レベル足りてね~
実のとこ「知識を得た」と大手を振れる程大した話では無く、当たり障りのものだった。
「私の今の状態で、人族の成人の者と同能力、冒険者ランクで言えばFクラスでしょうか?、多分、冒険者登録したてぐらいだと思います」
「冒険者登録?一般成人ぐらい?」
俺がかつて経験した世界では、冒険者として登録する為に必要とされる能力は非常に高く、一般成人の能力程度では登録場の扉すら開けてもらえない程の規制が有った。
したがって、その登録は俺の憧れだったんだ。
だからかな?
今の話、非常に興味津々だ。
つうか、あの世界での死はその認定を受ける為に街へ向かう途中だった訳やし・・・
その頃の事を思いだしていた俺に彼女が口を挟む。
「一般成人者の能力というよりレベル査定ですね。5レベルあればFランク、これはレベルさえ達していれば幼い子であっても取得可能で、次がE、概ね15レベルぐらいでしょうか。そしてクエストポイントにもよりますが、だいたい30レベルぐらいでDランクになる方が多いようです。そこからは高難易度クエストの達成内容や状況によってC、B、Aとランク付けされています」
「ちなみに、冒険者になる者の比率と、ランク別の比率はわかるか?」
「比率ですか・・・冒険者には30%ぐらいの人が登録している思います。ランク別では、Dランクまでが80%、Cが12%、Bが6%、Aが2%でしょうか」
聞いた割合で言えば、この世界では、けっこう多くの人が冒険者ということになるみたいだ。
冒険者以外の人達のことも気になるが、状況から見て、俺はそちらを目指すのは厳しいだろう。
方向性は決まったな。
まずは冒険者登録。
そして、クエストを受注しながらランクをDぐらいまでに。
あとは、無理なく目立たないように生活すればいい。
きっとそれで、俺は人生を謳歌できる・・・気がする。
そうと決まれば行動に移すことにしよう。
「ところで登録する・・・・」
言いかけたところで、彼女が声を被せた。
「私は案内しませんよ?たぶん、冒険者ギルドへ連れてって的な事を考えてみえる様ですが、私は街から逃げてきたんです。行けません」
いや、良く解ってらっしゃる。
言いたい事ズバリだ。
しかし気になるのは、街から逃げてきたという点。
人に言えない理由でも有るのだろうか?
「解った。案内しろとは言わない。自分で行くが、そのギルドとやら迄の距離と方向・・・」
言いかけて気付く。
「あ!俺、レベル足りてね~」




