俺は、俺でいたい
そう、ブラドだ。イケ面モテ顔の魔族人ブラドは生き返ったのではなく生きていた。
マジか!
正確には魔核という核が彼を動かしているだけで、以前の様な能力値はないし、まして生きられる時間はさほどでないらしい。
魔核を持つのは魔族だけで、彼らは体内にそれを1、2個宿していて、そこに魔力を蓄える事で心臓と同じ役割を持たせることが出来るという。
純粋な魔族や優合種であれば普段の生活を魔核で過ごせるし、本来の命の部分から魔力供給出来るので長命なのだ。
だが核をベースに生きている場合は子孫を残すことは出来ず、また、1度魔核生命を発動させれば、魔核が裂傷するまで命の維持方法は変えられないらしい。
それらの事は有るにせよ、1人が複数の命を有する事になるので、多生命種とも呼ばれているとな。
まあ、ゲームの魔王も復活タイプで復活すれば強くなるから、これに似たものなのかな?と自分をうなずけた。
しかしブラドは劣合種で、魔核へ供給し続けるだけの莫大な魔力を持っていなかった為、普段の生活部分を魔核に委ねる事ができず、本来の命の部分で生活をしていた。
だがそれは、つい先程ついえている。集落の皆を庇い、俺達によって出来た隙をつかれ殺されたのは事実だからだ。
ちなみに奴も魔族だった。しかも優合種。
エリーザ平手打ちの後、再び奴を見たらムクムクと再生していき元の姿に戻った。
だが俺を目に留めた瞬間、真っ青な顔で逃げていった。
奴のその時の基本能力値は魔核で生命維持してた時より高いはずだが、それをも俺は凌駕していたらしく、恐怖という名のトラウマを植え付けていたようだ。
そのあと俺はブラドに目を向けたが、彼は再生していなかった。
エリーザの話しと、俺がここに着いたときの彼のイメージに食い違いが有ったが、集落の皆を守りミーナやエリーザを気遣う彼が悪い奴にはどうしても見えず、傷付ききった体のまま弔うのも不憫に思えた為、彼に回復魔法をかけた。
・・・生き返った。いや、しつこいようだが生きていた。
魔族の事を知らなかった俺が、彼に回復魔法を使用していなければ、生きたまま弔い殺していた可能性が高い。
だが彼は言う。
劣合種である彼が魔核での生命維持へと切り替えるには、本来の命を消す前に、全魔力と本来の生命力を全て魔核へ入れ込まなくてはならなかった。
つまり魔力分だけ延長出来る程度だったという。
だが俺の回復魔法によって彼の魔核へ魔力が流れ込み、本来以上の生命力を生み出した。
だったら、俺が魔力提供し続ければ生き永らえれるのでは?と思ったが、それだといずれ彼が俺に成ってしまうらしい。
魔核へ魔力を送る者の影響を受ける為だ。
「心から感謝してるが、俺は俺でいたい」




