飼いましょう!
ユニコーンに夢を持っている方、申し訳ありません!
ユニコーンは、どうやらラピスの正体を本能的に感じ取り、弱肉強食に殉じながらも犬の降参ポーズで命乞いをしていた訳だ。
「どうするの?」
「とりあえず、ある程度近付いたら、レイがユニコーンの角に触れてみてくれ」
「分かったわ」
……アッサリとユニコーンの角をゲットした。
それと、レイがユニコーンに清らかな乙女と認められたのは嬉しかった。
さて、そのユニコーンはどうなったかと言うと、全力で、「俺」に媚を売っている。
どうやら、知能とか知性がかなり高いみたいで、俺達の会話から、俺がラピスよりも上位だと判断したみたいだ。
俺が出す命令で理解出来た事は従った。
……説明したら、「チ○チ○」までしたぞ。
そして、試しにテイムしたら成功しました……
「飼いましょう!」
何故か、リンが強く推した。
自分の我儘は滅多に言わないリンからのお願いだから、二つ返事で承諾した。
勿論、帰ったら……
「ユニコーンが!」
「テイムに成功した!?」
「信じられないわ!」
「アレがユニコーン!?」
「凄い!」
4番目の可愛い神官系のお姉さん、気持ちは分かるよ。
今も、ユニコーンは俺に媚を売っているし、「あのユニコーンの定説は何処に行った!」だよな。
そんな訳で、オマケとして「伝説」のユニコーン本体も手に入れてアリングサスの街に戻る事にした。
「……聞くが、『ソレ』は?」
「テイムに成功した」
「……分かった。冒険者ギルドに行って従魔手続きをする様に」
「分かった」
「次に、年頃の娘に、何故かは分からんが見せてはいけない気持ちにさせる形で、縄で拘束されている連中は?」
「奴隷法の強盗罪を犯した」
「なる程な」
門番のオジサンは、俺の後ろに居るキサラ達を見て納得していた。
そして、門番のオジサンは、俺に命令させて、リンに質問して、俺の報告に虚偽が無いか確かめると、俺のギルドカードを受け取り奥に行き、数分後にギルドカードを返した。
「手続きは終了した。野郎共は此方で処理しておく」
「分かった」
門を抜けた俺達は、冒険者ギルドに行き、報告をしてユニコーンの従魔手続きを済ました。
ユニコーンには、従魔の証のリボンが付いている。
お姉さん達も、パーティー解散手続きと、パーティー結成手続きを済ました後は、奴隷商に行き、奴隷の所有権の変更手続きが終わると別れた。
「じゃあな」
「また、何処かで会いましょう」
「元気でね」
「またね」
「今までありがとうございます!」
一旦、都市リザラルトに帰る事にした俺達は、馬車で帰る途中で、元子爵家の侍女で、現奴隷の「マナリア」の顔と服で隠れていた傷を全て癒やしたら、泣きながら感謝してくれたよ。
どうやら、彼女が仕えていた子爵家が領地の視察中に、馬車ごと崖から落ちて、運良く助かったのは彼女だけで、遺体を埋葬した後、悲嘆に崩れる前に、フォレストウルフに襲われて、命は助かったけど、全身に酷い傷を負い、助けてくれた教会のシスターを借金から救う為に恩返しで自ら奴隷になったらしい。
……ちょっと寄り道して、そのシスターが居る町に行って感動の再会をプレゼントした。
序でに、寄付を3枚程した。
まあ、見た目が「白い」のは我慢して欲しいと言ったら、シスターは、その「白い硬貨」を見て腰を抜かして、レイからツッコミを受けた。
すると、マナリアが、ガラスのペルソナの彼女達の様に俺を見ていた。
ちょっとアレだが、都市リザラルトに到着するとローラ達にマナリアを紹介した。
マナリアは、ローラ達に温かく迎い入れられたから大丈夫だろう。
ユニコーンは、家の中庭に放し飼いにした。
一応、家も含めて結界を張り、玄関からとかの入口から入らないと中庭に行けない様にした。
後は、白鱗竜だけだな。
冒険者ギルドで情報を聞くと、都市リザラルトの北西に「ファルモーザ」と言う街があり、その北に白鱗竜が棲息している山脈が有るらしい。
3日、マナリアの様子を見た後、俺達は、出発した。
当日のその夜に、ラピスの人化を解き、ラピスに乗って一気にファルモーザの北にある山脈の麓に到着した。
ラピスは、リンに逆らえない為に、俺からリンに、リンからラピスへの指示は、「はい、であります」しかラピスは答えなかった。
普通に馬車だったら、20日は掛かる距離だったな。
そして、小休止の後、改めて山脈にラピスに乗って向かうと、山脈に囲まれた大森林が有って、そこの開けた場所に白鱗竜の群れが居た。
最初は、白鱗竜の特性である氷属性で威嚇していたが、ラピスが近付くと、氷属性の威嚇を止め、白鱗竜が、大の字でうつ伏せになった。
思わず聞いた。
「その格好の意味は?」
「完全降伏を意味します」
「白鱗竜だけの?」
「いいえ、我ら竜族の全てです」
……マジか!?
アレは、かの作品のギャグじゃなかったのか!
「それで、偉大なりし高貴な方に騎乗した貴方様方は何者でしょうか?」
「仲間だ」
「……仲間?」
「ああ。さて、俺達は、白鱗竜に小さなお願いをしに来た。」
「その小さなお願いとは?」
「誰でも良いから血を少々頂きたい」
「承知しました。私の血で良ければお受けください」
「ありがとう」
「ありがとう?」
「此方はお願いして、それを引き受けてくれた。礼を言うのは当たり前の事だろう」
こうして、俺達は、最後の品も手に入れた。
厳しくも温かいメッセージを待っています!
そして、星の加点をお願いします。




