強いの?
目の前の物体・・・
いやさ、生物は、数多くの物語りに書き表されるドラゴンそのものなんなよ。
して、目の前に、これが存在するなると・・・
ここってばファンタジーな世界なん?
出来れば、そうで無いでほしいと願っていたのに、ほぼほぼ決定付けられてしまった。
無難に過ごしつつ、人生をまっとうするつもりだった俺にとって最悪な現実。
それが理解出来てしまった。
やるせない気持ちが高まり、イラつきは目を鋭くさせる。
ため息が漏れ、同時に毒づいた声もこぼれる。
「ったく。なんなだってんだ・・・」
ビック!!
目の前の生物は警戒感を示す。
俺はそれに気付か無かったけどね。
だって、自分の事で精一杯だったもん。
・・・まあ、仕方がない。
とりまえずは情報収集が先決だ。
ちーとばかし、調査してみるかね?
イラ付くけど、出来る限り平常心を保とう。
初見こそはびっくりしてパニックを起こしたけど、俺の魔法は、奴の咆哮に有効らしいしね。
じとー。
ん?
奴の身体、ズタボロ傷だらけやないかい。
右の翼はちぎられた様やし。
尾に至っては食いちぎられたみたいだよな~
そしてなにより、まじまじ眺めてる間、ヤツは身体を大きく揺らし、重々しい呼吸をしていた。
人で言うところの肩で息する状態ってのなんやろう。
何かに敗れ満身創痍?
今すぐここを立ち去る選択肢も有る。
だけどが、奴は、言葉を発する事が出来る。
つう事は、それなりに知能が高いんやろう。
よし!
決めた!
俺は【身体強化】を使い、さらに能力値を底上げしつつ、いざとなれば全力で逃げる事を視野に入れながらも、目の前の生物に話しかけた。
「俺がここに来たのはたまたまだ。昨晩、ここで寝てたつもりなのに、目覚めたら下にいた。次の目的地を決める為、見晴らしの良さそうなここに再び登って来たってのがここにいる理由だ」
一応、最初に聞かれた事に返答したつもり。
その上で、奴は、俺を人族離れした者の様な訴えをしてたから、そこを少し強調してやる。
わざと足に力を入れ、ドスドスと近付く。
はにゃれ?
俺の後の岩が盛大な音をたて、ボロボロと崩れる。
・・・チョッち待てって。
内心びっくししながらも、表情には出さないよう勤め、当然な顔で足を進める。
対して奴の顔は次第に硬直してく。
少し前まで、ヤツの目には怒りが宿っていた。
ところがドッコイ。
今は、それが全く無い。
てか、絶望感駄々もれ。
人にあまり無いと言われてる動物の直感?
ってことは・・・
俺、奴より強いの?




