それなら、考えたらダメよ
種族を問わず気にする実年齢。
「実はな……」
簡単に言えば、マドリブは正式な領主の後継者なのだが、あまりにも顔が悪党面だ。
だから、ある程度の年になるまで身分を隠して市井で暮らして、領民に受け入れて貰う様に過ごす事になったらしい。
因みに、バネサが正室で、身分は伯爵令嬢で幼馴染み、だと。
それに年を取れば、その悪党面も問題無くなるらしい。
それは、現領主も悪党面だからだ。
「……と、いう訳だ」
「分かった。だが、その顔で次期領主……」
「顔の事はもういいだろ! それよりも、アラナを助けてくれて、本当に感謝している」
「私達からも、改めてお礼するわ。本当にありがとう」
「ありがとう」
「ありがとうね」
後で、知ったが、他の3人も貴族令嬢だが、じゃじゃ馬な事で、各両親は結婚を諦めていたみたいだが、マドリブのお陰で、侯爵家と縁が出来て喜んでいるらしいので、かなりの金銭や物資に税金等の優遇を受けているみたいだ。
勿論、その日の夕食に俺達は招待されて、宿屋には連絡済みで領主館に一泊する事になり、かなり豪華な内容だった。
蛇足だが、現領主はあまり食事の豪華さに欲が無い為に、侯爵家としてはかなり質素な食事だったから、俺が奢った食事は喜んだみたいだ。
翌日、マドリブ達と別れ、近辺の森に探索しに行った。
実は、マドリブの話では、森の奥に強力なモンスターが居る可能性が有るらしい。
昨日、マドリブ達が居たのは、その為の調査だったみたいだ。
だから、冒険者ギルドで調査の依頼を受けた。
そんな訳で森の奥を目指している訳だが……
……オークが多くないか?
いや、ダジャレじゃなくて、本当にオークが沢山居るんだ。
これ、集落が出来ているんじゃないか。
「……ビンゴ!」
オークが出てくる方向に移動すると、オークの集落を発見した。
しかも、かなり大規模な集落だ。
ざっと500匹は居るぞ!
「ライ、どうする?」
「勿論、鏖殺だな」
「当然なのじゃ」
「ワン!」
「当然ですね」
「ニャー」
「当然であります」
「そりゃあそうだな」
「ピィー!(お兄ちゃん、頑張れー!)」
「決定したし、行こうか」
「「「「「分かった!」」」」」
……40分後には残るオークは、オークキングのみとなり、キサラの魔力を帯びた手刀でオークキングの首が飛んだ。
オークを回収して、捕えられた被害者が居ないか探したが運良く居なかった。
遺留品も無く、集落を燃やし尽くして俺達は帰る事になった。
しかし、此処でテンプレが発動した。
「こんなガキ共だけで、500匹を超えるオークを全滅出来る訳ねぇだろ。しかも、オークキングが居たって話じゃないか。ガキ共、捕まりたくなければ正直に話すんだな」
「はぁ~」
まさか、冒険者ギルドでテンプレが発生するとは思ってなかったな。
「ガキ。何だ、その溜め息は?」
「外見だけで判断する3流以下のクズが居る事に対する溜め息だ」
「ガキ、死にたいのか?」
「ゴブリンが人の言葉を話せたら、もう少しマシな台詞を吐くだろうな」
「……殺す!」
2分後には、絡んで来たクズから頂くモノは頂いて換金中だ。
因みに、そのクズはギルドの端で、ボロ雑巾になっている。
……換金が終わったけど、銀貨8枚か。
1時間後、査定だけは終わらせたみたいで、受付嬢に呼ばれてカウンターに移動した。
「依頼の完了が認められました。更に、集落の発見、及び、集落の全滅の特別報酬を合わせまして、白金貨1枚と金貨5枚となります。後、オーク480匹の素材の代金ですが、白金貨2枚と大金貨9枚となります」
俺は、合計で白金貨3枚と大金貨9枚と金貨5枚を受け取ると、受付嬢が言った。
因みに、オークの査定はギルド職員ほぼ全員でやったみたいだ。
「それとギルドマスターから話が有るそうですので、お時間を頂けますか?」
「分かった」
レイ達も頷いた。
応接室で待っていると、先程の受付嬢と綺麗なお姉さんが入って来た。
しかも、その綺麗なお姉さんは、多分エルフで、綺麗な御御足を惜しげもなく魅せている。
しかも、座ってから脚を組直した!
「ん? ああ、私はエルフだ。さて、自己紹介をしよう。私がこの都市エピナルの冒険者ギルドのギルドマスターをしているエルフの『ミレイラ』だ」
「星屑の眼でリーダーのライだ」
「此処に来て貰ったのは、君達に頼みたい事が有るからだ」
「きちんとした内容なら考える」
「大丈夫だ。君達に対して頼み易い内容だ」
「内容は?」
「頼みとは、盗賊殺しのライに近辺の盗賊を全滅して欲しい。特に『ワイバーン盗賊団』は確実に潰して欲しい」
「分かった。そのワイバーン盗賊団を含めて幾つ潰して欲しいんだ?」
「確認が出来ただけでも3つ有る。だから、最低限ワイバーン盗賊団を含めて3つは潰して欲しい」
「分かった。次に報酬だが……」
「成果に多少は左右されるが、ワイバーン盗賊団を含めて3つ以上潰してくれれば、報酬として白金貨1枚以上は約束しよう」
「良いだろう」
「交渉成立だな。ニルダ、下に降りたら手続きをやってくれ」
「畏まりました」
「1つ質問だが、良いか?」
「どうぞ」
「何故、エルフがギルドマスターに?」
「此処の4代前の領主に借りが有ったのよ。だから、ギルドマスターになった訳よ」
仕事の話が終わった所為か、砕けた口調で答えたみたいだけど、4代前のという事は、このギルドマスターの年齢は……
「ライ君、死にたいのかな?」
「いいえ!」
「それなら、考えたらダメよ」
何故、分かったんだー!?
翌日から、俺達は盗賊狩りに精を出して盗賊共を狩っていった。
どうせならと、盗賊共は全て生きたまま捕縛していったら、追加報酬が発生して、ワイバーン盗賊団も全て合わせると、白金貨2枚が追加報酬となった。
元々の報酬を合わせると白金貨3枚に大金貨7枚に金貨8枚になった。
普通の馬車で、3日以内の全ての盗賊共を狩り尽くしてやったわ!
運が良い事に、囚われた被害者は無しだ。
ただ、遺留品が有った為に、ギルドに買い取りの告知をして貰い、遺族に対して詐欺紛いの口車に乗せて追加で金貨8枚を買い取り金を含めて渡した。
要するに買取金が金貨1枚だったのを、適当な事を言ってその場で出来る事をして貰って、「これは、そのお礼です」と言って金貨8枚渡したという事だ。
……ガイが、この偽善の素晴らしさに気付いて、次はオレにさせて欲しいと言われたよ。
「ピィー……(お兄ちゃん……)」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




