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虚禍討伐部隊



▼ 武力部門 ― 正式名称と概要


■ 正式名称:


虚禍討伐部隊こかとうばつぶたい

(通称「武力部門」/さらに砕けた呼び名として「現場組」や「前線屋」などとも呼ばれる)



■ 概要:


虚禍こかと呼ばれる異形の存在を直接討伐するために設立された、ギルド最強戦力の一角。

本来、虚禍の討伐は都市防衛軍や王国騎士団に属するべき任務であったが、彼らでは対応できないほど被害が拡大した歴史を経て、世界各地のギルドが「専門部署」として組織を形成した。

そのため、討伐専門部隊であると同時に、ギルド内では最も危険で過酷な役職。


「虚禍に挑む=死と隣り合わせ」を意味するが、同時にギルドの名誉と資金の大半を支えているため、誇りと畏怖が同居する部署である。



■ 主な活動内容


1. 虚禍討伐任務

・ギルドの依頼の中でも最上位ランクに位置する。

・街や村の近辺に出没した虚禍の排除、討伐証明の持ち帰りが基本。

・巨大種や特殊種の場合は大規模遠征となり、戦略的な作戦行動を伴う。


2. 警戒・巡回任務

・レスタルム近郊や交易路を定期的に巡回し、不審な兆候(虚禍の気配や異常発生)を探知。

・狼系獣人であるライラの嗅覚や聴覚が特に役立つ任務。


3. 新人教育・鍛錬

・新たに加わったギルドメンバーを鍛え上げる。

・「武器の扱い」から「虚禍の生態知識」「チーム行動訓練」まで、過酷なカリキュラムを課す。

・なお、ユウキは現在この地獄の入口に立たされている。


4. 防衛戦参加

・レスタルムに虚禍が迫った場合、最前線で防衛を担う。

・一時的に街の軍隊と連携することもあるが、基本はギルド単位での独自戦闘。


5. 調査・研究協力

・虚禍の死体や残骸を解析し、経理部門・研究部門へ提供。

・戦闘だけでなく「知識の蓄積」も役割の一部。



■ 組織図


最高指揮:アリシア・ヴェルネス(ギルド総長)

・直接的に戦闘を指揮することは少なくなったが、必要とあらば現場に立つ。


武力部門 部隊長:未定(現状は古参メンバーによる輪番制で回されている)

・実質的に最前線を仕切るのは、グラドやライラのような古参組。


主要メンバー

・グラド:重装前衛。隊の盾役兼ムードメーカー。

・ライラ:機動戦士。索敵・斥候・中衛の要。

・他にも、魔術支援を行う者、遠距離攻撃を得意とする者などが所属。


新人/研修枠

・ユウキ(現在の新入り、絶賛拒否中)

・他にも志願者や拾われた者が定期的に加わるが、長生きできる者は少ない。



■ 業務内スケジュール


虚禍討伐部隊は「軍隊」的な日課と「冒険者」的な柔軟さが混じった生活を送っている。

以下は代表的な一日の流れ。


・早朝(5:00〜6:00)

 起床、体力トレーニング、武器の点検

 (新人は強制的にグラドの“地獄ランニング”に参加させられる)

・午前(7:00〜12:00)

 模擬戦訓練/座学(虚禍の生態、過去の戦闘記録など)

 現場任務があれば出発準備

・昼(12:00〜13:00)

 食事・休憩。肉と酒を好む者が多いが、ライラはあっさりとした食事を選ぶ派。

・午後(13:00〜18:00)

 依頼出動/街の巡回/虚禍討伐の遠征など。

 任務がなければ訓練の延長戦。

・夕方(18:00〜19:00)

 帰還、装備の手入れ、討伐報告の提出。

・夜(20:00〜24:00)

 自由時間。酒場で騒ぐ者、鍛錬を続ける者、静かに休む者などバラバラ。

 ただし急報が入れば即時出撃。



■ 特徴的な文化


・仲間意識の強さ

 常に死地に立つため、仲間への信頼が何より重視される。裏切りや怠慢は即追放。

・新人へのスパルタ

 「死なせないために死ぬ思いをさせる」がモットー。ユウキは今まさにこれで苦しんでいる。

・誇りと畏怖の両立

 街の人々からは「英雄」として讃えられる一方、「帰ってこないかもしれない人々」として恐れられてもいる。



■ まとめ


「虚禍討伐部隊(武力部門)」は、ギルドの名誉と資金を背負う最前線組織であり、常に死と隣り合わせの存在。

グラドの豪快な兄貴分としての存在感と、ライラの冷静な戦士としての矜持は、この部署の象徴であり支柱である。

そしてそこに、何も知らず放り込まれたユウキ——。

彼がどう鍛えられ、どう生き残るのかは、まだ誰も知らない。




▼ 登場人物紹介



■ グラド


種族:ドワーフ系(鍛冶と武を生き甲斐にする種族)


外見:

・背丈は低いが横幅は広く、樽のような体格

・厚い胸板と太い腕、鋼鉄のような筋肉を持ち、肩にかけた巨大な戦斧がトレードマーク

・顎には濃い金茶色の髭がたっぷり生えており、手入れは行き届いているが豪快な印象は拭えない

・瞳は琥珀色で、笑えば豪快に細くなる


性格:

・大雑把で大声、豪快さがウリ

・酒好き・肉好き・戦い好きという典型的な「戦闘屋」気質

・しかし仲間意識が強く、面倒見も良い。年下や新入りをよくからかうが、内心では本気で守ろうとするタイプ

・「武は楽しむもの」という哲学を持っており、ユウキにやたらとスパルタ訓練を仕掛けたがる


特徴:

・ギルド武力部門の古株。経験豊富で「ベテラン」と呼ばれる所以

・実戦では重装甲の前衛として、盾と斧で味方を守る

・彼が戦場に立つときは、笑い声と共に地鳴りが響くと言われる


ユウキから見た印象:

「声がでかい」「距離が近い」「体力バカ」。でも、不思議と嫌いにはなれない、豪快すぎる兄貴分。



■ ライラ


種族:獣人族(狼系、青い毛並みを持つ一族)


外見:

・背丈はユウキと同程度かやや低め、しなやかで引き締まった体躯

・毛並みは青灰色を基調としており、特に耳や尻尾は濃い青を帯びている

・顔立ちは凛々しく整っており、気高さを漂わせる。瞳は深い蒼色

・衣装は動きやすい軽装の戦闘服。腰には細身の刃を佩き、戦闘時は俊敏さを活かすスタイル


性格:

・寡黙で冷静。無駄に声を荒らげたりしない

・戦士としての矜持を持ち、常に凛とした態度を崩さない

・一方で、仲間には厳しさと同時に優しさを見せる。根は誠実

・物事を正面から受け止める性質ゆえ、ユウキの“記憶喪失”にも真剣に向き合おうとする

・誇り高く、狼系獣人族特有の「群れを守る意識」が強い


特徴:

・武力部門において前衛と後衛のつなぎ役を担う、機動力重視の戦士

・強烈な嗅覚と聴覚を活かした索敵・追跡能力に長ける

・アリシアに深い敬意を抱いており、彼女が語る“ユウキ”の存在を知っている数少ない一人


ユウキから見た印象:

「真面目すぎて怖い」「狼耳がピコピコ動くのが妙に気になる」「正論パンチが一番効く人」。でも頼りがいがある。


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