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最初のお客様は私よ!

拠点は、必要です!

 次は……


「……そうか。国に帰るか」

「ああ」

「寂しくなるが、冒険者にとどまれとも言えんしな」

「悪いな」

「ライが悪い訳ではない」

「だから。またな、リザラルト侯爵!」

「ああ、またな、ライ」 


 後は、王都の奴隷館リリーの夫婦とパディフリド伯爵にも挨拶を済ませ、リアンベルさんにあらかじめ手紙を送り、移動の準備を開始した。


 国境を越える時の為だけの、カモフラージュ用の馬車を6台買い、全員の荷物を「箱」に仕舞い、土地を売って、誰かの所為せいで気分が悪かったから更地にしたが、周りに迷惑掛けてないよ。


 6日後、都市リザラルトを出た時に、リザラルト侯爵に、馬鹿の足止めをお願いする。


 ついでだから、少し遠回りして観光しながらのんびりと帰った。 


 ……途中、自白しないストーカーが居たから、焼却処分にした。



 2ヶ月後


「ただいま、リアンベルさん」

「お帰りなさい、ライにレイ」

「お帰り~、ライ君」

「ただいま、サラ」

「お帰り、レイ」

「帰ったわ、サラさん」


 とりあえず、ローラ達は客室で休養して貰い、俺達は、今後の話を始めた。


「先ず、あの元馬鹿王子関係で貰った領地が東隣にあるのだけど、何度か国王マハドーラと話し合った結果、アークレイド公爵家が管理する事になったわ。

 幾ら、家族になっても継承権の無い元平民のライより、公爵家わたしが貰った事にした方が、周りの羽虫が静かになるから。」

「分かった。それで、その領地はどうするの、お母様」

「形式的な領主は私だけど、ライがやる気があるのなら、正式に委任するわよ」

「まだ良いよ」

「分かったわ」

「それで、リアンベルさん」

「何、ライ」

「あっちでやっていた喫茶店をこっちでもやりたいと思っているけど良いかな?」

「勿論よ。但し!」

「但し?」

「最初のお客様は私よ!」

「……勿論だよ!」


 空気を察していたサラが前に出た。


「ライ君、私は?」

「喫茶店の上の階は、居住区にするから、サラは女主人みたいな感じになるかな?」

「つまり?」

「俺が帰った時、家に居るのがサラだよ」

「分かったわ。ライ君が居なくても、それなら我慢出来るわね」

「それに、野郎なんぞ、居住区に入れる気はサラサラ無いしな」

「ありがとう、ライ君」


 翌日、リアンベルさんから貰った紹介状きょうはくじょうを持って、先ずは冒険者ギルドに行った。

 実は、土地だけなら、冒険者ギルドも商業ギルドも取り扱っているのだが、海千山千の商業ギルドは怖いから冒険者ギルドの方で済むのなら、と思って先に冒険者ギルドに行ったのだが、良い立地は無かった。


「仕方無い。商業ギルドに行こう」

「頑張れ、ライ」

「ああ。この紹介状きょうはくじょうが有れば大丈夫だよな?」

「勿論よ」


 因みに、またラピスは留守番だ。


「ようこそ、商業ギルドへ。今日はどの様なご用件ですか?」

「先ずは、紹介状コレをギルドマスターに渡してくれ」

「はい、畏まりました」


 待っている間に、この世界の商業について解説しよう。

 この世界では何故か、商業ギルドの会員カードが必要な職業と、要らない職業が有る。

 必要なのが、武器屋や防具屋に、装飾品や宝飾品の店に、錬金や調薬等の道具屋が必要になる。

 フリマみたいな露店でも、最低Fランクの入会費銀貨1枚と月費銀貨2枚が必要だ。

 逆に、飲食業や宿泊施設系は必要無い。

 多分、飲食業や宿泊施設系は商業ギルド的に旨味が少ないからだろう。


 だから、飲食業なら、金と土地と建物と人が入れば後は追加の手続きは基本的には要らないのだ。


 あ、誰か入って来た。


「お、お待たせしました。私がギルドマスターの『ヤースダ』です」

「冒険者のライだ」

「いつかは来るかもしれないと思っていました」

「どういう事だ?」

「私共、商業ギルドは情報を最重要視にしています。ですので、ライ様がイシュトリアで喫茶店を開いていたのは、向こうの商業ギルドを通じて存じていました。そこで内々ではありますが、その準備をしていましたが、まさか、こんな紹介状きょうはくじょうを持って来るとは予想外です!」

「書いてる時、見てましたけど、きちんと裏読みするとキツいよな。しかも、見せなかったら俺がリアンベルさんに怒られるしな」

「ええ、そうでしょうとも。」

「分かってくれて、嬉しいよ」

「……さて、仕事の話をしましょう」

「ああ」


 商業ギルドのギルドマスターと話し合い、場所を見て確認した結果、大通りから1つ入った所で、土地は伯爵級だが家屋はオカルト的な雰囲気が醸し出す廃屋で、手入れが入っていない為、中庭が密林みたいになっていた。


 まあ、必要な手続きを済ました後、土地内に結界を張り灰すら残さない程に燃やし尽くした。


 喫茶店兼実家の建物は、俺とレイとサラとローラと喫茶店店長をしていた「テリーヌ」で話し合った。

 ローラは、表向きのオーナー役をお願いした。


 結果、店舗である喫茶店は、前の喫茶店の倍のスペースを取り、前回同様に2階のラウンジは1階の喫茶店から出入りする様にした。

 そして、4階を俺達の居住区にした以外は、前世のマンションみたいにした。

 因みに、サラの部屋はレイの強固な反対で3階になった。

 俺としても、サラには「子離れ」をして欲しいから賛成した。

 ユニコーンは、土地に結界を張り、前回同様に中庭で暮らして貰う。

 喫茶店としては、材料が安く買える為に、目玉商品に「プリン」を加えた。


 それと、中庭の本宅に接する形で、俺が鍛冶をする為の工房を建てた。

 廃水は、「スライム」で処理する事にした。

 この世界のスライムは、鉱毒等の廃水も大丈夫らしいな。

 ……て、いうか、この世界は、そっち系は全てスライムが最終的な処理をしている。


 喫茶店の内装は、前回以上に「メルヘン」や「キ○ィ」や「ア○ス」系にした。

 今回も、「カップル以外の野郎は来るな!」を掲げて内装等を用意した。

 コップや皿は当たり前で、テーブルや椅子等もメルヘン系に染めた。


 イシュトリアの喫茶店で、確認済みだ。

 此処までやっても女性客は来る!


 2ヶ月後、俺達の引っ越しも周りの挨拶も終えて喫茶店は今日、オープンする。


「いらっしゃいませ!」



厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点をお願いします。


紹介状きょうはくじょうの内容を意訳すると

「ライに、損害出したら、孫にも髪が白くなるまで虐めるからな!」です。

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