持久走
主人公→平井菜緒
友人→桐田早苗 大松絵里 山本美羽
担任→江口香織先生 数学→中口正人先生 体育→高島湖鈴先生
養護教諭→飯原智子先生
中学2年3組平井菜緒。ごく普通の女子。
今日は体育で持久走がある。持久走が好きな菜緒にとっては嬉しかった。
けど今日の菜緒は顔色が悪く、元気がなかった。
1時間目は数学。
「菜緒ちゃんしんどそう…大丈夫?」
普段は話さない絵里ちゃんが話しかけてきた。
「ちょっとしんどいだけだから!大丈夫!」
そう言って誤魔化した。
数学も終わり次は体育。
体調は悪くなる一方。
着替えてると早苗が言った。
「菜緒しんどそうだけど体育やるの?」
「やるよー!!」
今日という日に限って寒い。気温は8度。
準備体操が終わりいよいよ持久走。
今日は1500m走。グラウンド1周300mなので5周走る。
ペアの早苗に前半に走ってもらって菜緒は後半に走ることにした。
早苗は6分29秒でゴール。
いよいよ後半。
高島先生の笛の合図と同時にスタート。
3周目が終わって4周目に入った。
吐き気がする。けどここまできたから最後まで走ると決めた。
ストップウォッチを片手に高島先生が言った。
「平井さん大丈夫かな?」
早苗や美羽が
「絶対、菜緒大丈夫じゃないよね……」
そう言った。
菜緒は4週目が終わってラスト1週。
20mくらい走ったところで菜緒は口を押さえた。菜緒の手からドボドボと液体が落ちてくる。
早苗が言った。
「菜緒、吐いてる!?」
みんなビックリしたけど菜緒は走り続けた。
菜緒は6分13秒でゴール。本調子じゃなかったので前より遅くなった。
ゴールした瞬間、菜緒は座り込んだ。
早苗が菜緒の方に行って声をかけた。
「大丈夫?吐きそう?」
菜緒はうなずいて吐きそうだけど全部押し込んでいた。
高島先生は美羽にストップウォッチを頼んで菜緒の方に来た。
背中をさすりながら
「全部吐いていいよ」
と言った。
菜緒は背中をさすられて我慢できなくなり全て戻してしまった。
大量に吐いてしまったせいで体操服もゲロでドロドロ。地面にも大量のゲロが。
授業はすぐに終わって高島先生は着替え終わった菜緒を保健室に連れて行く。
フラフラの菜緒は歩くのもやっとの状態。
保健室は二階。
階段を2段くらい上がると菜緒は気を失って倒れた。
若く体力のある高島先生は倒れた菜緒を抱えて保健室に行った。
菜緒が目を覚ますと目の前に飯原先生と江口先生がいた。
「大丈夫?」
「あっ…はい……」
菜緒が口を押さえながらまた吐いた。
江口先生は菜緒の背中をさすって飯原先生は袋を持ってきた。
落ち着いて飯原先生は菜緒を寝かせて江口先生は職員室に戻った。
その日、菜緒は早退した。