異世界人は馬鹿ではない
あぁ、あれからはかなり大変だった…
あれからっていつだって?
もちろん両親が死んだ日だ
自分と妹で小学校に行けるほどの貯蓄は無いと見て
両親のやっていた魔道具店を引き継いだ
と言っても、親に手伝えとか言われて仕事を丸投げしてくるようなものだったから
ほとんどの店の利潤は自分に分けてもらってもよかったレベルなのだ
それでも、自分はこの魔道具を作るのにかなり乗り気だった。楽しかった
だからこそ今この趣味を職業へと昇格させるべきだと
自分は稼ぎ、妹は学校
家事もほとんどすべて自分がやっているので、妹には負担をかけないようにした
妹が可哀想なのと、病まないようにするために
でも、妹はあれからさらに自分にくっ付くようになってきた
可愛い…
金髪と銀髪が混ざった薄ピンク寄りのクリーム色で、二人きりの時はずっとジト目で、外出や二人以外誰かいるとジト目ではなくなり、外では陽キャのように感じるが、二人きりのときはテンションが低いというか落ち着いたクール系になる。
「ただいま!お兄ちゃん!」
「あぁ、おかえり」
「今日何かあった?」
「何もないよ」
あ、ジト目だ
可愛い…
そして、妹はトコトコ歩き回り学校の荷物やら制服やらを片付けて宿題を始めた
「う"ーーぅ、わかんない!」
テストはいつも平均点の妹
「どこがわかんないんだ?」
「ここだよ、なんで火属性の魔法式にはこの式が入っているの?」
「それは、火属性に関わらず他の属性にも、と言うより大体の魔法陣には入っている式だよ、それは魔力量を調整する式。属性によって得意不得意な式の構築の仕方があるんだよ、それのせいで式がかなり変わってしまうんだけどな、得意な属性が人それぞれな理由でもある」
妹の口が丸くなる
「おおぉーー」
「正直これらは暗記が重要だ、といっても属性によって変わる単語と固定された式の単語をくっつけるだけだ。」
「そういえばお兄ちゃん、なんかすごい複雑な魔道具作ってなかった?」
「あぁ、それは新技術とでも言うのだろうかわからないが、魔法を連続して展開できる技術だ」
「えーと、つまり?」
「この家にもあるよ」
「...?」
「正解は、風呂だ」
「どうしてお風呂がその新技術につながるの?」
「あのお湯を出しているやつあるだろう?」
「うん」
「あれはボタンを押すと、水属性と火属性の魔法陣が連続で作られ、生成された水をどの程度温めるか、そして温度を一定にするよう自動的に動く。今までの形式だと、水で魔法を生成してそれを一気に温める方式だったんだ」
要するに、ドラム缶に水を入れ、焚き火で温めるというやり方からアップデートし、給湯器一つで十分にしたということだ
こんな簡単なことをなぜ誰も気づかなかったのか
それは、この世界の魔法には種類がある...いや、、、考える種類がある。
精霊魔法、創作魔法、神与魔法
各属性の精霊によってその者の能力が決まるという考え方で、精霊の魔力を使い魔法陣を作る精霊魔法。
精霊や神のような存在はいない、魔法は才能と努力であり、人類でも魔法式や展開は自由にできると考える創作魔法。
精霊は神からの恵みである、神の力の一部を使わせてもらっていると考える神与魔法。
現在最も考えられているのが精霊魔法、異端と言われている創作魔法、精霊魔法と神与魔法の同時信仰。
これが原因だ、教会の権力が強いせいで教育方針が、、、洗脳に近い
精霊魔法だと、属性に不向きがあるのは個人に付いている各属性の精霊がどれだけ強いかと弱いかで決まると言われている。
これらの話を踏まえて、精霊魔法をもとに考える。
魔法陣を連続的に出す。魔道具給湯器だと、水の属性の精霊と火の属性の精霊は別々な存在、別々の存在を一つの魔法式に連携させる。これは、精霊同士を合わせられると言うことだが、精霊も生物と捉え、人間に例えると、男と女を合成し、自由に男と女の体の機能を変更できるようにする。これは物理的にも不可能であり、別々の個体を合わせるという非人道的なこと。ほかにも精霊への無礼、そして神への冒涜となる。
精霊魔法を信じるものは多いが、学校に行ってない自分は独学で親の手伝いをし、感覚で魔法を知ったため、創作魔法派となりこの技術を作ることができた。
そこから研究し、結論が出た。
魔法というのは、精霊魔法でもない、神与魔法でもない、創作魔法だ。
誰でも魔法の式を定義できる。言ってみてば詠唱や筆記して魔法を発動させることも誰かが創作したためであって、他の生物の力でもない。
ありがとう。この言葉
こんにちは。どんなに見た目が怖くてもこの一言で印象が変わる言葉
言葉は魔法これは魔法の原理に一番的を得ている。
ありがとうと言われれば嬉しくなる。この嬉しくなるが魔法の発動である。逆に全く知らない言語で感謝されても何を言ってるんだ?程度にしか思えない。
このような言葉とその概念や感覚が頭の中で定義されていれば魔法なのだ。
そう結論づけた。だから私は創作魔法を信じた。
創作魔法と言ったら、魔女や魔王という悪い偏見もあり、異端扱いされているのだ。
この世界の魔女や魔王というのは、
魔力の影響で人外になった、もしくは凶暴化した者が魔族、そのトップが魔王。
莫大な力を持っているのに対し、それを殺人などの非人道的な行為に使う魔女。
それらに敵対する国家や教会。
こんな不安定な世界でも、自分は妹と暮らしたい
ゆっくり、ゆっくりと、、、、
妹との会話の途中ですが眠いし、ちょうどよかったので次のエピソードにお預けです。




