5 俊敏
日光の光が頭上を照らす。
「疲れましたね」
『そうだな』
「あれ?」
ノインが汗を持参してきたタオルで拭きながら、汗もかいてないアハトに話しかける。それにフィーアは首を傾げた。
「これから身体テストじゃなかった?」
「面白いネタがないらしいので、スキップされました」
「スキップ?」
「あと、一部の方のSAN値がゼロになるかもしれない、とのことです」
「サン…?」
『察しが悪いな。分からないなら、ページを閉じてグー』
「わぁぁぁぁ!メタいよ!!」
『うるさい』
「アハトさん、フィーアさんの顔にめり込んでます…」
大声を上げてアハトの話を遮ったフィーア。それにアハトは青筋を浮かべ、フィーアの顔面を殴りつけた。
「いってぇ…鼻血出たらどうすんだよ。試験棄権させられるかも…」
『ギャグの鼻血なら一コマで治る』
「いや、これ漫画じゃなくて小説だから」
「さっきからメタいですよ、お二人とも」
気を取り直し、三人は次の試験に向けて準備を始めた。午後からは、トーナメントが行われる。1000人を20ブロックに分け、5分間の真剣勝負。ブロックに勝ち残った者ら、時間無制限の勝負をして上位の5名に入隊の権利が与えられる。勿論この五名以外にも、軍人は選ばれる。ただ他者よりも優位に立て、軍人として最初の成果となる。
ゆえに、上位に入れずとも軍人になるため励む者や最初から上位を目指す者もいる。アハトとフィーアは後者だ。だが
「マジかぁ…」
「どうしたんでしょうか、フィーアさん」
『ほっておけ』
説明をほとんど聞いておらず、午前の分の説明をアハトから聞いたフィーアは引き続き、午後の説明をアハトにお願いした。そして話を聞き終わると、ウワー、とでも言いたげに額に手を置いた。
「トーナメントかぁ…オレ終わったかも。落第かなぁ」
「そんなことありませんよ。フィーアさんもアハトさんも、午前の試験は凄かったんですから」
というのも、フィーアは短距離で身体強化の魔法を使い、100mを3秒で走りきった。アハトはどの測定でも常に上位にいたほどの実力者であり、軍人から先ほどとは別の意味で見られていた。
「おい、作者!なんで午前のシーン飛ばしたんだよ。十分なネタになるだろ!?ってか、午前の試験を小学生の体力測定にするな!」
「大人の事情ってやつじゃないですか?」
『お前らどこを見て話してる。もう午後の試験が始まるぞ。私語は慎め』
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