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僕は。
僕は今生きています。
地上なのか空なのかわからないここで
僕は今、生きています。
ねぇ、キミ。
風が僕の背中を押すように吹いています。
キミが最後に見た景色も、こんなに青く澄んだ空の下で
見るなんの特徴もないビルだらけの街だったんでしょうか。
明日こそ死のう。
これが僕の口癖になってしまいました。
ここに来るとキミが隣にいるとさえ思えます。
おかしいですね。キミはもういないというのに。
今年も僕の家の近くで花火大会をするらしいです。
白い生地に鮮やかなピンク色の浴衣に身を包み
赤いトンボ玉が付いた簪で髪をまとめるキミの姿を
もう二度と見ることが出来ないのですね。
キミを失ってしまった今、僕に生きる意味はありません。
こんなにも人を好きになれるのかと思うほど
僕はキミを深く愛してしまったようなのです。
僕は生きています。僕は生きています。
明日こそは、いいえ、今日こそ
僕はキミのところに行くのです。