表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

間欠泉地下センター

 雛、衣玖は怪物を倒しつつ、もと来た道を戻って間欠泉地下センターへとやってきた。目の前にある建物の重々しい扉を開く。

「これは……」

「ひどいですね」

 二人とも中を見るのは初めてだったがひどく荒らされている事はよくわかった。傷や壊れた壁や床。ガレキがそこらじゅうに散らばっている。

「ここは大丈夫なようだけど奥に行けば怪物がいるに違いないわ。気を引き締めていかないと」

「総領娘様――――」

 そう呟きながら衣玖が視線を落とす。

「のんびりしていられないわね。急ぎましょう。確かすぐに地底に行けるエレベーなんとかっていう装置があるって聞いたわ。これかしら?」

 雛は奥にあるエレベーターのスイッチを押した。

「あれ?」

 しかし何の反応もない。

「これじゃないのかしら?」

「でも装置のようなものはこれしか見当たりませんよ。もしや故障してしまったのでは?」

「ありえるわね。この荒らされようだもの。仕方ないわね非常階段を使いましょう」

 二人は横にある非常階段へと進んだ。建物内部も入り口と変わらずひどい荒れようだった。


「怪物は一体何の目的でこんなことを?」

「さぁ。ただ暴れているようにしか見えませひゃああっ?!」

 突然、衣玖が悲鳴を上げた。

「どうしたの!?」

「あ、足元っ! 何かが!?」

「大丈夫よ、ネズミだわ――いえ? 様子がおかしいわ!?」

 衣玖の足元にいたネズミの目が怪しく光るとこちらに飛び掛ってきた。

「危ない!」

 雛は急いで手元の札をネズミめがけて投げる。

「チュウウッ!?」

 札にぶつかったネズミは声を上げるとその場に倒れた。ネズミから霊が飛んでいく。

「また霊の仕業?」

「チュチュッ?」

 正気を取り戻したネズミはあっという間にどこかに去っていってしまった。

「あぁ、びっくりしました――しかし意思の弱い動物にも取り憑くなんて」

「この地下は地獄跡ですものね。その地を離れられない霊がまだ彷徨っているはずだわ」

「怪物になる基はたくさんあるってことですね。」


 二人は細心の注意を払いつつ、地下へと進んでいく――と、鋼鉄の建物が急に姿を変えた。壁の土に変わり、そこらじゅうから炎が噴出していた。


「どうやらここから地底みたいね」

「熱いですね。あまり長居したくありません」

「灼熱地獄跡ですもの。それにその意見には賛成。早く行きましょう」

「と言うわけにもいかないようですね」

 二人の行く手を遮るように火の玉と炎をまとったトカゲのようなものが立ちふさがった。炎のトカゲは口を開くと炎を吐き出す。

「あぶないっ!」

「あんなのにあたったらひとたまりもありませんね」

「早く片付けてしまいましょう!」

 そう言って雛は懐から取り出した札を投げつける。が、敵にぶつかる前に燃え尽きてしまい、あまりダメージを与えられていないようだ。

「火……ならばっ! 『光龍の吐息・水』!」

 衣玖が叫ぶと巨大な光が敵に向かって飛んでいく。よく見ると、飛んでいっているのは光をまとった水だった。火は水に弱いらしく、攻撃を受けた火の玉はあっという間に消えてしまった。

「今のは?」

「アレンジを加えてみたんですよ。敵が属性を持っているならこちらも属性をまとわせればいい」

「なるほどね」

「さてもうひとつ! 『龍魚ドリル・風』!」

 衣玖は羽衣を腕にまとわせ、ドリルのようにすると敵に突っ込んでいく、さらに風をまとい力を大きくしていく。強風によって炎は消され、炎のトカゲも消えていった。

「弱い風では火を強くしてしまうけど、強い風は炎をもかき消す。そういうことね」

「えぇ。それに私は風の扱いには慣れていますから」

「こういう戦い方にも慣れてきたわね。さぁ急ぎましょう!」

「はいっ!」


 二人は炎の怪物を蹴散らしながら奥へと進んで行った。

「あ、雛!」

「あら毛玉241号。こんなところにまで?」

(241号? さっきの毛玉とちがう? 見分けがつくのかしら?)

「もちろん! 少し疲れているようだね。秘伝の薬を使って!」

「ありがとう」

「この奥は間欠泉地下センターの最深部、融合炉だよ」

「じゃあこの奥に行けば誰かしらいるのね」

「行ってらっしゃい! 気をつけてね!」

「えぇ!」

 二人は毛玉に別れを告げると最深部へと向かった。

エレベーター使えたらRPGじゃなくなっちゃうので。まぁお約束。


今回の属性で強打などの詳しい状況説明?になってます。

この前に予定していた全員登場RPGでパチュリーがいるんで

属性は月~日。そして衣玖さんとチルノ用に風、雷、氷が追加されました。


折角要所要所に登場する毛玉くんのおはなし。

見た目は白とかピンクとか青とか色が付いてますが。大体一緒。

個人的設定で毛玉は成仏できずに厄を背負ったままの彷徨える魂。

雛に出会い、彼女に救われた魂は毛玉として雛のそばにいるっていうのがあります。

噛み砕くとファンクラブみたいな。

そんな魂がたくさんいるので便宜上○○○号と。

実は私も毛玉だったり。


光龍の吐息 敵単体に攻撃。水、風、日属性の3種。


地下センター

 ネズミ

 イービルアイ

 ほだま 火

 モノハナ 水

 ナイトメア 月

 サラマンダー 火

が敵として登場予定でした。

このあたりから属性持ちがちょいちょい出てきますが、

まだまだ通常でも太刀打ちできるレベルです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ