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閑話~暗躍する者達 

暗躍するのは、何も悪党だけはとは限りません。


次話も同時投稿済みです。

 ???side


 とある場所での黒いフードを被った者達の会合


「生贄用の奴隷が3人共、買えなかったな」

「ああ。特に、あの王女を購入出来なかったのは痛いな」

「それに、裏から色々と手段を使って用意した最重要の奴隷『ジュセレを持つ公爵令嬢』を、買えなかったのは致命的だ」

「確かにな。あの国の貴族の娘共は中々、国外に出ようとしないからな」

「まさか、あれ程の金を出せる者が我ら以外にも居るとは、完全に予想外だ」

「全くだ。我らでさえ、それなりに苦労して集めた金だったからな」

「それはそれとして、あやつらの後始末は出来ているのか?」

「当然だ。公爵令嬢に関わったあやつらは、全てが既にモンスターの腹の中だ」

「ならば良い」

「それで、ジュセレを持つ公爵令嬢を買った者の正体は分かったか?」

「いや、分からぬ。流石に、オークションでの購入者に関する情報管理は徹底的で、調べる事が出来なかった」

「それならば仕方無い。しばらくは、足取りを追うだけにしておけ」

「分かった」

「しかし、こうなると計画の見直しをする必要性が出たな」

「そうだな。我らが魔王『破壊ロード・オブ・魔皇デストロイ』様の封印を解き、このけがれた世界を、破壊の力で浄化して頂くのだ!」

「その為に、次の計画についてだが……」

「了解した。私の方で手を回しておこう」

「頼むぞ」

「簡単な事だ。たかだか、村1つを潰す事など造作もない」

「だが、注意は怠るな」

「分かっている。もし万が一でも『アレ』が、目覚めたら厄介だからな」

「分かっているのなら問題無い」

「それでは、今日の会合は終了とする」


 こうして、黒いフードを被り、年齢も性別も身分も不明な者達の会合が終わった




 ???side


 とある神聖な場所では……


「新しい魔王の誕生を確認しました!」

「何!?」

「しかも、かなり強大な魔力です!」

「……本当ですか?」

「これは聖女様! ようこそ、この様な場所にお越しくださいました。直ぐに、お茶をご用意させて……」

「必要ありません。それより新しい魔王が誕生したのは本当ですか?」

「は、はい。大まかな方角は分かるのですが、細かい場所までは判別出来ません」

「そうですか。今回、誕生した魔王が、理性を重んじると良いのですが……」

「そうですね。どういう訳か、ある一定以上の確率で、暴力を好む魔王が誕生しますから」

「それでは、私の方で各国の神殿に話を通しておきましょう」

「聖女様、お願いいたします」

「理性的であれ、暴力的であれ、必ず私達人族の国に関与してくる筈ですから」

「しかし、そうなると……」

「ええ、分かっています。しかし、まだ……」

「……そうですか」

「残念ながら魔王に対抗する為の、神様が定めた運命に選ばれし『勇者』か『英雄』が、まだ見つかっていないのです」

「何処に居られるのでしょうか、私達の勇者様や英雄様は? 早く見つけないと……」

「大丈夫です。神様が必ず出会いを御用意してくださるでしょう」

「そ、そうですよね!」

「ええ。ですから、新たに誕生した魔王の調査を引き続きお願いします」

「分かりました」


 この後、とある神聖な場所から移動した聖女だが、その表情は険しかった




 ???side


 とある貧しい山間の農村では……


「兄ちゃん。言われた通り薬草のり潰しが、全部終わったよ」

「どれ……凄い! 全部きちんと出来ているな」

「えへへへ」

「それじゃ、何時もの様にしっかりと蓋を閉じてくれな」

「うん、分かった」


 オレの名前は、「ガイ」で、妹の「ヒナ」と2人暮らしをしている。

 両親は、3ヶ月前に町に磨り潰した薬草とかを売りに行く途中で盗賊に襲われて殺された。

 オレ達に残ったのは、家族の畑とオレが見付けた薬草の群生地だけだ。


 ……しかし、まさか、異世界転生が実在するとは思ってもいなかった。


 まあ要するに、この異世界に転生した元日本人という訳だ。

 前世のオレは、林業系の会社に就職したサラリーマンで、趣味として軽く異世界ラノベを読んでいたりした。

 途中から、山そのものに関心を持つ様になり、林業系の会社を辞めて自身で林業を始めた。

 その関係で増えた趣味が、自家菜園だったり、猪狩りだったり、山菜等を採取して天婦羅にして食べる事になった。

 兎に角、山に関する事に興味が湧き、山が有れば出来る事は一通り出来る様になった。

 最新の趣味が刀鍛冶となり、家族や友人達には飽きられていた。

 そんなある日に、オレは雷に打たれ死亡した。


 ……晴天だったんだけどなぁ。


 幸い、オレには彼女とか居ないから問題無いが、家族には悪いと思う。


 そして気が付いたら、異世界に転生して、田舎の農村の長男として生きている。

 多少なりとも異世界系ラノベを読んでいたから、知識チートは出来るが、流石に農村じゃあ出来る事は限られている。

 勿論、魔法もそれなりに使える。

 それで、異世界系ラノベの知識と、前世の山暮らしの知識から、家の収入は8倍になった。

 だから、15歳になったら冒険者になろうと考えていた矢先に両親との理不尽な死別だ。

 小説と現実は違うから、幾ら強くなったとしても、妹のヒナを守り養いながらの生活は恐らく無理だろう。

 妹はまだ7才だからな。

 これが、何も無い身1つだけの状態なら決心も出来るが、両親がきちんとやっていたから真面目に働けば生きていける状況だ。

 だから、妹には自力で生きていける様に色々と教えている最中だ。

 オレに万が一が起こっても大丈夫な様に。


 そんなある日に、信じられない事が起きた……




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。


???sideなのに、直ぐに名前が出ていますが、様式美という事で。

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