風邪気味の日(詩)
足下を狂わせ
転げ落ちた
ゴミ箱を破壊し
頭にトマトの汁をかぶった
ろくでもない一日のスタート
エアコンの熱が暑い
テレビをつければ
鶴太郎が捜査をしている
呆とした頭を切り換えるには
赤ワインのキャップをはずす
夢遊の中へ足を踏み込む
尊敬する作家がどこか遠くを見つめている
部屋の片付けでもしようか
もう一杯飲めば
もっとマシなことが浮かんでくる
キンタ・ラス・カブラス
雨が止んだ
オーディオ・プレイヤーの充電が終わった
夢のごとき音楽のもとへ
猿がどうかしたって歌
ぶっ叩け
おれには詩にするものがない
自虐的な世界ならたくさんある
薬を十錠も飲み続けて
治らない自虐が
親父の前歯が抜けた
着実に何かが終わろうとしている