魔法の森
再び周囲を捜索するというにとりと別れ、二人は博麗神社に戻ってきた。
「――巫女はまだ戻ってきてないみたいね」
「ここで待たせてもらいましょう。少し疲れましたし」
「そうね」
しかし、いくら待っても霊夢が戻ってくる様子はない。
「いくらなんでも遅すぎじゃない?」
「あの巫女と魔法使いなら心配はいらないと思いますが――気になりますね」
「魔法の森ならそんなに遠くないわ。行ってみましょうか」
「えぇ、ですがその人形遣いの家がわかりませんよ?」
「確かにあそこは広いからね。そういえばにとりが森の入り口に店があるって言ってたわ。そこの人なら知っているかも」
「待ってるだけというのもつらいですからね。行ってみますか」
二人は魔法の森へと急いだ。
薄暗い魔法の森の入り口に、古い建物が見えた。
「店?」
「のようですが?」
「他に建物も見えないし、にとりが言っていたお店ってここかしら」
二人は『香霖堂』と書かれた店のドア恐る恐るを開ける。
「おや、お客さんとは珍しい」
ガラクタがごちゃごちゃと散らかっている店の奥に、店主と思わしき眼鏡の男が声をかけてきた。
「ここは一体?」
「道具屋だけど――この店に買い物に来たわけじゃないのか?」
「申し訳ないけど買い物じゃないの。聞きたいことがあって。この森にある人形遣いの家を知らないかしら」
「人形遣い――あぁ、たしかアリスさんって人の家だね。それならこの森をもっと奥へ奥へ進んでいけばいいはずだ。なんだい? 君達もクッキーをもらいに行くのかい?」
「クッキー?」
「あぁ、朝早くに魔理沙がここに顔を出してね。アリスさんがクッキーをご馳走してくれるって上機嫌だったから」
「それが大変なことになってるみたいで」
「まさか最近噂の化け物関係かい?」
「えぇ。おそらく」
「そうか。それじゃあこの店で買い物をしていくといい。最近いろんな薬が大量に入荷されてね。それに薬草が異常に取れるだろ? それを魔理沙が持ってきてこれでツケをチャラにしてくれって持ってきてさ」
「準備しておいて困ることはないわね。じゃあ少し買っていきましょう」
「そうですね。何が起こるかわかりませんし」
二人は買い物を済ませると、店を後にした。
「さて、それじゃあ奥へと行きましょうか」
暗く、じめじめとした森を進んでいく。
「やっぱりなんだか気分が良くないわね」
「こういう環境はあまり好きになれません」
「それにしてもキノコが多いわね」
「ん? 今キノコが動いたような――?」
「え?」
衣玖が指差す先、怪しい色のキノコがあった。
「なんか厄い雰囲気がするわ。あのキノコもそしてあの木も」
「えぇ。私たちを騙そうとしても無駄ですよ!」
「こっちから先に仕掛けましょう『大鐘婆の火』!」
くるくると回転する雛を中心に、炎が次々と敵に襲い掛かった。
「ギャアア!」
木やキノコは悲鳴を上げると動かなくなる。
「こんなところにまで霊が」
「奥にある人形使いの人形にまで宿っているのだもの」
「厄介ですね」
「えぇ。とにかく早く進みましょう!」
二人は襲い掛かってくる怪物を蹴散らしながらアリスの家へとたどり着いた。
「ずいぶん綺麗な家ね」
「えぇ。それにしても静かですね」
「そうね。もしかしてもう事は済んでお茶でもしてるのかもしれないわ」
「そんな雰囲気には見えませんが」
「やっぱり? 何か嫌な感じがするのよねこの家」
「とにかく入ってみましょう」
二人はアリスの家のドアをゆっくりと開いた。
「誰っ!?」
「お前ら来たのか? とにかくこっちに早く!」
ドアを開けるなり、アリスと魔理沙が叫ぶ。
「え?」
「いいから!」
二人は訳がわからなかったがすぐに理解した。あちこちに倒れていた人形がこちらに向かってきたからだ。急いでアリスと魔理沙、そして霊夢がいる場所へと急ぐ。二人を追ってきた人形は霊夢達のそばに来るとバチッと音を立て倒れた。
「なるほど。結界を張っているのね」
霊夢は座ったまま、目を閉じ意識を集中しているようだ。
「何でお前らここに?」
「そこの巫女に報告することがあってね。中々帰ってこないから様子を見に来たのよ」
「そっか、お前ら地下に行くとか言ってたな」
「魔理沙、この人誰?」
アリスが魔理沙に小声で尋ねる。
「あぁ、厄神だよ。そこの竜宮の使いと一緒にあの天人を捜してるんだってさ」
「へぇ」
「しかしどうして人形相手にてこずってるんですか? 除霊さえしてしまえばいいのでは?」
「それがさぁ、霊を払ったはずなのに人形が動き続けるんだよ」
「では人形を壊してしまえば?」
「ダメよ! あの人形には爆弾が入っているの。下手に壊したらこの家もろとも大爆発よ」
「だから何で人形に爆弾入れてるんだよ」
魔理沙は半ば呆れているようだ。
「で、手の打ちようがなくてこうしているって訳ね?」
「そうなんだ。でも早く何とかしないと霊夢が――」
「あの、この扉は?」
突然、衣玖がひとつの扉を指差した。
「地下室への扉だけど?」
「ここだけ空気が違うんです」
「空気が? 地下にはマジックアイテムが置いてあったりするからそれなんじゃ?」
「いいえ、違います。ちょっと見に行ってみても?」
「別にかまわないけど?」
「では失礼します」
衣玖はゆっくりと、地下室への扉を開いた。
「え?」
「え?」
「え?」
アリス、魔理沙、そして雛までもが間の抜けた声をあげた。扉の先に地下への階段などなく、カラフルな世界が広がっていたからだ。
「おい! アリス! 何だこの面白そうな空間は! 今まで黙ってただなんて」
「し、知らないわよ! 今日の朝まで地下室への階段があったはずなのに……」
「なんだか厄いわ」
「どうやら動き続ける人形の元凶はこの先のようですね」
「そんな――」
絶句するアリス。雛と衣玖は顔を見合わせると頷いた。
「私たちがこの先へ行ってくるわ」
「待てよ、私も行くぜ!」
「くうっ!?」
霊夢が声をあげた。すると1体の人形がこちらへ飛んできた。
「うわ!」
魔理沙はとっさに箒で人形を叩き落す。
「どうやら私たちは霊夢を見ていたほうがいいみたいだな」
「えぇ。すぐに戻ってきますよ」
「頼んだぜ!」
二人は謎の空間へと入っていった。
香霖堂です。
道具屋さんなのでまんまアイテムなどを売ってくれます。
登場しませんでしたが中には朱鷺子(名無しの本読み妖怪)がいます。
ボスキャラや雑魚キャラがまれに落とすボムのかけらや残機のかけらをくっつけてひとつのアイテムにしてくれます。
東方本編のかけらシステムをRPG用に流用してみました。
ボム=SP全快
残機=戦闘不能回復
魔法の森はかなり迷う設定でした。
マ○オRPGのハ○ちゃんの森みたいな。
決まった道を進まないと元の場所にもどってくるという。
かなりぼんやりとしか教えてくれないこーりんですがRPG内ではちゃんと教えてくれます。
左左まっすぐ右みたいな。
大鐘婆の火 敵全体を攻撃。火属性。
魔法の森
キノコ
ニワトリ(黒)
ミミック 金
迷いの時計ウサギ
マンドラゴラ 木
バジリスク 土
ジュボッコ 木
森の妖精花 木
はぐれ魔道師 日
がモンスターとして登場予定でした。
けっこう体力が多いモンスターがでてきます。