妖怪の樹海~博麗神社
「はぁ。もういい加減にしてほしいわ」
雛は息をつくとそう呟いた。次々と襲い掛かってくる怪物達。その対処に一苦労していたのだ。
「神社に付くまで余計時間がかかりそうですね」
「そうね。あっ、これは確か」
突然雛は生えている草を摘み始めた。
「どうしたんですか?」
「にとりに教えてもらったのよ。この草は薬草で傷によく効くって。もしものために拾っていったほうがいいでしょう」
「そうですね。しかし一体どうして霊が怪物なんかになってしまったんでしょうか?」
「さぁ。昨日の晩まではこんな怪物見たことなかったわ」
雛は立ち上がるとそう言った。
「謎ばかりですね。それでは行きましょうか」
二人は先を急ぐ。しばらくすると、山の麓、間欠泉地下センターへとたどり着いた。周りの景色と不釣り合いな建物に衣玖は思わず足を止める。
「これは?」
「あぁ。間欠泉地下センターの入り口よ」
「間欠泉地下センター?」
「新しいエネルギーを作る為の施設ってにとりから聞いたんだけど――私も詳しいことはわからないのよね」
「そういえば地底から間欠泉が湧いたという話を総領娘様がしていました。妙にこの話に興味を持っていましたね」
「なるほど。入りたいのは山々だけど普段は関係者以外立ち入り禁止だし、とりあえず先に進みましょうか」
「えぇ……」
衣玖は間欠泉地下センターが気になるのかしばらくその建物を見つめていたが、すぐに歩き始めた。
「ようやく山を抜けたわね。後はこの獣道を進めば神社はすぐよ」
神社へと続く獣道は妖怪の樹海のように昼でも薄暗く不気味な雰囲気をかもし出していた。
「はぁ。山の麓にまで怪物がいるなんて――ほかの場所も心配ですね」
「あまり大きな被害が出なければいいのだけど。そういえば、天子ちゃんが天界から受けた命って一体何かしら?」
「それが――ただの妖怪の私には教えられない特別な任務らしく、誰も教えてくださりませんでした。がそれがなにか?」
「もしかしたらこの怪物の討伐にやってきたのかなって思ったのよ」
「確かに、天界がいち早くこの異変を嗅ぎつけたというのもありますね。ですが――」
「天人が下界の異変に救いの手を出すはずがないのよねぇ」
衣玖の言葉に続けて雛が言う。
「えぇ。そうなんです」
「考えても仕方ないわね。早く獣道を通っ――」
「キェエエー!」
突然、甲高い鳴き声が響いた。
「やはりここにも異形の怪物がいましたか」
腕が翼になった女性型の怪物。それが空から急降下してくる。二人は急いでその場から離れ、戦闘態勢をとった。
「倒してもキリがないわ! うまく逃げつつ戦いましょう!」
「そうですね。おそらく神社まで行けばヤツらも手は出せないでしょうし」
「キエエエ!」
別方向から飛んできた怪物をかわしながらも二人は先を急ぐ。しかし行く手をふさぐように凶暴化した鳥が襲い掛かってきた。あっと今に怪物達に囲まれてしまう。
「離れていてください! 『エレキテルの龍宮』!」
衣玖が叫び、人差し指を真上に突き出しポーズを取る。すると彼女の上空から雷が落ちてきた。衣玖めがけて飛んできた怪物達は落ちてきた雷の餌食になった。
「さぁ! 急ぎましょう!」
「危ない!」
先を急ごうとした衣玖の背後から別の鳥が襲い掛かってきた。雛の悲鳴まじりの声もむなしく、衣玖はまともにダメージを追ってしまう。
「ゆ、油断してしまいましたね」
「まって、すぐに直すから『厄神様のバイオリズム』!」
衣玖の傷が見る見るうちに塞がっていく。
「すみません」
「いいのよ。私はサポート専門なんだから」
「確か神社はこの先です」
「急いだほうがいいみたいね」
雛が振り返ると後方から多くの怪物がこちらへ向かってきているのが見えた。二人は光の差す出口へと急いだ。
最初の最初なんで簡単なダンジョンです。
アイテムとして薬草が取れます。
薬草はHPをちょっと回復っていうありきたりなアレです。
属性について。このゲームには属性がありました。
月火水木金土日風雷氷
強打、弱打、無効、吸収がいろんな関係で成り立ってます。
細かいのは後ほど。
雛は月属性。衣玖さんは風・雷属性です。
エレキテルの龍宮 敵全体を攻撃。雷属性。
厄神様のバイオリズム 味方一人のHPを回復。
山道
スライム
ゴブリン(青)
コウモリ
獣道
鳥(赤)
ニワトリ
ハーピー(赤)風
ケサランパサラン 雷
が、登場する予定でした。