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ライさん、どうしてこんな事を?

現実を知るからこその勧誘です。

 とりあえず、先にトーヤにはダンジョンの建て直しをして貰った。

 まあ、後の事を考えて、命の恩人権限で、色々と俺の意見を通して貰ったけどな。

 先ずは、1階層を草原と浅い広めの森林にして貰い、出るモンスターはダンジョンモンスター最弱中の最弱にして貰った上に、木の棒以上の武器を持っていれば5歳の女の子でも倒せる強さに設定した。

 しかも、そのダンジョンモンスターに攻撃されても5歳の女の子ですらダメージを負う事は無く、むしろ、その攻撃で転けた時のダメージの方が重いくらいだ。

 更に、この階層を多種多様な薬草が大量に生える様にして貰った。


 次に、地上のダンジョン出入り口から1階層に降りた直ぐ横に2階層への階段を設置して貰った。

 そして、2階層から20階層までを、Gランクの素人からDランクの1人前までの冒険者育成ダンジョンにした。


「ライさん、どうしてこんな事を?」

「正直、トーヤは血で血を洗う戦闘シーンなんか嫌だろ?」

「……はい」

「言わば初心者用のダンジョンにする事で、トーヤは血生臭い場面から遠ざける事が出来る訳だ」


 此処でサキが割って入った。


「しかし、そうなりますと、ダンジョンとしての防衛力が不足してしまいますが?」

「だから、21階層からは難易度を跳ね上げ冒険者にとって旨味が無い様にすれば良い。そうすれば、基本的には初心者しか居ないダンジョンで、そうそう血生臭くなる事は無い」

「……分かりました」

「勿論、他人トーヤの生死に関わる事に口を挟んだんだから、俺が責任を取る。」


 次にウルカが割って入った。


「どう責任を取る?」

「実は俺は、このダンジョンの出入り口が有る森林や隣の街の書類上の領主だ」

「「「え!?」」」


 トーヤ達はかなり驚いたみたいだ。


「まあ、まだ正式には公表してないけどな」

「もしかして、ライさんは貴族ですか?」

「養子だけどな。それでだ。俺としてはトーヤのダンジョンを初心者用ダンジョンにして、俺のダンジョンを1人前以上が挑むダンジョンにしようと思っている」

「なる程ね。そうすればトーヤのダンジョンは更に危険が減る訳ね」

「そう言う事だ、ウルカ」

「確かに、その様にすればトーヤ様の危険は減りますが、少々ライ様にメリットが少ない様に感じますが?」

「サキの言う通りだが、俺としては充分に公私共にメリットが有る。先ずは領主としては、実質的には2つのダンジョンをコントロールする事で、冒険者達が増え将来的には税金の増収が見込める。次に、私的にはラピス達に俺達が安心出来る棲家を提供する事が出来る」

「「あっ!?」」


 ウルカとサキは気付いたみたいだな。


「ラピスは戦闘面での技術を覚えられないみたいだが、2人の戦闘力は笑えない。

 だから、何処かで大人しく過ごして欲しいが、正直、地上に俺達が安心出来る場所は無い。しかし、ダンジョンなら話は別だ。

 それに、DPダンジョンポイントも稼げるしな。当然、トーヤにもメリットになる。俺達が稼ぐDPダンジョンポイントはある程度は融通しよう」

「分かったよ、ライさん。それでいこう」

「後、トーヤのダンジョンで貴族絡みの問題が起これば俺が対処する。例えば、何処かのじゃじゃ馬な王女様がダンジョンアタックに来たとか、な」

「……ライさんの爵位は?」

「養子縁組をした保護者は『公爵』だ」

「……チーレム野郎」

「そんなに褒めるなよ」

「褒めてません!」


 そんな中、トーヤのダンジョンの再構築が終了した後、レイ達を女子会に行かせると、トーヤが質問してきた。


「ライさん。何故、1階層をこんな風に?」

「弱者救済だよ。この世界の命は安くて軽い。昨日まで普通に話していた隣人に、1000円で殺される事だって有る」

「そんな!?」

「だから、片親とか両親が居ない子供は幾らでも居る。そんな家庭にまともな収入を見込めるか?」

「……難しいでしょうね」

「だから、子供は奴隷商に売られるし、見栄えが良ければ身体を売る。そして、住む家を失い両親が居ない子供はストリートチルドレンになるか、スラム街の住民になるしかない」

「思っていた以上に異世界このせかいは厳しいですね」

「だが、薬草が原料のポーションは、何処でも不足している。そんなポーションに使う薬草なら、子供達にとって良い稼ぎになると思わないか?」

「あ!? ……なる程。分かりました。ライさんに協力します」

「勿論、あの魔王達みたいなのが来たら助太刀するからな」

「ありがとうございます」

「それとだ」

「はい」

「自身の戦闘力も鍛えておけよ」

「……はい!」 


 この後も色々とガイも交えて話し合いをした。




 ???side


「覚醒魔王並みの魔力を感じたな」

「はい、イムベレジア様。調べますか?」

「そうだな」

「畏まりました」


 そう言うと、青色と緑色を足した様な髪の色をした女性が退室した


「久しぶりに、オレの所まで届く魔力を放つ奴が生まれたか。会うのが楽しみだな」


 そう言う男は、腰まで届く銀髪を流し、冷徹冷酷が表現として似合う顔で笑った




 ???side


「聖女様、遂に見付けました!」

「良くやったわ!」

「場所は、シバァザード王国です!」

「分かったわ。早速、シバァザード王国の各神殿に通告するわ。大変だろうけど、もう少し範囲を絞ってみて」

「分かりました!」

「お願いね」

「はい!」


 まだ、何処の神殿からも報告が来ていない以上は、断言は危険だけど、ただ暴れるだけの馬鹿では無いみたいね。

 勿論、油断出来ないわ。

 魔王なんて天災と同じ、いえ、それ以上の被害が出る上に、倒せなかったとしても、抑止力になって頂ける「勇者」様や「英雄」がまだ見付けていないわ。

 何処に居るの、私の「勇者」様!




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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