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俺に渡してどうする?

謎が謎を呼ぶ。

 とりあえず、あのアホに罪を償わせる為に、歩ける程度に治療する。

 そして、アホに説明すると、キレて逃げようとしたから捕まえて拘束し連行した。


 俺が「馬車を準備してくる」と言って先行して言葉通り黒帝馬ブラックスターを召喚して馬車を「箱」から出して連結が終わった頃にレイ達が到着した。

 男を馬車の出入り口の端にくくり付けると、女性に声を掛ける者達が現れた。


「お嬢! お嬢が居たぞ!」

「あ、グラッセお嬢様!」

「お嬢様、大丈夫でしたか?」 

「「「「「……」」」」」

「「「「誰?」」」」


 俺と、助けた女性を「お嬢」と呼ぶ男女3人がユニゾンした。


 実は……

 彼女は、もう少し北に行くと在る「レミンハス」という町の領主の娘だった。


 彼女達の方の馬車は、俺達が居る場所から少し外れた所に停めている為に取りに行っている。


 ……10数分待っていると、先程の男性が馬車を引いて戻って来た。


「改めて自己紹介するわ。私はレミンハスの領主の次女で『グラッセ=カラナ=レミンハス』よ。よろしくね」

「それなら、俺達も。Cランク冒険者のライだ」

「キサラなのじゃ」

「レイよ。こっちがサリア」

「ワン」

「リンです。そしてクロです」

「ニャー」

「ラピスだよ」

「レミンハス子爵の家臣の『ダハナ』だ」

「同じく『ハンス』です」

「同じく『イール』よ」


 ……話し合いの結果、俺達も彼女と一緒にレミンハスに行く事になった。


 途中、「お茶でも如何いかが?」と言わんばかりに盗賊が現れたが、面倒臭かったから俺の雷矢サンダーアロー×3や、レイの風矢ウィンドアロー×3や、リンの水矢ウォーターアロー×3で、制圧して少し巻きで、アジトを吐かせ、俺とキサラでアジトの処理に向かった。



 レイside


「皆さん、素晴らしい魔法の腕前ですね」

「ありがとう。まあ、それなりに、ね」

「でも、お2人だけで行かせても、良かったのですか?」

「問題無いわ」

「しかし……」

「既に、ライは幾つもの盗賊団を潰しているから、今回も時間を掛けずに終わらせてくるわ」

「……す、凄いですね」


 ……そんな会話をレイとグラッセ達としながら、じゃんけんに負けたリンとラピスは、「物」になった盗賊だった存在を街道の横から少し離れた所に埋葬して焼却していた。 


 18分後にライとキサラが帰って来た。



 ライside


「終わらせて来たから、行くぞ」

「うん」

「はい」


 2台の馬車はレミンハスに向かい、2時間後に到着して、グラッセが居るから、列に並ぶ事なく貴族用の出入り口から町に入り、盗賊と馬鹿の処理をした。

 馬鹿は、奴隷行きが決定した。

 後、時間が掛かるだろうから、先に冒険者ギルドに寄ってサイクロプスの買い取り査定をお願いした。

 明日以降に来る様に言われたから、冒険者ギルドには明日行く事にした。


 そして、俺達とグラッセ達は領主館に行き、応接室で待っていると、領主だと思うが、マフ○アのボスとしか思えない強面こわもてな男性と、着替えてきたグラッセと、執事らしき年配の男性が入って来た。

 マ○ィアのボスみたいな人は、やはりレミンハス子爵だった。


「娘を危険から守り、更に、怪我を負った娘に治療して命を助けて頂いて感謝する」

「治せたからな」

「これを、受け取って欲しい」

「ありがたく頂く」


 中身を確かめると、大金貨9枚入っていた。

 まあ、あの怪我の治療に正当な対価を払うとしたら大金貨6枚ぐらいにはなるから、大金貨9枚は順当だと言える。

 上限なんて無いようなもんだからな。


「さて、礼とは別に頼みたい事がある」


 どうやら、真面目な話みたいだな。


「話は聞こう」

「この町の南西の森にオーガの変異種が発見されたのだが、今、この町に討伐出来る冒険者が居ないのだ。」

「それを俺達にやれ、と?」

「ああ。勿論、冒険者ギルドを通した依頼にするし、依頼料も期待してくれて構わない」


 レイ達を見ると頷いていた。


「分かった。その依頼を受けよう」

「感謝する。それと……」

「分かっている。一泊お世話になる」

「話が早くて助かる。部屋を用意してある。

 案内を出そう」


 こうして、部屋に案内され、夕食をご馳走になり、風呂に入り、就寝したのだが、ラブコメや異世界転生した主人公的なイベントは無かった。


 翌日、俺達は冒険者ギルドに行き、レミンハス子爵からの指名依頼を受けた後、解体場に呼ばれたから行ってみた。


「待っていたぞ」

「何が有った?」

「サイクロプスの腹から、こんな物が出た」

「それは?」


 見せてきたのは、かなり色々と飾りの多いペンダントだった。


「これは、Aランクの気配遮断と魔力遮断する魔道具だ」

「何!」

「こいつに魔力を流すと、狩人等の気配探知や魔法使い等の魔力探知に引っ掛かる事なく移動する事が出来る。腹の中にいたから、常時発動したままだったみたいだな。一体、何処の誰を食ったんやら。

 一応、調べたが、人族らしき骨が幾つか見付けた。しかし、特定どころか、男女の区別も出来かった」


 いや、それもあるが、表裏問わず、そんな魔道具を持った「大物」が、どんな状況なら普通のサイクロプスに食われる様な事になる?


「ほれ」

「俺に渡してどうする?」

「サイクロプスの権利は今、お前にある。だから、サイクロプスの腹から出た『魔道具そいつ』もお前に権利がある。

 勿論、洗浄済みで、他に付与されていたり、呪いが無いか調べたが無かった」

「調べるのに、幾ら掛かった?」

「大金貨7枚と金貨5枚だ」

「ほい」


 俺は、解体場のオッチャンに大金貨8枚渡す。


「それで、その魔道具をオレ達冒険者ギルドに売る気は有るか?」

「無い」

「分かった」

「それと、どっち持ちになるか分からないが、余りはオッチャンにやるよ」

「サイクロプスも、オッチャンの好きにしてくれて構わないからな」

「いいのか?」

「こんな魔道具が手に入ったんだ。白金貨1枚程度の損失なんか無いも当然だ!」

「……分かった。ありがたく頂く」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。

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