自業自得だ。
「おー。このご飯とやらはなかなかにしてどうして!」
魔核生命維持に切り替わったブラドは、食事を摂る必要は無いのだが、皆と一緒に食事をしている。
「カップ麺とは・・・ズズズ・・実に食べやすく・・・モグモグ・・・複雑に味がからみ・・・ゴクン・・・旨い」
そうでしょ~
異世界文化に感心なのはいいが、口に入れながらしゃべるのは辞めてほしい・・・聞き取れんわ!
俺は食事をとりながらの会話は好きだが、口にものを入れながら喋ることを容認してはいないぞ。
「お兄~ちゃん。これも美味しいよ!」
ミーナは俺の横を陣取り、集落が用意してくれた燻製肉のスライスを奨めながらワッキャワッキャとたのしそうに食べている。
「あ!本当だ。じゃあお礼に、これをかけたのを食べてごらん。ご飯の味が変わる魔法の粉なんだよ」
そう言って異空間収納からふりかけを取り出してかけてあげる。
「!?これ、すっご~く美味しい!!お兄~ちゃん!すごいすごい!」
大絶賛だった。耳がピーンと直立し、しっぽはブファ~と膨らみ興奮を隠しきれない様子で喜んで食べている。
その後、ミーナに近い年月の子たちにも廻るよう、追加で異空間収納から取り出した。
だが子供に食べさせる為に少し口にした成人女性の方々からも高い評価を受け、他の人達用にも次々と出す羽目になってしまった。
ちなみに、箸の文化を持たないこの世界において、使いこなせるか疑問も有ったが、順応性が高く上手く使いこなす者が多かった。
もっとも、多いというだけで皆が一様に使いこなせる訳ではなく、上手く使うことが出来ない者にはフォークを貸し出した。
エリーザちんみたく。
周りがどんどん食事が進む中、涙目で“ムー“とうなり声をあげながら、ミーナのレクチャーを受けつつ箸使いを頑張っていたが、一向に上達しないのでフォークを出してあげたのさ。
その直後から目の輝きは強く光を取り戻し、一瞬の間にあるものを完食させる。
それはもちろん燻製肉のスライス。別名“生ハム先生“だ。
なんやかんや有りながらも楽しい食事が終盤に差し掛かった頃、俺は疑問を口にした。
「エリーザ?話では集落が壊滅されたって事だったよな?」
「ええ・・・はい。私は皆が襲われている所を・・・見ていたような・・・いないような・・・」
「ちょっ・・・それどういう意味?自分の記憶でしょ。なんで曖昧なの」
「そう言われましても・・・確かにその場にいたはずなのに、その時に何をしていたとか、どう動いたのかといった自分のとった行動の事がまったく思い出せないんです」
俺と困惑するエリーザにブラドが事の真相を語る。
その事を語る中、ブラドはエリーザ平手打ちを貰う事になるのだが、それは自業自得だ。




