独自魔法 〜ヤーキソベの場合〜
リリの意外な魔法に先生を含めて私も驚いてしまった、見た目や声質も変えられる魔法が存在するとはと最初にも言ったけど、意外であった。
「カリン、いい匂い」
「あはは⋯⋯。」
そして、リリに懐かれました、昔から私はというかまだ俺だった頃に動物好きでネコを拾った事はあった、でも家庭の事情もありきで野生に返した。
あのネコはリリみたいに垂れ耳で⋯⋯垂れ耳?
「出来た!」
するとヤーキソベ君が、大きな声を荒げた、突然のことにリリはビクッと驚いた、うん、可愛い。
「行きます!」
ヤーキソベ君は集中しだした、彼もリリみたい落ち着き左手を前に出した、彼は左利きなのかな?
「『我、火を求とれり、我、雷を求とれり、二つ合わさり、混合魔法!』」
「『フレイムエンドサンダー!』」
おおっ、混合魔法か、二重以上の属性を持つ者にしか扱えない魔法だが、ヤキソーベ君は二重持ちだったのか。
「エンドってまさか!?」
エッダマーメ先生が何かに気がついたようだ、エンドって言ってもANDをエンドと言うが、あれ?
「終わりのエンドか!」
私もそれに気づき、いつぞやで見た自爆魔法を思い出した、これはまずいと思ったが。
「『魔法の力を無くせ!』」
「『無効化!』」
ヤーキソベ君の混合魔法はエッダマーメ先生の魔法により打ち消され消滅した。
「ヤーキソベ君!」
「は、はい」
先生はヤーキソベ君を叱っていた、それは当然だろう、もし発動されたらいくら先生の結界でも守りきれない、そのような説教をしてる。
「カリンちゃん、私、あの魔法、綺麗だった。」
「魅せる意味では、ね」
あれは魅せる魔法としては、綺麗で素晴らしいけれど戦う意味では自分も死ぬと思う。
「カリンちゃんは、どんな魔法?」
「使う機会無くなった」
あの魔法見てから、自分も考え直してしまった、やはり独自魔法は細かに考えよう。
「ねぇ?」
「なに?」
リリは何か思い立ったのか、私の前に立った。
「私が何者なのか、気にならない?」
ペット説は無くしたかった(願望)