独自魔法 〜リリの場合〜
単に授業といっても基礎を学ぶ事では無さそうです、エッダマーメ先生は黒板に『独自魔法』と書いてあり、もしかしなくともオリジナルの魔法を作るのではないかな?
「諸君らは基本的な魔法を熟知しているだろうから、それらを自分自身で作ろうではないか!」
私の予想は的中し、先生監修のもと開発することになりました。
「だから先生は注意してたのか。」
ヤーキソベ君が分かったかのように話した、確かに開発途中で怪我をするかもしれない、枯渇するかもしれないと先に注意していたのね。
軽い先生だと思ったけれど、意外と優しい先生ね。
「そうだぞ。」
胸を突き出し、エッヘンと先生は誇っていた、私は苦笑いしながら作りたい魔法をイメージすることにした。
しばらくして何となくイメージ出来た頃に、私は肩を叩かれた、どうやらリリも魔法を作ったらしい。
「見てて」
「分かったわ」
私がそう言うと少し距離を置いて、私から離れた、そしてリリは呪文を唱える。
「我が姿を変えよ、ダークチェンジ!」
リリの周りは暗くなり、真っ黒な球体が現れた、この球体はリリを包み込むように丸くなり、その球体はしばらくするとさらに巨大になり割れた。
そこから現れたのはリリではなく、別の誰かになっていた。
「ピース」
しっかりとした男の声、リリの着ていたあのワンピースではなくエッダマーメ先生と同じローブになっていた、しかし色は黒であるが。
「成功、私、天才」
「リリ、なのか?」
私は半信半疑だった、確かにこの魔法はリリが発動させた、我が姿をと唱えていたから外見は変わるだろうと少しは思っているが、これは本当にリリなのか?
「ちょっ、癒しだったリリちゃんがぁ!」
先生が嘆き悲しんでいた、ていうか癒しって私もそう思ったけども!
「や、先生の視線嫌い、カリン、優しい」
「ノオオオオオオン!!!!」
リリが私に抱きついてきた、しかし先生よ、その悲しさには同情します。
でもそれはそれ、これはこれ、というか男のまま抱きつくな。
「リリなのは分かったから、戻りましょうね?」
「うん」
またリリは私から離れて魔法を放った、実際何が起こるか分からないので人の近くで魔法は放たないでね!
「我が姿を元に戻れ、リセット!」
今度は光り輝き、元に戻った、そしてリリは私に抱きついた、愛いやつめ。
「何故だーーー!」
こうして不憫な先生をただ眺めるしかなかったのだ。
ヤーキソベ君はまだ悩み中。