さあ、貴様も真の姿を現せ!
アーサー殿下のイメージで参考にしたのは勿論、あの「社長」です。
「ライ、どういう事!」
「待って、ルーシュ姉さん。私が説明するわ」
……た、助かった。
ルーシュが般若顔で、俺の首を絞めながら前後に揺らすもんなぁ。
レイは、自身に起こった事をルーシュに説明したのだが、姉弟の中で、1番レイを可愛がっていたルーシュが崩れ落ちた。
「そんな。レイが奴隷になっていたなんて!
ライ、払うわ! 幾ら幼馴染みでも流石に困るでしょう。私がなるわ」
「ちょっと、ルーシュ姉さん」
「払えるのか?」
「当たり前よ。私は公爵夫人なんだから」
「分かった。それなら良いよ。」
「それでライ、幾ら?」
「白金貨900枚」
「……え!?」
「だから、白金貨900枚だよ」
「ちょっと、ライ! ボッタクリ過ぎよ」
「レイに命令する。オークションでのレイの落札価格は幾らだ?」
「白金貨900枚です」
「……本当なのね。ごめん、レイ」
「良いよ、ルーシュ姉さん」
「……何、赤い顔してニヤけているの?」
「……! なんでも無いわ(ダメ! 私がライのモノだと再認識する度に嬉しさで顔がニヤけちゃう!)」
……と、いう感じでイベントが有ったが、数日が過ぎ、アーサー殿下とのご対面だ。
因みに、現国王の長男が王太子で、この王太子がサラにガチプロポーズした人だ。
その後、色々と有って優秀で器が大きくて胸部装甲も厚い婚約者の侯爵令嬢と予定通りに結婚して生まれたのが、アーサー殿下だ。
……何か、サラの当時の立場がまるで、乙女ゲームのヒロインみたいだな。
さて、俺と保護者のリアンベルさんは、近衛騎士達が待つ練武場に到着した。
……そして、近衛騎士団という名の前座は全員が地に伏している。
「まさか、近衛騎士団総当り戦をするとは思っていませんでしたよ、アーサー殿下」
「ふん。最近、近衛騎士団が腑抜けているみたいなのでな」
「それで俺は合格ですか?」
「良いだろう。私とジュセレに対して戦う資格有りと認めてやろう」
「どうも」
「特別に1時間やろう。休息を取るが良い」
そう言うと、アーサー殿下は自分のジュセレを迎えに行った。
「ライザック君には、また負けてしまったな。
しかも、今回は我々もジュセレを伴ってだというのにな」
「ライナス副団長。まあ、俺達が踏んだ場数が違いますから」
「差し障りなければ教えてくれないか?」
「俺とキサラだけで、他国のダンジョンの30階層から50階層を50回以上往復した」
「ライ……」
「ライザック君、その話は本当なんだよね?」
「ああ」
「……通りで強い筈だ! そんな事、近衛騎士団団長でも無理だ」
ん!?
俺の読み間違えたか。
いや、多分、秘匿しているのだろう。
「やはり、実戦に勝る教育は無いな」
「まあ、ダンジョンモンスターなら、多種多様な攻撃をしてくるからな」
「それに慣れているのなら、我ら近衛騎士団の型通りの攻撃など、ライザック君にとっては容易く見破られるのは当たり前だな」
蛇足だが、今回も「騎士の風上にも置けない!」とか「お前は、それでも騎士か!」とか、言ってきた馬鹿が居たから、そいつらだけは潰して「玉無え」にしてやった。
1時間後に、アーサー殿下がジュセレである青い眼の白い小竜を連れて来た。
「時間だ。これよりライザック=フォン=アークレイドとの模擬戦を開始する」
この後、審判役のライナス副団長とリアンベルさんを残して退出して貰った。理由は、俺が冒険者でもあるからだ。
冒険者への詮索は貴族でもご法度だからな。
騎士達が退出して改めて模擬戦のルールを確認し練武場にアーサー殿下と俺とキサラが対峙する。
「さて、改めて紹介しよう。我がジュセレの『アリシア』だ」
確か……日本語だと「高貴」で、この世界の古代語では「失われた魂の欠片」て、意味だったよな。
何か、何処ぞの社長を思い出すな。
向こうのジュセレも青い眼の白い小竜だし……
「さあ、模擬戦を始める。審判!」
「はっ! 両者準備は良いか? ……始め!」
「アリシア、光矢だ」
「ギャア」
「のじゃ」
アーサー殿下のジュセレのアリシアが開幕と同時に光矢を放ったが、キサラは手に魔力を纏い光矢を弾いた。
「ふん。ならば、これはどうだ?」
「ギャア」
今度は、光矢が5本発生して、そして同時に放った。
「のじゃ!」
しかし、キサラも5本全てを弾く。
「うむ……」
流石はアーサー殿下だ。
途中から、ジュセレに言葉で伝えずに指示を出している。
「ならば、これはどうかな?」
「ギャア」
光槍を3本放ってきた。
「軽いのじゃ」
キサラは、そう言って光槍を弾いき返して、それをカウンターで放つ。
「ふん。魔法障壁」
ガキン!
「今なのじゃ」
キサラが、アーサー殿下が魔法障壁を張った事で攻勢に遅れる隙きを突き、アリシアに攻撃を仕掛けた。
「ギャア!」
「アリシア!」
キサラも、アリシアに一撃を加えた後は、一旦俺の所に跳躍で戻った。
「…良かろう。合格だ。ライザックにはアリシアの真の姿を見せてやろう」
「ギャア!」
アーサー殿下がそう言い、アリシアが吠えた瞬間、アリシアは光り輝き、その姿を変えた。
……その姿は、竜鱗が変質したかの様な鎧を纏った白い竜だった。
大きさは、鼻先から尻尾の先を入れると18mは有るし、翼を横に広げたら20mを超えているだろうな。
しかもアーサー殿下、アリシアに乗っているから、竜騎士状態だ。
「さあ、貴様も真の姿を現せ!」
「何を言っているのですか、アーサー殿下。
キサラは、召喚の儀から、同じ姿です」
「嘘は通じんぞ。幼体のままでアリシアの光槍を弾くなど出来ない!」
「はぁ。リアンベルさん」
「分かっています」
「ライナス副団長」
「勅命ではない限り喋りません」
「さあ! 私に真の姿を見せろ!」
「……キサラ」
「分かったのじゃ」
キサラが、そう言うと、キサラもまた朱い光りを放つと、キサラの姿が変わった。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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何処かの、虐められっ子にブ○スター・ブ○ードをあげたカ○とは違い、負け続けていますが、作者の中ではお気に入りのデュエリストです。




