私の話
この話ではリリが主役になります
私はカリンちゃんに全てを話した、いいえ、全てを話さなければいけない。
私の生い立ちを全て。
私は猫、名も無き猫だった、生きていた頃はそれなりに強くボス猫のメスとして立っていた、数年も経てば子猫も生まれて家族としては普通に過ごしていた。
そんなある日、ボス猫だった夫は死に、子猫もこの過酷な環境に付いていけずに死んでしまった、私が1匹となると他の猫達は態度を変えて、私を襲うようになった。
幸せだったあの瞬間を壊され、孤独にしていた私は倒れてしまった、そこで私は死を感じた。
しかし、いつまでも来ない死に私は起き上がると1人の人間が私を介抱していた。
流石に成長していた私には恩義を感じなかった、でもこの人間は私を治してくれた、顔は覚えていない、けれど印象的だったのは優しい声だった。
そんな声に私は、安心した。
治った私は、路地裏に返された、不思議と捨てられた感じには見えない、どうやらそのままこの場所で生かしてくれるようだ、私はもう1度助けた人間を見てから走り去った。
その後、脇見運転していたトラックに跳ねられて、死んでしまった。
死後の世界、私は遠い意識のなか目を覚ました。
『お目覚めかい?』
緑に包まれた人間に私は驚いた、というより生きてる感覚がある、これはどういうことなのか、私には分からなかった。
『獣族の人間なんて、初めてだな』
人間⋯⋯?私が?
『え、そうでしょう?』
ふと、私は下を向いた、人の手に私は驚愕していた、何故私が人間にと悩んでいた。
『うーん、記憶が混乱してるようだ』
それは、私にも分かっている、でも抓っても引っ掻いてもこれが現実なのは変わらない。
『困ったな、魔法教室出来ないや』
それから私は一から人間を知った、エッダマーメと名乗る人間に私は困惑しながらも真面目に聞いた。
その後、ある程度身にしみた私は彼の弟子にあたるヤーキソベの紹介され、私は一時的に彼の弟子になった。
そして、カリンちゃんにで会った。
彼女からは最初、首輪に気づいてくれた、エッダマーメ先生や弟子のヤーキソベにも見えなかった、もしかしたら私に何らかの示しかもしれないと思い近づいた。
予感は当たり、私に対する問いかけが、あの時助けてくれた、あの人間に似ていたからだ。
でも、あれは確か男だった気がする。
だから私はこの事をカリンちゃんに話をして、真偽を確かめる。
「私が何者なのか、気にならない?」
私はカリンちゃんにそう問いかけた、もしあの人なら聞きたいはずだと。
次で終わらす予定。