旅に出る事になる。
しかし参った。
奴等を追って消し去る事は出来んし、ミーナとの約束がある為、俺は2度と悪鬼修羅にはなれない。というより、なってはいけない。約束は守らんといけないのだ。
俺の知る前世では“約束は破る為にある”などというのが有ったが、そんなのは世迷い言、俺の辞書には無い。
まあそれはそれとしてだな、まずはこれからの事だ。
ブラドはミーナを集落から連れだそうとしているが、実のところ俺も彼と同じ考えではある。
俺は3人に俺の考えを伝える事にしたのよ、したら以外なことにね、全員の意見がミーナは集落から出るべきとの事に満場一致したのさ。
理由は全員違いまつがね。
俺の考えとは
将来においてミーナが集落の皆から恨まれる環境を未然に防ぎ、双方が良好な状況にする。
エリーザ曰く
ミーナが狙われる理由の情報収集に自分だけが集落を離れては彼女が危険だと判断します。
ミーナの主張
い~ぱいお外の事が知りたいんです。お勉強は死んじゃったお母さんとのお約束なんです。
ブラド言い分
ここにミーナが居続けるのは、彼女にとって良くない。その事だけは間違いがないからな。
ん?ブラドの言い分は解らんぞ?抽象過ぎるし・・・何か隠してる事ぜ~ていあるよな?
問い詰めだが、彼は頑としてその事を口にすることは無かった。
しかし、魔族である彼が、魔族の集落襲撃を懸念してここに戻った事、しかもそれが現実として起こり得た点からも、魔族がらみの何かが在るのだと考えるのは当然ではないだろうか?
彼が話してくれれば、ひょっとしたら状況が変わるかもしれないが、ともあれミーナが集落から出る事には皆が容認しているので、それぞれが旅の支度へと行動を進めることになった。
俺は旅支度もくそも無いから。
エリーザとミーナは各々自分の支度を整える為に寝屋へと戻って行くのを見送った俺はブラドに声をかけられる。
彼もまた支度をするようなものは何も無いのだろう。
当然といえば当然。昔一時ここで生活をしていたとはいえ、今現在この集落で生活をしている訳ではないのだから、ここで身支度するようなものが無いのは俺と同じ。
「まずはどうする?」
「宛の無い旅だし、とりあえず冒険者登録からかな。先立つものもいるだろうから、稼ぎつつって形になるな」
「ならば距離はあるが南の人族の街に向かうと良いだろう。北の街は紛争真っ只中らしい」
「ああ、解った。けど何が原因なんだい?」
「そんなの知るかよ。お前の方こそ同じ人族なんだから解るだろ」
「いやいや・・・知らんがな。まあいいや、それより南の街迄の道案内頼むよ俺は自慢じゃないが方向音痴だからな」
「はっはー、けど残念。俺は一緒に行かないんだ」
俺達は3人で旅に出る事になる。




