遅い気がする。
エリーザが時々おかしな言い回しをしたり、涙もろかったのは、その為だろう・・露出に抵抗感が若干薄い傾向が有ったのは多少淫乱化が起因していた可能性がある。
・・多分ね。
その話をブラドから聞いたエリーザは、少し彼を軽蔑したが事の大きさから、やむえなしとしていた。いや、しようとしていた・・なのに・・
バチーン!!バチバチーン!!!
快音鳴り響く。
ブラドの左右の頬を、右に1つ左に2つ、エリーザ平手打ちが激しい音をたて撃ち抜いた。
根が正直過ぎるブラドは、余計な一言を発してしまったのだ。
状況おさらいスタート!!
「ちぇ~。魔核体じゃなきゃ、このあとで魅了かければエリーザは一生俺の女にできたのに。そしたらば、あんな事こんなこ・・」
言った後で自分のミスに気が付き、ギギギと首を回し周りを見わたしたブラドは顔面蒼白。
俺たちの話を遠巻きで聞いていた集落の若い女性陣は、はじめ彼を英雄を見るような熱い視線を向けていたが、あの一言で一気に冷めきった目に変わり、エリーザに至っては目がつり上がり口角は上がり鬼の形相。
ミーナは食事終わりの冷たい水の入ったコップを両手で持ち、コクコクっと飲み一言。
「に~には女の子の敵さんなんです。仕方無いんです」
真っ正面を見ながらエリーザがとろうとした行動を容認する。その姿、我が子が嫁に怒られる事を認めた姑のよう。
そしてそのミーナの一言は、ブラドへ銃口を向けているエリーザへの行動許可トリガーを引いた。
って感じだった。
俺は額を右手で覆い彼をあわれむ・・御愁傷様。
俺は知っている。彼女のあれはスキルに迄も影響を与える特別製、それを3発ももらっては彼の行く末のほうが心配だ。
そして、
「クスクス。に~にはあの頃と変わらないです。またエーザね~ねを怒らせてます」
ミーナの言葉に周りから”ぶふぁ”っと笑いがこぼれる。
集落全体が襲撃を受けた時の殺伐とした空気から解放され、心から安堵に包まれているのが解る。
解ってしまうが・・イジイジイジ。
俺だけ蚊帳の外じゃん。だってさ~そん時の事なんて知らないし~みんな楽しそう~でなんだか・・俺っち惨めちゃん。
と心で思うも、実際の本心としては俺も和やかなこの感じを嬉しく思う。こういう環境で人生と言うものをまっとうしたいのだ。
だけど、このままミーナがここに居続ける事は困難である事に俺は気付いている。
ブラドは詳しくは語らなかったが、襲撃は間違いなくミーナを狙ってのもの。
つまりミーナがこの集落に居続ける限り、何度でも襲撃される可能性は極めて高い。
はじめは皆も協力的だろうが、いずれ限界がくる。その時、今のままの和やかな環境でいられるだろうか?
でもその時では遅い気がする。




