく左右交互の手を入れ替えつつ、しっぽをピーンと立て、前のめりなミーナ。
クリックリな瞳は、俺の動きをマジマジと見つめている。
豪語した手前恥ずかしいのだが、当面は調査になるため派手さはないし、けっこう地味な作業になる。
恥ずかしく成ったから、別の事をしてもらう。
俺の思いとは違うがミーナは楽しそう。
なぜなら俺はエリーザとミーナに頼んで、この辺りにある石や岩を集めてもらっている。
何かあったら不味いので、ホントこの回りの物ばかりなんだけど、幼いミーナには遊びの様だったのだろう。
俺はその間に、前世で俺が初めて錬成したものを異空間収納から取り出しておく。




