3 会場
グランツ帝国の中心、本部のある基地。そこでこれから軍人の入団試験が始まろうとしていた。入団試験は年に1度行われが、試験の参加者は1000を越える。そして合格者は1000人の中でごく一部。参加する者たちは様々だ。軍人を輩出する家の人間や、職を求めやってきた者が、試験会場の訓練場に集う。その中に二人の姿もあった。
「はぁぁ、間に合ったぁ」
『そうだな』
息を整える二人は、時間ギリギリに試験会場に入り、間に合った。
『この試験が終わったら、泥棒の件の報告にいかねぇと』
「わかってるよ。あ、罰金とかないよな。オレ、払えないよ?移民だし」
『ツケてもらえばいい』
「居酒屋じゃないんだけど」
試験の種類は4つ。つまり部隊は四つということ。飛行、地上、海上、参謀。その中で試験を受ける前に特殊な訓練が必要な部隊がある。
飛行は、飛空艇の運転技術が必要なため、試験の前に数年の訓練。
海上は、船艦の運転技術及び、海上での訓練。主に泳ぎ。
参謀は、戦略と知識を求められ、軍事学校に通う必要がある。尚、飛行と海上の訓練も学校で行われる。
そして唯一。地上の部隊だけが、訓練や軍事学校に通わなくても受けられる。勿論、試験を受けるのだから多少の技術は必要だ。だが他の部隊のように軍事学校に通う義務はないため、全て自主訓練になる。功績も地位も関係ない、シンプルな実力主義の部隊ともいえる。
「それにしても、すごい人だよな。オレ、こんなに沢山の人見るの初めてだよ」
フィーアはワクワクとした様子で、興味深そうに辺りを見回す。アハトもまた、辺りを見ていたがそれは興味ではなく、見定めをするような冷静なものだ。そしてはしゃぐ子供のような仕草をしてるフィーアに視線を向けることなく、小さく呟いた。
『田舎者』ボソッ
「同郷なんだけどぉ?田舎者くん」
ジロ、とアハトを見上げるフィーア。アハトは飄々としている。
『耳聡いな。…嗚呼。そうだったな同郷の者。不愉快だ』
「そうだったな??え、この数分でオレの事忘れられてた?幼馴染みに酷くね?つーか不愉快ぃ?もういっぺん言ってみろ!」
真っ黒の笑みを浮かべ、にじり寄って来たフィーアの頭をアハトは掴みフィーアの動きを止め、ようやくフィーアを見て、何の表情も変えずに答えた。
『耳聡いな。…嗚呼。そうだったな同き』
「だぁれが!復唱しろって言ったよ!?」
『もういっぺん言ってみろ、と言っただろ』
「挑発を素直に返すのはお前くらいだよ」
ドッと疲れた様子で、一歩下がりフィーアはため息をついた。アハトは手を下ろしフィーアを見る。
『喋り疲れた』
「それは自業自得じゃね?」
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