俺を睨む
ん~とだね~エリーザっちの事は、チョンコロビット解つたんどけどもがね・・・翼戻って飛べるようになったんと、義理堅い性格なのかな~ってな事ぐらいで、それと移動日数稼げることがナゼに繋がるんでつか?
・・・っととと、また話はじめたぞ。
「ここから東に私達の集落が有ります」
ふむふむ。
「そして、ここから北に私達が逃げてきた街が有ります」
ほうほう。
「集落と街はわりと平坦な草原地帯で繋がっていて、4日もあれば移動できますが、野獣の宝庫でもあり、移動ルートに使う人は少ないんです」
うんうん。
「その為、回り道になりますが、野獣の少ないこちらのルートを選ぶのですけど、途中に大きな谷があって必然的に時間がかかります」
なるほどなるほど。
「飛べるようになった私なら、そこで時間をとられる事はないでしょう」
あ~そういう事ですか。だがそうなると、集落と街は平面的には近接しているという事・・・だよな。
「エリーザ?1つ確認したいが、飛べる種族は龍属だけかい?」
「いえ、人族と獣族以外は飛べる者は多いはずです」
「そうなんだ・・・」
俺は、そこで話を終らせ考える。
邪推な考察で済めば良いが、俺はエリーザ達の集落を壊滅へと導いた原因には、内通者がいると踏んでいる。
そして今の話を聞いた限り多分、飛行可能な者。
地上移動では多大な日数を要するものを大幅に省略できるわけだから、情報を相手に提供する者としては最も効率がいい能力だ。
「・・・エリーザ?集落には、今、誰も居ないのかい?」
「・・・ええ・・・だれも・・・」
しまった。
義理堅い性格な彼女だからこそ、少なからず俺に恩を感じて答えてくれたのだろうが、その言葉は切れ切れで“かろうじて発せれた“との表現になるような声だった。
俺にとっては他人事だから軽い気持ちで聞いてしまったが、彼女にしてみれば胸をえぐられる質問だったはず。
こんなとき女性付き合いの経験が無い俺では、気の効いた聞き方が思いつかないのが恨めしく思う。
男になら良いという問題ではないが、男同士での場合は、気を効かせて遠回りな聞き方をすると、かえって嫌われるケースが多い。
だからと言って全ての男に当てはまる訳ではなく、“ケースが多い“ってだけだが・・・
失敗を悔やんでも仕方ない。
彼女には嫌われるだろうが、発してしまった言葉は戻せないのだから、自分が考えていた事を包み隠さず伝えた方が良い気がする。
不信を抱かせたまま、次の行動へと進める事は俺には出来ない。
「酷な話だとは思うし、俺を嫌ってくれても構わない。それに、想像でしかないが、今おかれている状況を作ったのは君達の集落のなかの誰かが原因だと俺は思っている」
エリーザの瞳が俺を睨む。




