もう良いですわ
やっぱり使いたい「……の名に於いて命じる」は、良いですよね。
ソニアが来て10日後の今日に領主館に連絡が届いた。
一応、俺達は領主館に詰めていたのだが、見事に俺の領地内で盗賊に化けてソフィア王女暗殺を実行に移した。
が、犯罪奴隷だけど、元騎士だとか、元暗殺者とか、元魔導士とかで編成しているし、見事任務を達成し生きたまま盗賊に化けた暗殺者を俺の領地の領主館に連行した場合は、奴隷でありながら平民並みの扱いをする事を約束したらしい。
情報提供者はソフィアとレイダだ。
連絡が来て1時間後に、見掛け貴族の護衛と侍女の集団に13人の盗賊共になっている。
「領主代行の代官様は居られるか?」
「私が代官です」
「無事、ソフィア王女殿下をお連れしました。尚、道中で王女殿下の馬車を襲う不届き者を捕縛し連行して来た」
「そちらも引き受けましょう」
「よろしく頼む。後、こちらに記入を」
「はい」
外見騎士で中身奴隷の人が出した書類に代官は記入すると、それを懐に仕舞う外見騎士が握手する。
「それでは、手続きを終わりましたので、ソフィア王女殿下、お付きの方々に護衛の皆さん、お部屋にご案内いたします。ただ、とある方の関係者を宿泊されておりますで、ご注意ください」
「分かった」
「では、こちらです。アデリナ、ソフィア王女殿下とお付きの方をご案内してください。後、貴方達は、この盗賊共をお願いします」
因みに、ソフィア王女殿下役とお付きの方役だけは本物の執政官とその補佐で、今回の件の現場での最高責任者だ。
さて、盗賊に化けた暗殺者達を領主館の地下の牢屋に連れて行くか。
序でに言うと、こいつらには異世界あるあるの「魔力封じの枷」で魔法が使えない様になっているし、自害防止に口内のチェックは済んでると聞いている。
地下の牢屋でこいつらを尋問する側は、俺に、キサラに、ガイだ。
「単刀直入に聞こう。依頼人は誰だ?」
……1時間後に、暗殺者共は全て吐いた。
先ずは、暗殺者共は王都の闇ギルドの暗殺部門の者共で、依頼人は近衛騎士の副団長だ。
つまり、防衛大臣も「黒」確定だな。
聞き出した内容を書類に纏め上げ、洗浄で身嗜みを調えて、領主館の執政官が居る部屋の前に立ち扉をノックする。
「……どうぞ」
「失礼します」
部屋に入るのは、俺とキサラだけだ。
ガイはレイ達の所に行った。
あ、言っておくが、ガイのジュセレのサナは最初からレイ達の所に居たからな!
だから、拷問シーンは見ていないからな!
「ライザック=フォン=アークレイドです」
「王都より国王陛下より命を受けた執政官のフィリラです」
「その補佐のシェリルです」
「こちらが纏めたものです」
執政官フィリラに纏め上げた書類を渡す。
「……うむ。やはり、そうでしたか……」
「後、情報の信憑性を上げる為に、聞き出す者以外は魔法で眠らせた上で目隠しをし、更に遮音魔法を使いました」
「……分かりました」
「それでは、失礼します」
「御苦労です」
部屋から出ると、アデリナが待っていた。
「ライ様」
「メリクリオとイラーナで、執政官と補佐の言動を見張れ」
「イエス、マイロード」
あれから7日経過したが、執政官や補佐の方でも暗殺者共に尋問をしていたみたいだ。
勿論、本物の王女殿下であるソフィアは、きちんと俺の街を視察した。
来た名目が「視察」だしな。
案内役は、俺達がした。
偽物のソフィア王女殿下一行がアルファロードに到着してから7日で視察3回目の今日で視察は終了となり、領主館でパーティーを開いた。
ソニアが、ソフィア王女殿下として俺にウザ絡みした時は大変困ったが、それ以外は特に問題無く終了した。
さて、ソフィア王女殿下一行は王都に向っているのだが、俺達は冒険者から出された正式な依頼で、ソニアの護衛をしている。
先頭は俺達の馬車(inソニアとレイダ)で、2台目が偽王女の馬車で、3台目が暗殺者共を乗せた護送馬車だ。
勿論、一悶着有ったが、ソフィア王女殿下の要望で収まった。
王都まで、残り1日の所だ。
何故、護衛をしているかというと……
「盗賊共が出たぞ!」
情報通りだな。
当然、盗賊共では無く、裏切り者の手引で待っていた闇ギルドの暗殺者共だ。
「殺さず捕らえろ!」
勿論、俺達は誰1人殺さずに捕えた。
「この盗賊共が!」
ガキン!
「何をしているのです、執政官補佐様」
「いや、1人ぐらい見せしめにしようかと」
「それでは全員を殺さずに捕えた意味が無いと思いますが?」
「しかし……」
「もう良いですわ」
「ソフィア王女殿下!」
「既に、証拠は有ります。因って、ソフィア=アロン=シバァザードの名に於いて命じます。
執政官補佐のルクリス=ラグリスを王女暗殺容疑で拘束しなさい!」
「「「「「「はっ!」」」」」」
「ソフィア王女殿下! 何かの間違いです!」
「既に、理由は言いました」
「ソフィア王女殿下ー!」
元執政官補佐は、拘束され、追撃の暗殺者共と同じ4台目の護送馬車に乗せられた。
まあ、俺には筒抜けだった。
万が一を考えて執政官と補佐2人に気付かせずに見張りを付けたら見事に補佐が裏切り者で、初日の「執政官の尋問の後片付けをします」と、言いながら暗殺者の1人の拘束を解き、黒幕への連絡係にしていた。
13人が固まっていれば、1人ぐらい居なくても誤魔化せると思ったみたいだな。
メリクリオは、最後まで尾行して黒幕を突き止め、証拠と計画書を見つけ出した訳だ。
そして、気分的には、頑張ったメリクリオを迎えに行くって感じかな。
後、ソフィア王女殿下の命令で、事の顛末を書いた書類を、王族側の元暗殺者に持たせて先に行かせている。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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